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コラム2023年10月27日

【本日のマーケット】10月27日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

10月27日(金)のマーケット                                                                   

10月26日の米国株式市場は続落。7~9月期の実質GDPは前期比年率換算で4.9%増となり、市場予想の4.3%増を上回ったが、グーグルの親会社アルファベットやテスラ、フェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズがいずれも決算発表以降に株価が低迷していることが影響した。ナスダック上場のメタ・プラットフォームズは2024年のリアリティラボ(拡張・仮想現実)が製品開発や先行投資によりさらに赤字が拡大する見通しを示したことで続落となり、投資家心理が悪化した。マスターカードは10~12月期について慎重な見通しを示したことで売られた。一方、IBMは7~9月期決算で売上高がアナリスト予想を上回ったことで買われた。NYダウは前日比251ドル(0.76%)安の32,784ドル。ナスダックではテスラやエヌビディア、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフトが売られた。NASDAQ総合指数は前日比225ポイント(1.76%)安の12,595。S&P500指数は前日比49ポイント(1.18%)安の4,137。

日経平均は大幅反発。アマゾンとインテルの決算がアナリスト予想を上回り米国株反発が期待された。富士通は7~9月期の利益がアナリスト予想を上回り大幅高。KOKUSAIは岩井コスモ証券が新規「A」と発表。東邦チタニウムは減益決算だったが、期初予想を上回り大幅反発。海運や銀行が高い。一方、イビデンと武田は業績下方修正で大幅安。日立建機は通期予想を上方修正したが、円安要因が寄与し、需要予測ではアジアと中南米などを下げたため下落。

スタンダード市場では、業績上方修正で綜研化学が急騰し、日本ギアはストップ高となった。植松商会は上期の最終利益が大幅増益となりストップ高。トレードワークスと東京機械は反発し、クオンタムSとヒガシ21が高値更新。伊勢化学は7~9月期が営業減益となり大幅安。

グロース市場では、株価の調整が続いていた弁護士ドットコムが安値圏から続伸。GNIが続伸となり、ベースフードとベイシスが反発。アマナは非公開化し、第3者割当以外の少数株主には1株当たり22円を交付すると発表したためストップ安。DELTA-Pは5日ぶりに反落した。

日足チャート上では、今週はギャップアップ・ギャップダウンを見せて、週末の本日は5日移動平均線をかろうじて回復。10月4日の安値3万487円を割り込まなかったことで、リバウンドを期待したいところ。週足では上下に長いヒゲを伴う実体線の短い陰線。13週線が下降してきており、上昇を見せる26週線とのデッドクロスとなりそう。3万1000円台の値固めができるか。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週も株式市場は金利の上昇ピッチに揺れています。米国の10年物国債金利は、週の初めには瞬間的に5.02%をつけました。これは2007年以来、16年ぶりの高水準です。

今週は10月26日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会が開催され、11会合ぶりに利上げの見送りが決定されたことと考え合わせると皮肉なものです。

世の中全体の大きな変動を映して、今週も株式市場は大きく値が動きました。下落した銘柄が多かったのですが、その中で意外なほど株価が頑強な強さを示している一群もあります。小売セクターがそのひとつです。

この激変の時期に日本マクドナルドHD(2702)の株価は春先から微動だにしておりません。すかいらーく(3197)、イオン(8267)、アークス(9948)も同様です。

思えばコロナ禍の3年間、先んじて不透明極まりない世界に突入したのがこれらのアパレル、外食、食品の消費関連セクターです。

輸出関連のビジネスには現時点では不透明な部分が多く横たわっていますが、こういう時は内需系のビジネスに分があります。経済の主役は内需と外需の変遷によって世の中が回ってゆくのでしょう。

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注目記事 Pick up
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【企業の意識改革に向け東証、鬼の一徹
日本証券新聞10月30日(月)紙面1面TOP記事掲載 

“あいまいな対応”は許さない構え

日本取引所グループ(JPX、8697・P)傘下の東証は今年3月、プライムおよびスタンダード企業を対象に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請。7月中旬時点で3月期のプライム1,235社中379社(31%)、同スタンダード887社中120社(14%)が要請を踏まえた開示を行った。

ただ、プライムではPBR1倍未満かつ時価総額1,000億円以上の45%が開示する一方、PBRが高い企業や時価総額が小さい企業は開示が進んでおらず、国内外の株主・投資家からさらなる進展を期待する声は多い。

こうした中、東証は対応を進めている企業の状況を投資家に周知し、企業の取り組みを後押しする観点から、要請に基づき開示した企業の一覧表を来年1月15日から公表を開始し、毎月更新することを正式に発表。併せてPBR1倍超え企業も対象であることを周知するとともに、公表に関する留意事項を上場会社に改めて通知した。

・・・続きは紙面・Digital版で!

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今日の市況概況
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10月27日(金)☆[概況/大引け] 

アマゾンとインテルの決算を受け米国株反発に期待。富士通はサービスソリューションの伸びが加速し急騰

大引けの日経平均は389円高の3万991円、TOPIXは30ポイント高の2,254ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,556、下落銘柄数は92。出来高は13億8,026万株、売買代金は3兆5,383億円。
米国でアマゾンとインテルの決算がアナリスト予想を上回ったため、米国株反発が期待され、日経平均は反発した。

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