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コラム2024年8月9日

【本日のマーケット】8月9日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

8月9日(金)のマーケット                                                                   

8月8日の米国株式市場は大幅反発。週間の新規失業保険申請件数が23万3千件と前週の修正値25万件(当初発表は24万9千件)と市場予想の24万1千件を下回った。景気後退懸念が後退し、買いが入った。調整していたエヌビディアやAMDなど半導体関連に買いが入ったことも好感された。インテルは6日ぶりに反発。NYダウは前日比683ドル(1.76%)高の39,446ドル。NASDAQ総合指数は前日比464ポイント(2.87%)高の16,660。S&P500指数は前日比119ポイント(2.30%)高の5,319。

日経平均は反発したが、3連休を控え後場は下落した場面もあった。フジクラは上期予想を上方修正したが下期は据え置いたため再増額期待でストップ高。リクルートは減益予想に反して増益で高い。東京エレクは業績上方修正が好感されたが、中国の装置国産化計画が警戒され伸び悩んだ。TOWAは受注が計画の下限で大幅安。南海トラフ地震の影響で原発を抱える電力やインバウンド関連の空運、電鉄が売られたが、建設は復興需要で買われた。

スタンダード市場では、ビットコイン関連のメタプラネットが大幅3日続伸。豆腐製造のやまみは決算発表と増配が好感され急騰。TOB(株式公開買い付け)が発表されたCDGと東葛HD、MBO(経営陣が参加する買収)の石井鉄工は買い殺到。ジャパンエンジンは上方修正したが材料出尽くしで下落。

グロース市場では、タイミーとコーディアが大幅高。地盤ネットも物色された。建設・プラント向けDXコンサルのArentは好決算でストップ高。Vチューバー事務所のカバーは第1四半期が営業減益だったため大幅安となり年初来安値を更新した。セルシードやペルセウスは反落した。

日足チャート上では、上下にヒゲを伴う陰線。週初の大陰線から下値を切り上げ、3万1000円台から3万5000円台までの回復となった。歴史的な週となった今週は、先週末と比較して884円の下落幅。歴代1位の下落幅の翌日に歴代1位の上昇幅を演じる等、未曾有のハイボラティリティ相場が展開された。25日移動平均線からの下方乖離は未だ9.37%と売られ過ぎ水準になっており、パラボリックが陽転となっただけに、戻り歩調に期待したいところ。週足では長い下ヒゲを伴う実体線の短い陰線。上ヒゲ部分は52週移動平均線(3万6000円)近くまで伸ばしたが届かず、一目均衡表の雲の上限(3万5189円)近辺で激動の1週間を終えた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。7月31日(水)の日銀・金融政策決定会合における予想外の利上げから1週間と少しが経過しました。この間のマーケットの変化はすでにご存じの通りです。

8月5日(月)は日経平均で▲4451円も急落し、下落幅ではブラックマンデー時の▲3873円を抜いて過去最大の下げ幅となりました。大荒れの展開です。

今週の株価の推移はおおむね4つの方向に分かれています。

(1)翌日にはすぐに値を戻した銘柄(三菱重工業、日立、HOYA、信越化学工業)、(2)少し遅れて値を戻しつつある銘柄(レーザーテック、ニッパツ、ユニオンツール)。

(3)まだ値を戻し切れていない銘柄(TDK、村田製作所、ダイキン工業、川崎重工、銀行セクター、総合商社)、(4)まったく下がらず波動が異なる銘柄(ニトリHD、サンリオ、SHOEI、住友ファーマ)、の4種類です。

3か月程度の時間をかけながら、相場は徐々に修復されてゆくことになりそうです。今回の「日銀ショック」は日銀にしか修復できないと考えられます。金融当局の動きがますます重要になります。

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注目記事 Pick up
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【「激動の1週間」 沈静化のカギは変動率】
日本証券新聞8月13日(月)紙面1面TOP記事掲載 

日経レバの先物売買も波乱展開を増幅

文字通りに激動の1週間がようやく幕を閉じた。何せ週明け5日に日経平均下落幅歴代トップ(下落率も2位)、翌6日にも上昇幅歴代トップ(上昇率も4位)を記録した歴史的大波乱相場だ。

「日銀・植田和男総裁のタカ派的会見」に「米国雇用統計の下振れ」…。個々に見ればインパクトの限られる“普通の懸念材料”をきっかけに、積もりに積もった円キャリートレードに大規模な巻き戻しが生じ、急激に高まった不安心理が値動きを極端に増幅させていったということだろう。

日経平均が最高値4万2,224.02円を付けたのは、まだ3週間前の7月11日のことだ。翌12日の1,033.34円安で一気に暗転。翌々営業日の17日から戦後15位タイの8日続落となった。後から振り返れば今次の暴落局面の“伏線”のようにも思えるが、ここ数日の展開とそれまでの下落局面には質的な違いも指摘されている。

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今日の市況概況
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8月9日(金)☆[概況/大引け] 

反発。フジクラは再増額修正期待でストップ高。リクルートは増益を好感。TOWAは大幅安

大引けの日経平均は193円高の3万5,025円、TOPIXは21ポイント高の2,483ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,226、下落銘柄数は392。出来高は25億4,744万株、売買代金は6兆3,348億円。
日経平均は反発したが、3連休を控え後場は下落した場面もあった。

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