8月22日(木)のマーケット
8月21日の米国株式市場は小反発。労働省が公表した年次改定(速報値)は3月までの年間雇用者数の伸びが81万8000人下方修正された。7月30日~31日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、「データが引き続きほぼ予想通りの内容となれば、次回会合(9月17日~18日)での利下げは適切になる公算が大きいとの考えを大多数が示した」「多くの参加者はインフレ目標に対するリスクは低下したと指摘した」と記述された。これらを受けて、利下げ期待から株式は反発したが、23日のパウエルFRB議長の講演(ジャクソンホール経済政策シンポジウム、22日~24日)を控え、上げ幅は小幅だった。小売チェーンのターゲットは5~7月期決算がアナリスト予想を上回り、通期の利益見通しを上方修正したことで買われた。新たな低価格ストアブランドを立ち上げ、約5000品目の定番商品を値下げしたことが寄与した。NYダウは前日比55ドル(0.14%)高の40,890ドル。ナスダックでは半導体のテキサス・インスツルメンツは、シティグループが投資判断を引き上げたことが好感された。NASDAQ総合指数は前日比102ポイント(0.57%)高の17,918。S&P500指数は前日比23ポイント(0.42%)高の5,620。
米FOMC議事要旨を受けて9月の利下げが確実視され、日経平均は前場に一時456円高となった。だが、23日のFRB議長の講演で利下げ幅を探ろうとして、11時以降は上げ幅を縮めた。20日に香港のオアシス・マネジメントによる保有が判明したメルカリが堅調。IHIはJPモルガンが投資判断を引き上げたことに刺激を受けた。医薬品株が買われ、アステラス製薬は1月に付けた年初来高値を更新。銀行株は売られた。ディスコやトヨタも安い。
スタンダード市場では、メタプラネットが再び買われ、ぷらっとホームが反発。ピアラが続伸。まぐまぐはクリエイターと企業とファンをマッチングする新たなプラットホーム「MagOne(マグワン)」を発表し急騰した。ワークマンが高い。enishが売られ、ジャパンエンジンは5日続落。
グロース市場では、セルシードが4日続伸。訪日外客数が2カ月連続で過去最高を記録したため、外国人の人気が高まっているゲームセンターを運営しているGENDAが大幅高。ウィルスマートは顧客企業がレンタカーシステムをリプレイスしストップ高。直近新規公開株のオプロは反落。
チャート上では、上下にヒゲを伴う陽線。3日連続の陽線となり、急角度で上昇する5日移動平均線(3万7935円)がサポートとなった。堅調な展開となり、終値でも3万8000円台での大引けとなった。
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注目記事 Pick up
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【自社株買いは上場企業のメッセージ】
日本証券新聞8月23日(金)紙面1面TOP記事掲載
急伸続々 候補銘柄にも関心高まる
底堅いながらも相変わらず安定感を欠く日経平均。一時期ほどではないにせよ、22日も日中値幅は524.33円に達している。こうしたなかで強さが目立つのが株主還元銘柄だ。
22日はシステナ(2317・P)が一時72%高で昨年2月以来の高値に買われた。5月の決算発表時に発表した発行済み株式の6.4%の自社株買いを21日までの3カ月余で買い切るとともに、間髪入れず次の自社株買いを発表してきたためだ。さすがに発行済み株式比では1.37%と小規模ながら、上限金額を上限株数で割った“買付予定価格”は400円と21日終値を7.8%上回る(前回の自社株買いも400円、5月13日発表日終値を50%強上回っていた)。今回も、地合いが不安定な今の時期に発表したことと合わせ、会社側が「自社の株価が割安」と判断していることを示すメッセージとみることができるのではないか。
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今日の市況概況
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8月22日(木)☆[概況/大引け]
米国の9月利下げ期待。医薬品が買われ、銀行は安い
大引けの日経平均は259円高の3万8,211円、TOPIXは6ポイント高の2,671ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,033、下落銘柄数は548。出来高は13億4,022万株、売買代金は3兆6,468億円。
米国で7月30日~31日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、「データが引き続きほぼ予想通りの内容となれば、次回会合での利下げは適切になる公算が大きいとの考えを大多数が示した」「多くの参加者はインフレ目標に対するリスクは低下したと指摘した」と記述された。
次回9月17日~18日のFOMCでは利下げが確実視され、日経平均は一時456円高の3万8,408円となった。
だが、米国西部のジャクソンホールで開催される金融政策のシンポジウムで、パウエルFRB議長が23日に講演を行うので、利下げ幅が0.25%になるのか、0.5%か、11月も連続利下げが行われるのかなどを探ろとして、日経平均は上げ幅を縮めた。
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