M&Aを活用した飲食事業を展開するガーデン(274A)が11月22日、スタンダードに新規上場する。
前身の株式会社マックは、カラオケ店舗の再生経験を生かし、2003年に飲食事業に参入。買収した企業の赤字店舗を業態変更することで利益の出る黒字店舗に再生させてきた。この企業買収・赤字企業再生ノウハウ、業態多角化によるシナジー強化、規模の経済によるバーゲニングパワーの高まりが、成長の礎となっている。
現在の主力ブランドは、企業再生型M&Aにより店舗を広げてきた「横浜家系ラーメン壱角家」、21年に商標権を獲得した「山下本気うどん」で、売り上げ構成はそれぞれ6割、1割。これに「情熱のすためしどんどん」、「肉寿司」、「元祖博多中州屋台とんこつらーめん 一竜」などを加え、計11の飲食ブランドを展開している。
店舗数は2024年9月末時点で193店(直営店舗157店、業務委託店舗2店、フランチャイズ店舗34店)。直営店舗のうち壱角家が99店、山下本気うどんは17店。フランチャイズ店も多くが壱角家。業務委託店舗は、同社従業員が独立制度を利用し、既存店舗を運営、管理する形態。
今後もM&Aを成長戦略の一つとして活用する。ブランド別では、「白い明太チーズクリームうどん」などが人気の山下本気うどんを成長ドライバーに位置付け、直営店の出店と前期に加盟店募集を開始したフランチャイズ展開に店舗を増やす。
なお、ギフト(9279・P)から壱角家で使用するスープ、ラーメンダレ、麺のすべてを仕入れており、総仕入れ高に占めるギフトの割合は21%。ギフトも家系ラーメンチェーンを運営していることから、家系ラーメン業態については店舗競合を避けるため出店時に事前協議を行う取り決めになっている。
株主還元は配当性向40%以上を目標に安定的に配当する方針。
従業員離職率は前期27.2%→今期18.1%に低減させるとともに、採用時のミスマッチを無くすことで入社後1年以内の離職率を前期14.4%→今期5%以内にする目標を掲げている。(Q)
概要
●事業内容=M&Aを活用した「壱角家」や「山下本気うどん」などの飲食事業
●本社=東京都新宿区新宿2-8-8
●代表者=川島賢代表取締役社長
●設立=2015円12月
●上場前資本金=1,000万円
●発行済み株式数=660万株(上場時)
●筆頭株主=株式会社マック(上場前48.53%)
●公募株式数=160万株
●売出株式数=オーバーアロットメントで24万株
●仮条件=11月1日に決定
●ブックビル期間=11月6日~12日
●引受証券=東海東京(主幹事)、みずほ、大和、SBI、マネックス、松井、岩井コスモ、あかつき、岡三、水戸、むさし
業績推移(単独)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2023.2 | 11,841 | 516 | 50.50 | - |
2024.2 | 15,311 | 1,441 | 213.13 | 64 |
2025.2(予想) | 16,710 | 1,716 | 220.43 | 80 |
※単位100万円、1株利益・配当は円 |