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IPO2023年12月19日

IPO社長会見 S&J 高度なセキュリティサービスを企業に提供

S&J(5599・G)が12月15日、グロース市場に上場した。法人向けのサイバーセキュリティ企業。初値は公開価格を2.3%下回る1,289円。上場当日の記者会見で、三輪信雄代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

監視からコンサルまで……顧客企業へのサイバー攻撃を監視して攻撃に気づいたら対策をとる。あるいはどうすればいいのかコンサルティングをする。なぜできるかと言うと、様々なセキュリティ事故に対応した経験があるので、顧客にそのようなことがないように監視、コンサルティングができる。サービス継続率99.2%、ストック売り上げ比率80.5%、今期末には84%にまで上がる予定で、毎年新しい顧客がほとんど解約することなく積み上がっていくのが特徴。売り上げは監視とコンサルティングに分かれており、自社製品、マイクロソフト製品監視の利益率が高く、黒字に転じている。

被害に気づいていない企業も……地政学リスクが不安定になり、物理的に戦争、紛争が起きるとサイバー空間も同じように反応する。物理的に日本を攻撃するのは簡単にはできないが、サイバー空間は抑止力が働かない。日本の多くの企業が被害に遭っているが、今は情報を盗み出す段階で被害に気づいていない企業も多い。また、テレワークが定着し、自宅からクラウドサービスが当たり前になっている。インシデントが起きることを前提にした、高いレベルのサイバーセキュリティが求められており、市場も拡大していくと考えている。当社の顧客はセキュリティの感度が高く、同業他社や関連会社がランサムウェアなどの被害に遭うのを知り、どこが弱点かコンサルティングしてほしいなど、具体的な要望を上げる客が増えている。それに応えられるのも特徴。

旧来型に飽き足らない顧客が移行……監視サービスは20年前ほど前からやっている企業もあるが、競合は何かあったら知らせるだけ、見ているだけで、(当社のように)実際に対処まで行うところはレベルが違う。旧来型の監視に満足できなくなった顧客がわれわれにサービスを乗り換えてきている。われわれが注力するのは技術力。自社製品を持っているのが他社と大きく違う。検知ロジックを自分たちで作りこめるので、自社製品の開発、レベルアップに大きく貢献できる技術力に注力したい。将来的にはサイバー空間上で対処するノウハウを生かして、物理的なものにつながっているIoTの世界でもセキュリティサービスを提供できればいい。

やっと時代がついてきた……前職で上場企業(ラック、3857・S)の社長を一時していたが、見つけて知らせるだけでなく対処まで踏み込まないとならない、サイバー攻撃のレベルも上がるので、高い技術力を磨かなければならないという思いがあった。自分の会社なら、より機動力をもって実現できると、創業した。最近、深刻なサイバー攻撃が起きており、顧客もより高い技術、踏み込んだサービスを求めていて、やっと時代がついてきたということもある。売上高は少ないが、利益率、継続率が高い良いサービスができたので、上場を機に知名度を上げて、よりたくさんの顧客にわれわれの高いレベルのサービスを提供したい。今後は代理店の支援を受けながらサービスを拡販していき、売上高、利益率を確保しつつ成長することで企業価値を上げていく。

マクニカとはウィンウィン……上場前はマクニカHD(3132・P)が親会社として、苦しい時期に資金援助や人材の支援をいただき業績が良くなっている。現在も売り上げの3割を占める代理店であり、IPOで持ち株比率を下げていただいたが、今後も良い関係を継続する。当社の製品監視サービスを付加価値として提供しているので、ウィンウィンの良い関係だと思う。株式も長期保有と話している。(HS)

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