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コラム2024年8月16日

【本日のマーケット】8月16日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

8月16日(金)のマーケット                                                                   

8月15日の米国株式市場はNYダウは3日続伸。週間の失業保険申請件数が市場予想を下回り、7月の小売売上高は前月比1.0%増と市場予想の0.4%増を上回った。一方、7月の鉱工業生産は前月比0.6%減と市場予想の0.3%減よりも弱かった。ウォルマートは通期予想を上方修正したことで買われたデルはバークレイズが投資判断を「アンダーウエイト」→「イコールウエイト」に引き上げた。ナイキは資産家ビル・アックマン氏率いる投資会社パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントによる保有判明で上昇した。NYダウは前日比554ドル(1.39%)高の40,563ドル。ナスダックではエヌビディアやテスラ、アマゾンが上昇。NASDAQ総合指数は前日比401ポイント(2.34%)高の17,594。S&P500指数は前日比88ポイント(1.61%)高の5,543。

日経平均は8月1日以来の3万8000円を回復。信用買い残や裁定残高の減少で仮需の整理が進んだところに米国経済のソフトランディング(軟着陸)観測が追い風。全面高で、石油や非鉄、電機、銀行が高い。ディスコはインドに拠点設立を好感。日立はみずほ証券が目標株価を引き上げた。AIサーバー向け光配線部品のフジクラは最高値更新。霞ヶ関キャピタルは株主優待制度で長期保有特典を拡充し大幅高。メドレーは勤続支援金の禁止懸念で下落。

スタンダード市場では、メタプラネットが反発し、santecは大幅高。ぷらっとホームは4日続伸。不動産関連のマリオンは8日続伸で足元は3日連続ストップ高。enishは新作ゲームのランキングが低くストップ安となった。環境管理センターは今期の純利益予想が4割減益で急落した。

グロース市場では、バイオベンチャーで赤字縮小のペルセウスが続伸となり、ITエンジニアと企業のマッチングを行っているTWOSTONEは業績予想の上方修正でストップ高。出張買取のBuySellは大幅続伸。販促支援のBirdmanは赤字決算で2日連続ストップ安。

日足チャート上では、寄付きが安値となる大陽線。ギャップアップで200日移動平均線(3万7020円)を飛び越え、大引けでは25日移動平均線(3万7941円)を奪回。8月1日以来の3万8000円台を回復して週末を迎えた。先週末から5連騰となり、今週の上昇幅は3037円。上昇率は8.67%と記録的な相場展開となった。週足では5週ぶりの陽線で大陽線を示現。一目均衡表の雲の上限(3万5373円)がサポートとなり、急反騰の1週間となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。久しぶりに明るい話題が飛び込んできました。4-6月のわが国の実質GDPが年率+3.1%のプラス成長を遂げたということです。

自動車業界の認証不正の生産停止もあって、エコノミストの予想の多くがマイナス成長を覚悟していた矢先です。

8月15日の朝一番に発表されたこの朗報に、久しぶりにマーケットは沸き立ちました。GDPがプラス成長を遂げたその内訳にも目を見張ります。個人消費と設備投資が改善しています。

中でもウエートの大きな個人消費は、前期比+1.0%の増加となりました。5四半期ぶりのプラス成長です。また設備投資も+0.9%の増加となっています。好調な企業業績に支えられてデジタル投資、グリーン投資の両分野が活発です。

消費と投資は景気の中でも特に中心に据えられる大黒柱です。この領域が堅調であれば、おそらく日本経済は早晩落ち着いてくるはずです。消費関連株と機械や情報通信セクターを中心に、久々に明るい展望の描くことのできる週末になりそうです。

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注目記事 Pick up
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【“最大の悪役”外国人が買い越し転換】
日本証券新聞8月19日(月)紙面1面TOP記事掲載 

彼ら好みの大型優良株に活躍余地広がるか

止まらない日経平均。下落率歴代2位となった5日安値を起点とする上昇率は2割を突破し、7月11日最高値からの押し幅半値戻しもあっさりクリアしてきた。そもそも15日のニューヨークダウの戻り率は74.5%に達し、7月17日最高値にもあと1.56%で手の届く状態にあるのだから、暴落後の“病み上がり”の日本株も彼らから見れば「出遅れ」と映るのだろう。

16日のさらなる市場ムード好転を促す要因となったのは、“悪役”外国人の買い越し転換だ。財務省が寄り前に開示した8月第1週(5~9日)の「対外及び対内証券売買契約等の状況」によれば、外国人は4週ぶりに5,219億円の買い越しに転じた。買越幅が5,000億円を超えたのは今年に入っての31週間で8回目のことだ。

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今日の市況概況
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8月16日(金)☆[概況/大引け] 

3万8000円回復。仮需の整理が進んだところに米国経済ソフトランディング期待

大引けの日経平均は1,336円高の3万8,062円、TOPIXは77ポイント高の2,678ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,536、下落銘柄数は90。出来高は18億7,753万株、売買代金は4兆9,974億円。
日経平均は8月1日以来の3万8,000円回復。
信用買い残や裁定残高の減少で仮需の整理が進んだところに米国経済のソフトランディング(軟着陸)期待が追い風となった。
全面高で、石油や電機、非鉄や銀行が高い。

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