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コラム2024年9月27日

【本日のマーケット】9月27日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

9月27日(金)のマーケット                                                                   

9月26日のNYダウは反発。中国人民銀行が24日に金融緩和と不動産市場と株式市場の支援策を発表し、中国共産党は26日の中央政治局会議で財政政策の推進方針を示した。特別国債やインフラ投資のための地方債などを有効に使い、政府が投資のけん引役を果たすべきと強調し、社会安定のため、失業者や低所得者への対応を充実させなければならないと言及した。中国が金融緩和に続いて、財政政策を示したため、NY証券取引所では中国経済の恩恵を受けやすいキャタピラーやダウケミカル、3M、化粧品のエスティ・ローダーなどが買われた。中国の景気刺激策で銅相場が続伸となったため、鉱山会社のフリーポート・マクモランも高い。NYダウは前日比260ドル(0.62%)高の42,175ドル。ナスダックではマイクロン・テクノロジーが大幅高。NASDAQ総合指数は前日比108ポイント(0.60%)高の18,190。S&P500指数は前日比23ポイント(0.40%)高の5,745。

中国人民銀行の金融緩和に続き、中国共産党中央政治局が積極財政推進で、ダイキンやファナック、資生堂など中国関連が続伸。自民党総裁選の結果待ちで、日経平均は前引けにかけて鈍化したが、高市氏への思惑で円安が進行したため、後場は上げ幅拡大した。レーザーテックが上昇。東京エレクはインド参入を好感。中国景気対策で非鉄市況が上昇し東邦亜鉛も高い。サウジアラビアがシェア回復目指し増産方針と報じられ、原油安から石油関連は安い。

スタンダード市場では、AIメカテックが自社株買いの発表で急反発。GameWithがストップ高。原発関連の助川電工は10連騰。精米関連ののむら産業が年初来高値。日本オラクルは反落した。メルコは株式分配型スピンオフ実施に伴う子会社シマダヤの分配権利落ちが影響。

グロース市場では、高市首相が誕生すると宇宙産業育成が図られるという期待で、QPS研とアストロスケールが大幅高。サイバーセキュリティを政権公約に掲げているため、FFRIも急騰。ドローン関連のリベラウェアがストップ高。直近新規公開株で物流安全支援のアスアは売られた。

日足チャート上では、2日連続の大陽線。連日の高値引けで4万円の大台目前まで駆け上がった。終値ベースでは7月19日以来の水準となった。週足では短めの下ヒゲを伴う大陽線。13週移動平均線(3万8182円)・26週移動平均線(3万8382円)も一気に上抜き、パラボリックの陽転も示現。パラボリックが陽転するのは7月19日以来のこと。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。9月26日(木)、株式市場は大きく動き始めました。

この日の東京市場は月内権利付きの最終日で、国内機関投資家は動きづらく、相場動向としてはさほど期待がもたれていたわけではありませんでした。それにもかかわらず日経平均は終値で+1055円の大幅高となり39,000円の大台に迫りました。

株価上昇の要因としては、先週の米FOMCでの利下げ幅が▲0.5%だったことが大きいと見られます。利下げ幅は0.25%か0.5%かで最後まで揺れていましたが、最終的には0.5%で決着しました。

米国景気の先行きの悪化を、FRBを中心とした政策当局はそれほど心配しているのかと警戒されています。今後発表される経済統計が一段と重要になりますが、市場では景気に対する警戒感は早くも薄れてきたようにも見えます。

米国はソフトランディングどころか、さらに経済の拡大余地があるとの見方が聞かれます。今週はNYダウ工業株に続いてS&P500も史上最高値を更新してきました。

さらに為替市場では想定以上の円安・ドル高の方向に向かっています。これによって東京株式市場もおそるおそると上値追いに向かい始めているようです。39,000円突破にトライする環境が整ってきたと見るべきでしょう。

10月は魔の季節ともされますが、大きな売り圧力は8月の下落でいったん消化されています。想像以上に堅調な地合いが待っているようにも見えます。

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注目記事 Pick up
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【高市氏1回目首位で市場続伸 3万9,000円台回復】
日本証券新聞9月30日(月)紙面1面TOP記事掲載 

セキュリティ、核融合炉など好調

27日の東京市場は、注目の自民党総裁選の結果は大引け後になったものの、場中に行われた1回目の投票で、市場の人気が高い高市早苗経済安全保障担当相がトップになり、石破茂元幹事長との決選投票に進んだため大幅続伸。終値は7月31日以来となる3万9,000円台回復となった。

26日夜、麻生太郎副総裁が、高市氏を支持すると産経新聞が報じた。麻生派は自民党で唯一従来の派閥を維持しており、自派からは河野太郎デジタル相が出馬しているが、派閥として高市氏支援に回った。

総裁選スタート時は、40歳代の若さの小泉進次郎元環境相が最有力とされ、安倍晋三元首相を批判し続けていた石破氏が対抗馬として挙げられていた。クイックが9日に発表した市場関係者への月次調査では。小泉氏が当選可能性が高いとの回答は78%だったのに対して、高市氏は5%しかなかった。

しかし、選挙中の論戦で「金利を今、上げるのはあほやと思う」と発言し、金融緩和に前向きで円安を容認する姿勢が市場ではあらためて評価された。また、中国で日本人児童が襲撃された事件で、対中強硬派の印象が強い高市氏の存在感が目立ち、SNS(交流サイト)などで高い人気となっている。

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今日の市況概況
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9月27日(金)☆[概況/大引け] 

自民党総裁選の決選投票の結果判明前だが、高市氏への思惑で903円高

大引けの日経平均は903円高の3万9,829円、TOPIXは19ポイント高の2,740ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は658、下落銘柄数は955。出来高は22億4,955万株、売買代金は5兆6,354億円。
24日の中国人民銀行の広範囲な金融緩和に続き、中国共産党中央政治局が積極財政推進の方針を示したため、ダイキンやファナック、資生堂など中国関連が続伸となった。中国景気刺激策で非鉄市況が上昇したため、東邦亜鉛も高い。
自民党総裁選の結果待ちで、日経平均は前引けにかけて鈍化したが、日銀の追加利上げに反対している高市氏を有望視し、円安が進行したため、後場は上げ幅が拡大した。

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