10月13日(金)のマーケット
10月12日の米国株式市場は5日ぶりに反落。9月の消費者物価指数が前年同月比3.7%上昇と、市場予想の3.6%上昇を上回ったため金利が上昇した。12月のFOMCで利上げを実施し、来年は長期にわたり高水準を維持するという観測から米国株は反落した。30年国債の入札で需要が低調だったため金利が一段と上昇し、NYダウは一時349ドル安となった。NY証券取引所ではデルタ航空やボーイングが売られた。NYダウは前日比173ドル(0.51%)安の33,631ドル。ナスダックは小幅反落。ナスダックではテスラやスーパー・マイクロ・コンピュータが下落した。ブロードコムはVWウェアの買収について、中国が承認する意向と伝わり買われた。NASDAQ総合指数は前日比85ポイント(0.63%)安の13,574。S&P500指数は前日比27ポイント(0.62%)安の4,349。
日経平均は4日ぶりに反落。米国株反落やイスラエルによる地上侵攻リスクが警戒され、広範囲に下落。セブン&アイは自社株買いの発表がなく下落した。リスク回避姿勢から証券株が軟調で、業界統計ではオフィスビル空室率の低下が続いた不動産株も安い。一方、ファーストリテは好決算で買われた。クレハは旧村上ファンド系の保有が判明し上昇。経産省が岸田内閣の経済対策において半導体基金に3.4兆円を要求しているという報道が東京エレクとSCREENを下支え。
スタンダード市場では、秋元康氏がゲームアドバイザーに就任で9連騰していたギグワークスも利食い売りで大幅反落。ジーデップが大幅反落。エヌリンクスは6~8月期が営業赤字でストップ安。アバールデータは一転最終増益と大幅増配計画でストップ高。山大は2日連続トップ高。
グロース市場では、会議室のTKPは決算がアナリスト予想に届かず急落。クラウド構築のFIXERは今上期が大幅減益予想で、通期予想を開示せずストップ安。NPCは続伸となり、通信技術を学会発表のASJは再びストップ高。直近新規公開株のキャスターが反発しストップ高。
日足チャート上では、十字足に近い実体線の短い陰線。25日・75日移動平均線近辺で一旦の調整となったが、昨日上抜けした25日移動平均線はキープして週末を迎えた。昨日からパラボリックも陽転しており、目先はリバウンドが続くか注視したいところ。週足では短い上ヒゲを伴う大陽線。13週移動平均線(3万2,248円)を上抜き、先週に下抜けした26週移動平均線割れがアク抜けとなった格好。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。地中海沿岸のガザ、パレスチナ自治区からイスラエルに向けて大量のロケット弾による攻撃が実施されて1週間が経ちました。世界が息をひそめて新たな中東紛争の行方を見守っています。
市場はそれとは別の動きも見せています。半導体関連株の動きです。レーザーテックが急騰し、ローツェもストップ高まで買われました。
日本経済新聞が毎月まとめている、台湾の主要なエレクトロニクスメーカー19社の売上動向では、9月は前年比▲16.2%となりました。マイナスを記録するのはこれで8か月連続ですが、それでも前月比では+24.4%と伸びています。
新発売「iPhone15」の売れ行きは苦戦を余儀なくされており、現時点でのインパクトは限られているようですが、9月は例年のことですが年末商戦に向けてスマホやパソコンの作り込みが活発化する時期でもあります。
下半期相場が始まって最初の胎動が半導体関連株というのはきわめて象徴的です。この10月から来年に向けての株式市場の隠れたテーマは、グロース株とバリュー株の交互の物色がいつ転換するか、という点にあると見られます。その最初の兆候が早くも始まったかのような展開です。
新たな動きが始まりつつあります。バリュー株の流れに続いてグロース株に復活の芽が出てくると日経平均にも動きが始まることが期待されます。しっかりと相場の流れについてゆきたいと思います。
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注目記事 Pick up
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【決算注目ワード「値上げ」の新潮流】
日本証券新聞10月16日(月)紙面1面TOP記事掲載
値上げ言及と1Q上振れでスクリーニング
全般軟調展開ながら、ファーストリテに竹内製、いちご、明光ネットと好決算発表を受けて急伸する銘柄も目立ち、次の3月期決算企業の決算発表本格化にも期待の高まる局面と言えよう。そして、好決算のキーワードに挙げられるのが「値上げ」だ。
昨年来、ユニクロ店で大幅値上げを実施したファーストリテイリングはもちろん、「製品価格の値上げ、運搬費の減少、および円安影響等により」(竹内製作所)など好業績の背景に値上げを挙げる企業は少なくない。
「値上げ・価格戦略の新潮流を探る」と題する野村証券の12日付マクロストラテジーレポートに注目してみたい。タイトルの前に「Revisit Japan」と付されているが、これは7月6日付で発行され、市場の話題を呼んだ「眠りから覚める日本経済・企業」と同じ体裁だ。
・・・続きは紙面・Digital版で!
今日の市況概況
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10月13日(金)☆[概況/大引け]
反落。イスラエルによる地上侵攻リスクを警戒し広範囲に下落
大引けの日経平均は178円安の3万2,315円、TOPIXは33ポイント安の2,308ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は101、下落銘柄数は1,708。出来高は14億1,413万株、売買代金は3兆7,676億円。
米国株反落やイスラエルによる地上侵攻リスクが警戒され、広範囲に下落した。
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