Aiロボティクス(247A)が9月27日、グロースに新規上場する。
2016年創業で女性向けライフスタイル関連の動画配信サービスと広告配信事業を開始。18年から広告運用自動化のため独自開発したAIシステム「SELL(セル)」を用いて、大手消費財メーカーなどをクライアントに顧客開拓・分析を行う「AIマーケティング事業」を開始した。
そして、22年に出資先でスキンケアブランドを展開する「Yunth(ユンス)」などの株式を取得し、自社ブランドの企画・販売を行う「D2Cブランド事業」を開始。24年2月には新たに美容家電ブランド「Brighte」を立ち上げた。現在、AIマーケティング事業は行っておらず、事業セグメントは「D2Cブランド事業」のみ。D2Cはメーカーが消費者に自社商品を直接販売するモデルを指す。
同事業では独自開発のAIシステム「SELL」の機能拡張を行い、商品の企画開発、広告運用、CRM(顧客管理)施策、需要予測までブランド運営を取り巻く業務データを分析し、改善を行い、連続的にヒット商品を生み出すことを追求している。
主力商品は、メラニンの生成を抑制して美白効果のあるアスコルビン酸を配合した「生VC美白美容液」。その他の商品もアスコルビン酸配合商品の名称に「生VC」を付け、Yunth=生VCという一定の認知を得ている。「Yunth」ブランドの商品は延べ約300万個以上を出荷。美容家電は美顔器を展開している。
販売は自社EC(電子商取引)サイト、ECモール(楽天市場、アマゾンなど)、店頭卸販売の3ルート。自社ECサイトでは、商品を必要な時に都度買う「通常購入」に加え、同一商品を一定間隔で継続的に購入する「定期購入」サービスを提供している。定期購入の会員数は23年3月期末の7万2,496人に対し、24年3月期末で10万2,747人、25年3月期第1四半期末では11万6,277人と着実に増えている。
販売ルート別の売り上げ構成比は、自社ECが全体の7割弱を占め、ECモールは2割超、店頭卸1割弱。上場に伴う公募増資で調達した資金は人材採用費、増員に伴う人件費に充てる。(K)
概要
●事業内容=自社開発のAIシステムを用いた、スキンケア商品・美容家電などの企画・開発および販売
●本社=東京都港区六本木6-10-1
●代表者=龍川誠代表取締役社長
●設立=2016年4月
●上場前資本金=6億2,743万円
●発行済み株式数=1,136万4,000株(上場時)
●筆頭株主=龍川誠(上場前19.06%)
●公募株式数=23万株
●売出株式数=108万9,000株(このほかオーバーアロットメントで19万7,800株)
●仮条件=9月6日に決定
●ブックビル期間=9月10日から17日
●引受証券=SBI(主幹事)、岡三、SMBC日興、大和、あかつき、岩井コスモ、極東、松井、マネックス
業績推移(単独)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2023.3 | 3,645 | 283 | ― | ― |
2024.3 | 7,061 | 1,234 | 137.52 | ― |
2025.3(予想) | 10,800 | 1,700 | 115.38 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |