創業30周年・記念イヤーで還元拡充も
業績“絶好調”が確認されているアイリックコーポレーション(7325・G)。中期経営計画の最終年度となる今期も好調は続くのか? 勝本竜二社長に、個別株投資で日々奮闘中のフリーアナウンサー佐田志歩が聞いた。
――2024年6月期決算は、売上高、利益ともに、直前に発表していた上方修正を上回りました。特に経常利益は従来予想からは42.6%、修正後予想からも20.4%上ブレしています。
当期純利益が30%上回ることがわかったため、6月14日に通期業績予想の修正を発表しました。しかし6月がその後も好調で、さらに大きく上ブレしました。
――来店型の保険ショップ「保険クリニック」を展開する「保険販売事業」では、重要KPIがいずれも伸長しました。
「店舗数」は、M&Aで13店舗増えましたが、これを除いても62から66店舗に拡大しています。
「再来店数」は約50%伸びています。来店から5年ほど経過した方を対象に、以前は店舗から保険の見直しをお声掛けしていたのですが、専門で対応するコールセンター部門を設置しました。前々期に実施したテレビCMの効果で「保険クリニック」の潜在的な認知度が高まっていることも利用を後押ししているようです。
なお、M&Aの業績へのインパクトは、前期は9カ月にとどまるため、フルで寄与する今期は大いに期待しています。
――保険商品の検索・分析システムを手掛ける「ソリューション事業」はいかがでしょう。
システム提供先の金融各社はかなりの勢いでデジタル化を進めています。当社では、ふくおかフィナンシャルグループ3銀行へ、最短5秒で複数の保険プランが試算できる「SMARTロボアドLITE」の提供を開始しました。最大手の共済にも、保険証書を撮影するだけで自動車保険の見積もりが即座に行えるシステムをOEMで提供しています。
――「システム事業」、これだけが前期も赤字でした。
営業を強化するために人員を増やしたことが要因です。今後は大手Sierとの連携を拡充していきます。データ入力は手作業という官公庁や企業がいまだに主流。OCRの普及はまさにこれからです。
――中期経営計画の最終年度です。手応えは?
初年度は “種まき”の投資に注力して、2年目は期待を上回る成果を上げることができました。発表当初は「アグレッシブすぎる」と言われた数字ですが、売上高が既に上回るなど非常に良いペースで進んでいます。
――決算と同時に増配を発表されました。
前期の配当を1株当たり15円から20円に引き上げました。利益が予想を上回った分は、株主の皆様にしっかり還元します。
――25年6月期も大幅な増収増益を予想されていますが、配当については据え置きです。
当社は30周年、「保険クリニック」は25周年を迎えます。中計の最終年度でもありますので、ここはしっかりと数字を達成してた上で株主の皆様に向き合いたいと考えております。