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コラム2024年8月30日

【本日のマーケット】8月30日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

8月30日(金)のマーケット                                                                   

8月29日のNYダウは反発したが、ナスダックは小幅続落。4~6月期の実質GDPの改定値が前期比年率3.0%増と速報値の2.8%増から上方修正された。一方、エヌビディアは下落。第3四半期(8~10月)の売上高見通しがアナリスト予想平均を上回ったものの、予想との開きは過去5四半期決算と比べてはるかに小幅だった。次世代AI半導体の「ブラックウェル」が設計上の問題で歩留まりが悪いため、設計を修正し、新たなテスト生産を行うことになったため、それに伴い量産出荷が遅れることも警戒されている。エヌビディアの下落が影響し、ナスダックは小幅続落となった。NY証券取引所では、家電量販店のベストバイが業績予想を上方修正したため急伸した。ディスカウントストアのダラー・ゼネラルは業績予想を下方修正し急落した。NYダウは前日比243ドル(0.59%)高の41,335ドル。ナスダックでは後払い決済サービスのアファームが4~6月期の赤字縮小で急騰した。NASDAQ総合指数は前日比39ポイント(0.23%)安の17,516。S&P500指数は前日比0.2ポイント(0.00%)安の5,591。

オープンAIの資金調達にアップルとエヌビディアが参加交渉と報じられ、東証ではアドバンテストやディスコとアップル関連のTDKが買われた。電力会社がデータセンターや半導体工場の増加に対応して送電網を増強との記事で、電線各社と変電機器の明電舎やダイヘンが高い。小林製薬は文春オンラインがMBOで非上場化を目論むと報じたため反発した。テルモは金融機関による海外売出の発表で下落した。ニトリやスギ、イオンなど小売が安い。

スタンダード市場では、ザインエレクが大幅高。JETは6日ぶりに反発。ぷらっとホームが大幅続伸。ストラテジックキャピタルが7月と8月に保有株を増やした大阪製鉄は最高値を更新した。イマジニアが年初来高値。JapanEyewearは利食い売り。サン電子は3日続落となった。

グロース市場では、リード入札機能で特許のアイズが再び買われストップ高。AI関連のLaboroAIがストップ高。コメ不足関連の雨風太陽は2日連続ストップ高。介護関連のT.S.Iがストップ高。タイミーとGNI、ビーマップは反落し、Gオイスターは大幅続落。

日足チャート上では、短い下ヒゲを伴う陽線。4日連続の陽線を引き、75日移動平均線(3万8649円)近辺まで上値を伸ばした。引き続き5日移動平均線がサポートとなり、3万8000円台を維持。週足では下ヒゲを伴う陽線。3本連続の陽線となり、上値・下値共に切り上げて、13週移動平均線(3万8578円)を捉えて週末を迎えた。月足では、未曾有の長さの下ヒゲを伴う実体線の極端に短い陰線。高安の値幅が7625円と激動の1ヵ月となったが、終わって見れば、前月末比454円安という形で8月相場を終えた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。エヌビディアの決算発表が終了しました。決算内容はとにかく驚きのレベルです。

仮に決算内容が市場予想を下回っていたとすれば、激しい株価の下落に見舞われたのかもしれません。しかしそのような「エヌビディア・ショック」は回避され、平穏に消化されました。

問題はここからの展開です。次に待ち構えている相場状況をどのような観点からとらえてゆけばよいか、その模索が続いています。

第一に考えるべきは、やはり企業業績です。構造改革に向けた企業自らの努力が焦点となるのは間違いありません。

為替水準が議論されるのはもちろんですが、その部分は通貨当局の金融政策が大きく作用するため、企業の意思は及びにくいところです。その点で企業業績は、企業の活動次第で方向性が決定されます。

データセンターの拡充による電力不足問題、温暖化対策、自然災害対策など、日本が直面する喫緊の課題については、産業界の貢献余地は十分に大きいと言えるでしょう。いずれも何十年にわたって取り組むべき重要なテーマです。産業界の貢献が待たれます。

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注目記事 Pick up
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【9月相場に「日本株>米国株」習性】
日本証券新聞9月2日(月)紙面1面TOP記事掲載 

9年連続外国人売り越し週だが…

月替わりから3日間で日経平均が7,643.40円安(19.5%安)となる「波乱の8月」を通過した。終わってみれば月間1.1%安という“普通の下げ”、月足では陽線になってしまうあたりにも「想定外」が凝縮されているかのようだ。さて、週明けから名実9月相場入り。6日に雇用統計、10日に米大統領候補者テレビ討論会、17~18日米FOMC(連邦公開市場委員会)、27日に自民党総裁選――と変数が多過ぎて、正攻法の予想が通じづらいのが昨今の流れだ。思えば、昨年の日経平均年間高値が7月3日で、今年は現時点で7月11日。夏場以降に調整を深める(年末にかけて盛り返す)恒例の季節パターンを踏襲していると言えないこともない。ここでは9月の季節性を再チェックしておきたい。

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今日の市況概況
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8月30日(金)☆[概況/大引け] 

エヌビディアのオープンAIへの出資観測が寄与。送電網関連も高い

大引けの日経平均は285円高の3万8,647円、TOPIXは19ポイント高の19ポイント高の2,712ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,107、下落銘柄数は474。出来高は20億507万株、売買代金は5兆1,924億円。
生成AIの開発を手がけるオープンAIの資金調達に、アップルとエヌビディアが参加することを交渉していると報じられた。
オープンAIは、エヌビディア製AI向け半導体の世界有数の大口顧客で、最先端のAIシステムを訓練するために膨大な数のチップを活用している。
オープンAIが調達した資金で生成AIの開発を加速すると、エヌビディアは恩恵を受けるという見方から、東証ではアドバンテストやディスコが買われ、アップル関連のTDKも上昇した。

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