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コラム2024年9月13日

【本日のマーケット】9月13日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

9月13日(金)のマーケット                                                                   

9月12日の米国株式市場は続伸。8月の卸売物価は前年同月比1.7%上昇と市場予想の1.8%上昇を下回った。7月分は2.2%上昇から2.1%上昇に下方修正。週間の失業保険申請件数は前週比2千件増の23万件だった。前日の消費者物価に続き、卸売物価の上昇率も鈍化したため、来週のFOMCでの大幅利下げ観測が後退し、NYダウは序盤に196ドル安となった。だが、その後、下げ幅を縮め、中盤に上昇に転じた。オラクルが買われ、ウェルズファーゴが売られた。NYダウは前日比235ドル(0.58%)高の41,096ドル。ナスダックは4日続伸で、エヌビディアも4日続伸。一方、マイクロン・テクノロジーはBNPパリバ・エクサンが投資判断を「Outperform」→「Underperform」に下げたため売られた。広帯域メモリーの供給により、DRAMが予想よりも早く価格決定力を失うと予想していることが背景。モデルナは2025年の売上高見通しがアナリスト予想を下回ったため大幅安となった。NASDAQ総合指数は前日比174ポイント(1.00%)高の17,569。S&P500指数は前日比41ポイント(0.75%)高の5,595。

米WSJ紙が来週のFOMCで0.5%の利下げの可能性が残っていることを示唆したためドルが売られ、一時140円台半ばの円高となり、日経平均は一時391円安。トヨタやキヤノンが売られ、東京海上など保険も安い。アステラス薬はFDA(米食品医薬品局)が更年期障害治療薬で稀に重篤な肝障害と警告したため売られた。ビジョナルはビズリーチの増収率予想の鈍化で下落。川重はGS証券が新規「買い」判断。鎌倉新書は株主還元の拡充でストップ高。

スタンダード市場では、高級眼鏡ブランド展開のJEHは上期好決算だったが通期予想を据え置いたため大幅安となった。ギグワークスは第3四半期が営業赤字に転落し急落した。アルチザは前期が大幅減益だったが今期の改善予想で買われた。保育と介護関連のテノがストップ高となった。

グロース市場では、スキマバイトのタイミーと不動産投資プラットフォームのGA TECHは第3四半期の営業利益率鈍化で急落した。ジャパンM&Aは通期予想の下方修正で大幅安となった。一方、GNIはみずほ証券が新規に「買い」と発表し大幅高。スマレジは好決算で買われた。

日足チャート上では、短い下ヒゲを伴う陰線。先週から7日続落の後、昨日は8日ぶりの急反騰を見せたが3連休を前に一服商状。昨日、一目均衡表の雲抜けを果たしたが、再び雲の中に潜り込んで週末を迎えた。週足では上下にヒゲを伴う陽線。52週移動平均線(3万6503円)を回復し、一目均衡表の雲抜けも射程圏に捉える位置まで戻りを見せた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週もマーケットは神経質な値動きを続けています。

米国経済が景気後退に入りつつあるとの警戒感から、日経平均は今週、水曜日まで7日続落となりました。木曜日にはようやく上昇に転じましたが、そうなると今度は+1214円も値上がりして今年3番目の上昇幅を記録しています。まったく動きが極端です。

いったいどれほどの変化が表面化しているのか、どこまで広く遠く長く、目を凝らしていなければならないのかと愕然とすることがあります。

コロナ禍が去っても確かなものは何もないという状況で、それでも企業は日々の経営改革を進めなくてはなりません。

暑い夏はもうすぐ去って、この秋は自民党総裁選の論戦で埋め尽くされることになりそうです。その後には衆院解散・総選挙という大きな不確実要素が待っています。経営の質の高いクオリティ銘柄に資金が一段と集まりそうな状況でもあります。

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注目記事 Pick up
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【見どころ満載「自民党総裁選」】
日本証券新聞9月17日(火)紙面1面TOP記事掲載 

SMBC日興証券 末澤豪謙金融財政アナリストに聞く

「事実上の首相選び」となる自由民主党総裁選が27日投開票に向けてスタートした。立候補者が過去最多の9人という乱戦を制するのは誰か。そして、後に続くであろう衆院解散総選挙の行方は。総裁選告示日の12日に、証券界きっての政界通としても知られるSMBC日興証券・末澤豪謙(すえざわ・ひでのり)金融財政アナリスト(写真)に話を聞いた。

――第1回投票は「国会議員票」と全国党員・党友による「党員算定票」が各367票の同数。決戦投票に進むのは?

「国会議員票では、立候補者それぞれが推薦人20人と本人分の計21票を確保しており、21×9の189票が固定化されている。これだけで51%強となるため、議員票で際立った差は生じづらい。党員票が大きく影響することになりそうだ」

――今回も特例で昨年1年分の党費を納めた党員が投票できるとか。

「昨年末の党員数は109万1,075人。かつての300万人から急減した。多くは長年自民党に投票してきた方々だ」

――世論調査では、小泉進次郎氏、石破茂氏、高市早苗氏、河野太郎氏が上位となっているが。

「自民支持層対象の世論調査でも必ずしも党員の意向と一致しない面がある。対面調査は時事通信だけで他は電話かネット調査だ。もともと回答率が低く、回答者に偏りが生じる可能性もある」

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今日の市況概況
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9月13日(金)☆[概況/大引け] 

来週のFOMCで0.5%の可能性も残り、ドル安円高から日経平均は下落

大引けの日経平均は251円安の3万6,581円、TOPIXは21ポイント安の2,571ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は359、下落銘柄数は1,234。出来高は17億3,770万株、売買代金は4兆2,172億円。
米国で8月の消費者物価と生産者物価の上昇率が鈍化したため、来週のFOMCの利下げ幅は0.5%ではなくて0.25%という見方が大勢を占めていた。
しかし、ウォールストリート・ジャーナルが0.25%と0.5%の両方の選択肢がまだあることを示唆したため、ドルが売られ、円相場は一時140円台半ばの円高となり、日経平均は391円安の3万6,441円となった場面もあった。

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