3月29日(金)のマーケット
3月28日の米国株式市場でNYダウは小幅続伸となり最高値を更新した。10~12月期の実質GDPの確報値は前期比年率3.4%増と、改定値の3.2%増から上方改定された。市場予想は3.2%増で変わらずだった。エクソン・モービルやディズニーが買われた。高級家具のRHは通期の売上高見通しがアナリスト予想を上回ったため大幅高となった。一方、GEは利食い売りで反落。NYダウは前日比47ドル(0.12%)高の39,807ドル。ナスダックは小反落。テスラが売られた。中国のスマートフォンメーカー、小米科技(シャオミ)が電気自動車(EV)「SU7」の発表会を開き、発売を開始したことがマイナス視された。NASDAQ総合指数は前日比20ポイント(0.12%)安の16,379。S&P500指数は前日比5ポイント(0.11%)高の5,254。
NYダウ最高値を受け日経平均は反発。トランプ再選の場合、米本土攻撃時に自衛隊の出動を義務付ける条約改正を迫られると元大統領補佐官が発言したため三菱重工が買われた。野村マイクロは大幅続伸。小糸製作は自社株買いと中期経営計画を発表しストップ高。KOKUSAIはみずほが新規に「買い」判断。不動産株が堅調。セガサミーは欧州で構造改革を好感。半面、海運が売られ、レーザーテックなど先駆株が安い。ビジョナルが売られた。
スタンダード市場では、クックパッドが大規模な自社株買いを発表しストップ高となり、グラフィコは米家庭用消費財企業がTOBを発表し買いが殺到。ワッツは減益予想を増益予想に改めストップ高。タカキューは事業再生計画を東証に提出しストップ高。Abalanceが安い。
グロース市場では、オンコリスバイオが大幅続伸。Birdmanは所属するK-POPボーイズグループが明治の「オーツミルク」のCMに起用されたため急反発した。フィードフォースは業績下方修正で売られた。直近新規公開株ではソラコムは高いが、他は下落する銘柄が多い。
日足チャート上では、上ヒゲを伴う陽線。期末の需給要因に振らされて、5日移動平均線(4万422円)を割り込んで週末を迎えた。週足では、上下にヒゲを伴う陰線を引いた。月足では上下に長いヒゲを伴う陽線。年初から3ヵ月連続陽線となり、相場の強さがうかがえる。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。受渡ベースで4月相場が始まりました。新しいドラマが待ち受けているはずです。
森ビルの辻慎吾社長が日本経済新聞のインタビューに応じて、昨年暮れにオープンしたばかりの「麻布台ヒルズ」について語っていました。
麻布台ヒルズは現在、日本で最も高い高層ビルです。それだけに都心でも最大規模の開発コストがかかります。その建設コストは、計画当初は5800億円の費用を見込んでいましたが、最終的には6400億円にまで膨れあがったそうです。建築資材の高騰が主な理由です。
時期が遅れれば遅れるほど同じ物件でもコストがかかります。インフレ経済は時間との闘いです。高層ビルでも新設の半導体工場でも、予定される投資物件はどんどん前倒しで発注されることになります。
新年度になれば、新たな中期経営計画や長期見通しを組む企業も多くなります。そこにはかなりアグレッシブな設備投資や研究開発投資が盛り込まれるはずです。
新年度入りを目の前にして、株価一段高へのカギを握る海外投資家は、お手並み拝見と期待半分で冷静に見ています。ここから先の一段高の展望を拓くためにも、経営者の大胆な決断が待ち望まれます。
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注目記事 Pick up
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【新年度相場 株式分割銘柄をマーク】
日本証券新聞4月1日(月)紙面1面TOP記事掲載
三菱重工、みずほリースなど 投資金額低下で買いやすく
4月1日から名実ともに新年度入りとなる。3月28日に権利落ちを迎えた銘柄のなかから株式分割を実施した企業に注目してみたい。
東証の要請や新NISA(少額投資非課税制度)を活用する個人投資家を意識して、2024年は3月末割り当てで大幅な株式分割に踏み切る企業が増えた。分割で株式の本質的な価値に変化が生じるわけではないが、1単位当たりの取引金額が下がり、流動性が向上する点、企業側の投資家へのアピール姿勢などは前向きに評価されていいだろう。実態が良好な企業が多いことも特徴だ。
10分割銘柄では防衛関連、水素をはじめとするクリーンエネルギーなどで中期的な成長力が大きい三菱重工に引き続き注目。富士通は官公庁、大企業向けのDX(デジタルトランスフォーメーション)が引き続き成長の支えとなる。28日の引け後には欧州子会社の再編を公表、内外で構造改革が進んでいる点も評価できる。三菱重は1,000円台、富士通は2,000円台まで引き下げられた。
・・・続きは紙面・Digital版で!
今日の市況概況
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3月29日(金)☆[概況/大引け]
終盤は変動が激しかった。三菱重工や不動産株が買われ、繊維も高い
大引けの日経平均は201円高の4万369円、TOPIXは17ポイントの2,768ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,367、下落銘柄数は253。出来高は17億5,159万株、売買代金は5兆890億円。
日経平均は反発したが、終値で実施される銘柄入れ替えの影響で終盤は変動が激しかった。
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