9月12日(火)のマーケット
9月11日の米国株式市場はNYダウは3日続伸。ナスダックは続伸。ウォール・ストリート・ジャーナルが、9月19~20日の次回FOMCでは政策金利を据え置く公算が大きいと報じたことが好感された。ナスダックでは、テスラはモルガン・スタンレーが投資判断を「Equal-weight」→「Overweight」に、目標株価を250ドル→400ドルに引き上げたため、大幅高(25ドル高の273ドル)となった。自動運転システム訓練用スーパーコンピューター「Dojo」が自社のロボットタクシーやネットワークサービスの迅速な導入を通じて企業価値を最大5,000億ドル(約73兆円)高める可能性があると指摘した。メタ・プラットフォームズはオープンAIが提供する最先端の人工知能(AI)モデルに匹敵する新たなシステムの開発を進めているとウォール・ストリート・ジャーナルが伝えたことで買われた。NYダウは前日比87ドル(0.25%)高の34,663ドル。NASDAQ総合指数は前日比156ポイント(1.14%)高の13,917。S&P500指数は前日比29ポイント(0.67%)高の4,487。
金利上昇を受けて、前場の日経平均は上げ幅を縮めたが、円高一服と5年債入札が無難で金利も上昇幅を縮めたため、上値指向となった。円高一服で自動車株が買われ、金利上昇一服で不動産株が反発。ディフェンシブ株として医薬品株も選好された。日軽金は野村証券によるレーティング引き上げで注目された。一方、米社の航空機エンジンの耐久性問題で検査対象が増えたため開発に参画していたIHIや川崎重工は費用負担増大が警戒され売られた。
スタンダード市場では、ラーメン店チェーンの丸千代山岡家が業績予想を上方修正し急騰した。ギグワークスは子会社の日本直販の総合プロデューサーに秋元康氏が就任しストップ高。北川精機はいちよし経済研が新規「A」と評価したため値を飛ばした。新東は反落しストップ安。
グロース市場では、INFORICHやJTOWERが買われた。AI CROSSは次世代AI搭載型MA/CRMシステムを発表し大幅高。GENDAは続落となり、I-neは3日続落。シャノンは子会社ジクウのメタバース事業で減損損失を計上し、通期赤字予想に下方修正したため急落。
チャート上では、長めの下ヒゲを伴う陽線。昨日割り込んだ75日移動平均線(3万2511円)を回復し、終値で一目均衡表の雲の上(3万2718円)に浮上した。明日以降、この状態を継続できるか注目される。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【「本格的なアクティブ運用は世の中に求められる」】
日本証券新聞9月13日(水)紙面1面TOP記事掲載
中野晴啓氏、内外2本のファンド年明けにも運用開始 低コスト競争には加わらず
なかのアセットマネジメントを設立した中野晴啓氏。日本株と海外株のアクティブファンドを1本ずつでスタートする予定。なぜアクティブファンドなのか。長期投資の理念をどう生かすのか。
――新会社の運用方針は。
中野氏 商品設計はこれから具体的にするが、会社自体を本格的なアクティブハウス(アクティブ運用会社)にしていきたい。セゾン投信とはイメージが違うし、時代の変化に適合させないといけない。これからインデックスがあふれてコモディティ化し、間違いなく本格的なアクティブ運用は世の中に希求されるようになる。そこに先んじて高品質なアクティブ運用を備えたい。まっとうなアクティブ運用が健全に競争し合う投資信託の世界を作ることが日本の資産運用が高度化する大前提だ。
――長期的にアクティブ運用がインデックス運用に勝つのは大変ではないか。
中野氏 インデックスを否定しているわけではない。合理的な手法で、相応のリターンは上がっていく。だが、資産運用業の本分は価格発見機能や銘柄選択で、魅力的な企業、ビジネスモデルを選別して世の中に見える化する。そういった会社に産業資本を提供する。これはアクティブ運用しかあり得ない。資産運用業者としての社会的本分を徹底的に果たすことが、日本が将来、金融立国として豊かになるために不可欠だと思っている。金融庁も大手の運用会社にグローバルの自前の運用機能を強化するよう要望している。ただ、それ以前の問題として、自国の資本市場に長い時間まっとうに評価されている日本株のアクティブファンドがどれだけあるか。長期目線で育てていくことを業界挙げてやらないといけない。
・・・続きは紙面・Digital版で!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
9月12日(火)☆[概況/大引け]
金利上昇幅の縮小を好感。自動車と不動産が上昇。IHIは開発に参画した米社航空機エンジンの交換費用負担増大懸念で急落
大引けの日経平均は308円高の3万2,776円、TOPIXは19ポイント高の2,379ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,392、下落銘柄数は390。出来高は13億6,823万株、売買代金は3兆3,837億円。
5年債入札が無難な結果となり、長期金利が上昇幅を縮めたため、日経平均は上値追いとなった。
詳しくはコチラ