11月15日(水)のマーケット
11月14日の米国株式市場でNYダウは大幅に3日続伸、ナスダックは大幅反発。10月の消費者物価指数は前年同月比3.2%上昇し、前月の3.7%上昇から伸び率が縮小し、市場予想の3.3%上昇も下回った。家賃の上昇は続いたものの、ガソリン価格は前月比5%下落と、9月の2.1%上昇からマイナスに転じた。10月の統計から健康保険料の算出方法が変更されたことにより、数カ月下落していた医療保険費は1.1%上昇に転じた。金利先物市場では、FRBが追加利上げを実施する確率が発表前の28%から5%に低下し、来年5月に最初の利下げとなり、2024年末までに合計1%ポイントの利下げが実施されるという金利形成となった。金利低下による株式市場の上昇を受けて、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが買われた。NYダウは前日比489ドル(1.43%)高の34,827ドル。ナスダックは急反発。テスラは、インドがテスラを誘致するためにEV関税の引き下げを検討していると報じられ買われた。テスラは、インドに工場を建設する前提として関税の引き下げをインド政府に求めていることへの対応。エヌビディアが10日続伸。人工知能(AI)向けプロセッサー「H100」の改良版を発表した。NASDAQ総合指数は前日比326ポイント(2.37%)高の14,094。S&P500指数は前日比84ポイント(1.91%)高の4,495。
米消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、来年前半の利下げ予想が浮上したため、米国株が大幅高となり、日経平均も急伸。中国の経済指標が予想を上回ったことも好感された。米エヌビディアの10連騰を受けてアドバンテストを始めたとした半導体関連が高い。ツルハはアクティビスト対策から離れるため、非上場化を検討と報じられ急騰。出光興産は自社株買いと1対5の株主分割の発表で人気を博した。米金利低下で保険と銀行は下落。電通が大幅安。
東証プライム市場の主力株が買われたため、スタンダード市場の銘柄への関心は薄い。ただ、太陽光発電のAbalanceは第1四半期が大幅増益で急騰。不動産関連のマリオンは好決算でストップ高。酒類販売のカクヤスは通期予想に対する進捗率が低く売られた。
出遅れ感のあるグロース市場は上昇した。GNIは大幅増益で買われ、顧客獲得支援のエフコードは好決算でストップ高。プロジェクト管理ツールのヌーラボは増額修正でストップ高。マイクロアドは今期減益予想で、イオレは営業赤字でそれぞれストップ安。
チャート上ではギャップアップで寄付き、ローソク足は「陽の坊主」に近い大陽線。一気に3万3500円台まで到達し、ボリンジャーバンドのプラス2シグマ(3万3343円)も上抜いた。
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注目記事 Pick up
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【米国の利上げ停止見えた!? 日米でハイテク株急伸】
日本証券新聞11月16日(木)紙面1面TOP記事掲載
ハイテク、グロースに脚光
14日に米国で発表された10月のCPI(消費者物価指数)がインフレ圧力の低下を示す内容だったことから、10年債利回りが前日比0.191ポイント低下し、4.443%まで下落、株式市場はハイテクセクターを中心に大幅高となった。
14日の米国市場ではNASDAQ総合指数(チャート参照)が2.4%上昇して終値ベースでは9月5日以来の1万4,000ポイント回復となったほか、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は3.6%の急伸で、テクニカル的には今年の最高値3,851ポイントを目指す展開に。東京市場でも半導体製造装置や電子部品などが急伸した。
10月の米CPIは前年同月比で3.2%の上昇で市場予想の3.3%を下回り、前年同月比で4カ月ぶりに伸びが鈍化した。前月比では予想の0.1%上昇に対し、0.0%と横ばいにとどまった。米国の金融政策を予測するCMEのFEDウォッチでは、14日時点で12月と来年1月に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)会合で、政策金利が据え置きとなることがほぼ確実視されている。来年5月に利下げが開始される確率も6割を超えてきた。市場が待ち望んできた利上げ停止に現実味が増してきたわけだ。
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今日の市況概況
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11月15日(水)☆[概況/大引け]
823円高。米消費者物価を受け来年前半に利下げ予想が浮上。米エヌビディア10連騰で半導体関連が高い。ツルハは非上場化検討報道で急騰
大引けの日経平均は823円高の3万3,519円、TOPIXは27ポイント高の2,373ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,058、下落銘柄数は540。出来高は18億5,915万株、売買代金は4兆6,357億円。
米国消費者物価の伸び率鈍化を受けて、利上げ局面は終了したという見方と共に、来年前半に利下げが開始されるという見方が浮上し、米国株が大幅高となったため、日経平均は800円を超える上げ幅となった。
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