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コラム2024年6月14日

【本日のマーケット】6月14日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

6月14日(金)のマーケット                                                                   

6月13日のNYダウは3日続落。週間の新規失業保険申請件数は前週比1万3千件増の24万2千件と、10カ月ぶりの高水準となった。市場予想は22万5千件だった。景気後退懸念でNYダウ一時304ドル安となったが、5月の卸売物価指数が前月比0.2%下落と市場予想の0.1%上昇に反して低下したため、9月の利下げ期待が意識され、下げ幅を縮めた。セールスフォースやスノーフレイク、GMが売られ、デルは買われた。NYダウは前日比65ドル(0.17%)安の38,647ドル。ナスダックは4日続伸。エヌビディアとテスラが買われ、ブロードコムは2~4月期決算がアナリスト予想を上回り大幅高となった。スーパーマイクロコンピュータも大幅高。一方、アマゾンは売られた。NASDAQ総合指数は前日比59ポイント(0.34%)高の17,667。S&P500指数は前日比12ポイント(0.23%)高の5,433。

日銀金融政策決定会合が国債買入減額の具体的な計画は次回会合で決定すると発表したため、次回7月会合での利上げは想定しづらいと受け止められ、日経平均は上げ幅を拡大。不動産株が買われ、銀行株と保険株は下落。ハマスが停戦案に多くの変更を求めたため、早期の停戦合意は難しいという観点から海運株が上昇。ファンケルはキリンが買収すると報じられストップ高。レーザーテックは売られ、ビジョナルはビズリーチの売上下方修正を嫌気。

スタンダード市場では、高級眼鏡店を抱えるJEHが好決算で急騰。メディアリンクスはマイクロ波の実用回線上でSTL伝送の実証試験に成功しストップ高。リードはトヨタからランドクルーザーの外装部品を受注しストップ高。プライムストラテジーは業績予想を下方修正し急落した。

グロース市場では、サンバイオが3日連続ストップ高。monoAIは2日連続ストップ高。アールプランナーは第1四半期決算が好感された。決済関連のネットスターズが大幅高。MacbeePは今期の増益率の鈍化予想でストップ安。アストロスケールが4日続落。デジタリフトが反落。

日足チャート上では、3万9000円台に乗せるも維持できず、上値の重い展開が続いている。日米金融政策イベントとメジャーSQを控えてレンジ内での推移となった。各移動平均線が収れんした状態が続いており、今後上下どちらかに放れるとみられる。週足では、長い上ヒゲを伴う実体線の短い陽線。13週移動平均線(3万8820円)に頭を抑えられる展開が9週間続いている。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日経平均は依然として膠着感の強い展開を続けています。

鈴木一之です。株式市場では膠着感が一段と強まっています。今週はFOMCの開催を控えて、その流れがさらに前面に出てきました。

先週からマーケットは動きを止めてしまったと言ってもよいほどです。東証プライム市場の売買代金は4兆円を下回って、自ら新たな展開を切り拓くことがむずかしくなりつつあります。

それでも民間企業の動きは一段と早まっています。6月末の株主総会を目前に控え、新しい事業プランや資本提携を発表する企業が増えています。とりわけ生成AIを事業の中核に据える企業がとりわけ目につきます。

中でも出色は日立製作所(6501)です。私たちの暮らす社会全体がデジタルの移行スピードを上げており、その流れを日立がとらえて加速させる姿が事業計画の中にはっきりと描かれています。

生成AIの活用に付随して世界の電力消費量は、2022年の460テラワット/時から2026年には1000テラワット/時に達すると予想されています。これは日本が国家として丸ごとひとつ、新たに出現するほどの拡大です。

実業界は着実に動き始めています。先々には膨大な需要が待ち受けていることが少しずつ明らかになっていました。株式市場の動きは今のところ緩慢ですが、動意が見られるのもそう先のことではないように思えます。

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注目記事 Pick up
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【自動運転「レベル4」、全国拡大へ】
日本証券新聞6月17日(月)紙面1面TOP記事掲載 

規制緩和や審査迅速化で後押し

政府は「レベル4」の自動運転を2024年度に約100カ所、25年度には全都道府県に拡大する。来週にも「デジタル行財政改革会議」を開催し、正式決定する予定。物流の人手不足解消の手段としても期待が高く、将来的には自動運転のトラックや自動配送ロボット、自動運航船の実現なども目指すとしている。

11日に「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案が公表され、交通分野では自動運転の事業化を加速していくことが明らかになった。5月1日時点で一般道における通年運行事業が実施されているのは16カ所、「レベル4」に至っては1カ所にとどまる。今年度はこれまでの継続事業を含め、全都道府県で計99件の事業を採択、うち26件は通年運行を予定している。

まずは地域住民の移動の足となる無人バスなどの導入から広がっていく見通し。

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今日の市況概況
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6月14日(金)☆[概況/大引け] 

日銀の国債買入減額計画は先送りで不動産が買われ、金融は安い。ハマスが停戦案に多くの変更を求めたため海運が上昇

大引けの日経平均は94円高の3万8,814円、TOPIXは14ポイント高の2,746ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,417、下落銘柄数は210。出来高は21億5,662万株、売買代金は5兆3,191億円。
日銀金融政策決定会合は、長期国債買入れを減額していく方針を決定したが、減額計画については「今後1~2年程度の具体的な減額計画」を市場参加者の意見も確認して、次回の7月30日~31日の金融政策決定会合で決定すると発表した。
市場参加者の意見を確認する場として「債券市場参加者会合」を開催することが決まった。
大和証券では、このような場を用意することで、(1)国債買入れ減額が金融政策のツールではないことを強調し、(2)金融政策の連想によって減額のインパクトが大きくなる(減額が困難になる)ことを避けたいのだろうと解説した。

次回の金融政策決定会合で追加利上げは想定しづらいという見方から不動産株が買われ、銀行株と保険株は下落した。

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