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コラム2024年10月9日

【本日のマーケット】10月9日(水)

10月9(水)のマーケット                                                                   

10月8日の米国株式市場は反発。1日ごとに上昇と下落が入れ替わる鯨幕相場が続いている。S&P500は9月25日以降、ナスダックは9月27日以降、NYダウは10月1日以降。8日はハイテク株が買われたことと原油先物が6日ぶりに下落したことが作用した。中東情勢に対する警戒は解かれていないが、中国国家発展改革委員会の会見で追加の大型の景気対策の発表がなかったことが、原油価格の反落要因となった。NYダウは前日比126ドル(0.30%)高の42,080ドル。ナスダックではエヌビディアが5日続伸。次世代人工知能(AI)半導体「ブラックウェル」について、エネルギー効率の高さをアピールしたことで買われた。オープンAIの「GPT-4」ソフトウエアを開発するのにブラックウェルが必要とする電力は3ギガワットで、10年前なら5,500ギガワットの電力が必要だったという。インテルは次世代CPI「Panther Lake」に第5世代のNPU(ニューラルプロセッシングユニット)」が搭載されることが材料視された模様。アップルは新型iPhoneに対する慎重な見方もあるため、10月1日以降、日替わりで上昇と下落を繰り返す鯨幕相場となった。NASDAQ総合指数は前日比259ポイント(1.45%)高の18,182。S&P500指数は前日比55ポイント(0.97%)高の5,751。

台湾の鴻海精密が米エヌビディアの次世代チップの「ブラックウェル」の需要はクレイジーだと述べたことを受けて、東証ではアドバンテストが2月に付けた年初来高値を更新。セブン&アイはカナダのクシュタールが買収提案価格を引き上げた。衆議院が解散され選挙戦に入るため、石破首相の政策関連も堅調で、ふるさと納税サイトのチェンジHDは地方創生で、最低賃金引き上げによる恩恵期待で外食産業が高い。任天堂はサウジが持ち株比率を低下。

スタンダード市場では、湖北工業が半導体関連装置向けに高純度石英ガラスをサンプル出荷しているため、半導体関連の買いが波及した。中本パックスは上期好決算で上昇。葬祭関連のニチリョクが高い。ライトオンはTOB価格がディスカウントだったため下落。伊勢化学が反落。

グロース市場では、VISが英社と共同創薬で合意したため大幅高。アプリックスは初配当を実施すると発表しストップ高。カオナビは経産省が導入したことで販促効果が期待された。ワンキャリアが高いが、スポーツフィールドは安値更新。雨風太陽は続落。売れるネット広告は反落。

チャート上では、上下にヒゲを伴う陰線。ギャップアップで寄り付いたが上値は重かった。下値では買いが入り3万9000円台での推移となった。

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アドテストが上場来高値 エヌビディア関連活況 銘柄は絞り込み
 日本証券新聞10月10日(木)紙面1面TOP記事掲載

鴻海精密が次世代AI向け増産 ノーベル賞も追い風

アドバンテスト(6857・週足)

9日の東京市場ではアドバンテスト(6857・P)が2月の上場来高値を更新したほか、フジクラ(5803・P)が連日の最高値更新となるなど、エヌビディア(NVDA)関連、AI関連銘柄が活況となった。

台湾の電子機器受託製造の大手、鴻海精密工業が8日に開いた年次の技術説明会「鴻海テックデー」で、エヌビディアのAI向け半導体に対する需要が予想を大きく上回っているとし、サーバー向けユニットの生産能力を増強する方針を明らかにしたことがきっかけ。9日の米国市場ではエヌビディアは前日比4%高の132.89ドルとなり、6月20日付けた最高値140.76ドル奪回を視野に入れてきた。

鴻海精密はメキシコに新工場を建設し「NVIDIA GB200 NVL2」を本格的に生産する。

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今日の市況概況
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10月9日(水)☆[概況/大引け]

アドバンテストとセブン&アイが買われ、任天堂は下落

大引けの日経平均は340円高の3万9,277円、TOPIXは8ポイント高の2,707ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は887、下落銘柄数は720。出来高は15億8,338万株、売買代金は3兆6,430億円。
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は10月2日に、AI向け次世代チップの「ブラックウェル」の需要は常軌を逸している(insane)と発言したが、エヌビディアから生産を受託している台湾の鴻海精密の劉揚偉会長は8日に「ブラックウェルの需要はクレイジーだ」と語った。
そして、鴻海精密は「ブラックウェル」の中でも上位モデルの「GB200」チップの製造設備を建設していると報じられた。
これを受けて、8日の米国でエヌビディアが買われたため、9日の日本では検査装置需要への期待でアドバンテストが2月に付けた年初来高値を更新した。

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