ここ数年、各ブランドが続々と美容液成分が高配合されたファンデーション「美容液ファンデーション」を販売。メイクをしながら肌をいたわれる、と人気を博しています。そんな中、資生堂(4911・P)より逆転の発想とも言える、美容液の中にファンデーション成分を閉じ込めた「ファンデーション美容液」が登場しました。

実現させたのが塗布すると美容液が先に肌に広がり、潤いを与えながらその上に均一なファンデーション成分が層をつくるという「セラムファースト技術」。これにより美容液が肌にずっと触れている状態となり、本格的なスキンケア効果と、決して素肌ではかなわない美しい仕上がりを手軽につくることができます。

開発背景にはコロナ禍を経た消費者の美容意識の変化があり、ファンデーションを使わない「ノーファンデ派」や、化粧下地やコンシーラーのみで仕上げる「レスファンデ派」などの広がりに対応すべく研究され1,000回ほどの試作ののち販売に至ったとのこと。

セラムファースト技術は現在「SHISEIDO エッセンス スキングロウ ファンデーション」「マキアージュ ドラマティックエッセンスリキッド」の2品に搭載されており、発売以降SNS(交流サイト)上では「美容液のような使用感」「色つき美容液」など話題となり、両商品累計出荷総数は300万個に達し、ベストコスメ関連の賞を56個受賞、今後さらに注目を集めそうです。

専門領域を多く持ち、その分野の研究成果や技術を組み合わせたことで、ファンデーション美容液という新発想のベースメイクカテゴリーを創造した資生堂。今後の国内展開だけでなく、化粧品の小売額が2025年に10兆円超えと報道された中国市場における需要にも注目しています。