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IPO2024年10月7日

新規上場紹介 Hmcomm(エイチエムコム) 10月28日 グロース 音に特化したAI企業

Hmcomm(265A)が10月28日、グロースに新規上場する。

「AIプロダクト事業」と「AIソリューション事業」の2本柱。AI×音声解析技術をコアに、前者では自社開発製品・サービスの提供、後者ではAIプロダクト開発で培った技術や知見をもとにAI活用や顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援するAI開発・コンサルティングを行っている。

研究開発から製品提供まで自社内で完結することを目的に、研究開発人材を採用し、独自の研究開発型ビジネスプロセスを実践している点が特徴。国立研究開発法人などの研究開発プロジェクトの採択を通して、今後予測される社会課題の解決につながる研究課題を自社で選定し研究を進めるR&D初期フェーズから始まり、サービス提供運用保守フェーズまでを順番に実行することで、数々のプロダクトを市場に提供してきた。

プロダクトは現在、入力作業をAIが音声認識結果に基づいて代行する「Voice Contact」、電話自動応対AI「Terry」、AI議事録自動作成プロダクト「ZMEETING」、異音検知AI「FAST―D」を提供。同社からの直接販売(2023年度売上高比率81%)が中心だが、販売代理店と協力しての販売も行っている。販売代理店先は大企業の子会社が多く、自社ではカバーできない販売先を獲得できており、主力のコールセンター向けでは数百席規模の大型案件も実現している。

製品・サービス提供時に対価を受領し、サービス導入以降は毎月一定額のライセンス費用を対価として受領するビジネスモデル。なお、これらの対価は顧客の要求仕様、利用者数、追加開発の要否などを勘案して個別に決定する。23年度のAIプロダクトの取引数(社数)は50社、顧客取引平均単価は1,600万円(ZMEETINGを除く)。

AIソリューション事業では、これらプロダクト開発を通して培ったAI技術や、プロダクトの導入サポートにより蓄えられたデータ収集・分析技術を武器に、特定の顧客経営課題を分析し生成AIを活用した課題解決やDX化推進支援をプロジェクトベースで提供している。具体例として、コールセンターを持つ教育分野の事業者と「Voice Contact」に生成AIを組み合わせたシステム要件のコンサルティングから実際のシステム開発まで行うなどの取り組みがあり、23年度のプロジェクト件数は49件、顧客取引平均単価は500万円となっている。(SS)

概要

●事業内容=音声認識処理、異音検知・自然言語解析処理を用いたプロダクトの提供
●本社=東京都港区芝大門2-11-1
●代表者=三本幸司代表取締役CEO
●設立=2012年7月
●上場前資本金=9,000万円
●発行済み株式数=395万6,800株(上場時)
●筆頭株主=三本幸司(上場前31.22%)
●公募株式数=19万8,800株
●売出株式数=71万2,000株(ほかオーバーアロットメントで13万6,600株)
●仮条件=10月9日
●ブックビル期間=10月10日から10月17日
●引受証券=SMBC日興(主幹事)

業績推移(単独)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2022.12 727 145 42.06
2023.12 801 87
2024.12(予) 1,040 95 33.77
※単位100万円、1株利益は円

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