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銘柄・相場情報2024年6月4日

ハークスレイ 売り上げ、利益5割増目指す4カ年中計策定 国内およびアジアでM&Aを推進

ハークスレイ(7561・S)は3日、2027年度を最終年度とする中期経営計画を策定した。28年3月期の業績目標として売上高720億円(24年3月期は467億円)、純利益25億円(同16億円)、ROE8.3%(同6.9%)などを掲げた。「ほっかほっか亭」ブランドの持ち帰り弁当が祖業の同社だが、事業構造変革に取り組んだことで22年以降は3期連続で最終増益を確保。中長期の成長戦略をさらに推進していくことにより、現在0.7倍付近に低迷するPBRを1倍まで押し上げる。

成長戦略としては営業キャッシュフロー154億円と手元資金を元手に、M&Aに120億円、設備投資等に58億円の計178億円の投資を実行する。M&Aでは自社で冷凍食品の工場を持ち、売り上げ規模50億~100億円の企業を想定。青木達也社長は記者会見後の質疑応答で、「引き合いはいっぱいある。年間2~3社の案件がまとまれば3年で最大9社。売り上げ50億円なら450億円がオンできる」と述べ、国内のみならず食文化の近いベトナムやフィリピンなどアジアの企業とも組んでいきたい考えを示した。

セグメント別では、「物流・食品加工事業」の売上構成比率を33%から42%に伸ばす一方、今期から「中食事業」に名称変更する持ち帰り弁当事業は34%から25%に下げた。原材料費の高騰によって弁当価格が上昇しており、今後は省力化した工場で製造した冷凍弁当の販売を強化するなど消費者への提供方法を変えていく。

「店舗アセット&ソリューション事業」は32%と横ばいの見通し。同社の不動産事業の狙いはテナント管理であって、飲食ビル取得は所有にこだわらずリートとしてノンアセット化している。「金利が上昇して不動産投資に対する熱が下がるとわれわれは取得しやすくなる。不動産所有ではないので金利上昇はプラス面が圧倒的に多い」(青木社長)と言う。

株主還元も強化する。配当は前年を下回らない増配を継続する計画で、28年3月期には前期実績比11円増配となる1株当たり35円を見込む。自己株取得も機動的に実施していく方針を示した。(NA)