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コラム2024年10月25日

【本日のマーケット】10月25日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

10月25日(金)のマーケット                                                                   

10月24日のNYダウは4日続落。IBMが売られた。第3四半期決算の売上高がアナリスト予想を下回った。企業の裁量支出削減を受けたコンサルティング部門の不振のほか、インフラ事業の減収が響いた。ナスダック上場でNYダウに採用されているハネウェルは7~9月期が減益で、通期売上高見通しを下方修正したため下落した。スマートエネルギー製品の需要軟化が航空宇宙・防衛部門の成長を相殺している。一方、宅配大手のUPSは7~9月期決算が約2年ぶりに増収、増益に転じたことで買われた。貨物取扱量の回復や利益率の高い貨物の増加、人件費の安定が寄与した。NYダウは前日比140ドル(0.33%)安の42,374ドル。ナスダックは反発。テスラは2割高。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が来年の納車台数を20~30%増やすと表明したことや、テキサス州とカリフォルニア州で配車サービスの正式展開を目指すことも明らかにした。その他、「サイバーキャブ」と呼ぶロボタクシー(無人タクシー)専用車の生産が2026年に本格的な量産体制に入り、少なくとも200万台、「最終的にはおそらく400万台」を目指す方針も示した。NASDAQ総合指数は前日比138ポイント(0.76%)高の18,415。S&P500指数は前日比12ポイント(0.21%)高の5,809。

衆院選挙を控え、日経平均は下値模索。アドバンテストが売られ、東京地下鉄は初値を下回った。バルチック海運指数の8日続落で海運株も安い。OLCやKOKUSAI ELEC、太陽誘電が年初来安値。ニデックは続伸となり、能美防災は業績上方修正で上場来高値。アクティビスト(物言う株主)のエフィッシモ・キャピタルによる保有判明でコニカミノルタは3日続伸。ワタミはサンドイッチチェーンの「サブウェイ」の日本事業を子会社化で上昇。

スタンダード市場では、住石HDが続落。UNBANKEDが反落。海運株下落の連想で船舶用エンジンのジャパンエンジンが大幅安。モバイルファクトリーは決算発表を受けて買われた。株主優待制度新設のREVOLUTIONは2日連続ストップ高。警備のRSCは連日の高騰。

グロース市場では、サイバーバズやグリッドが大幅安。ライスカレーや光フードサービス、ブライトパスが安値更新となった。「完全栄養食」のパンやパスタを販売しているベースフードは、メルコの牧社長が連日買い増したため、3日続伸となりストップ高。モダリスが大幅高。

日足チャート上では連続陰線記録が11日まで伸びた。2012年4月25日~5月16日(13日連続)以来「12年ぶり」のこととなった。調整色の強い展開が続いていることを物語っている。200日移動平均線も下抜けて、割り込んだ5日移動平均線がレジスタンスラインとなり、上値の重い展開が続いている。週足では上下にヒゲを伴う長い陰線。26週移動平均線を下抜けて、13週移動平均線(3万7821円)で踏み止まれるかがポイントとなる。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。日経平均は連続陰線をようやく断ち切りましたが、問題はまだ山積みとなっています。

市場の関心は日米ともに政治が大きく動こうとしている点に集中しています。アメリカでそれが特に顕著となっていて、「もしもトランプ」リスク、すなわちトランプ大統領の誕生を本物のリスクとして受け止め始めています。

トランプリスクの本質は、財政拡張、行き過ぎた規制緩和、エネルギーコストの急激な低下、の3つです。中でも最大のものは財政リスクです。

トランプ減税が継続されると、法人税は15%まで下げられることになります。GDPは1%以上押し上げられますが、財政赤字の拡大で長期金利が急上昇しかねません。

それ以外のトランプリスクもそうですが、大統領選ばかりでなく、すべては議会選挙が絡んできます。上院は共和党だとしても、下院を民主党が取れるかどうか、すべてはその点に関わっています。

米国の景気動向もドル高・円安も、アメリカの金融政策も、すべてはこの1点にかかります。あと1週間と少し、緊張度の高い展開が続きそうな雲行きです。

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注目記事 Pick up
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【週明けに備えよ シナリオ別の相場展開を予想】
日本証券新聞10月28日(月)紙面1面TOP記事掲載 

過半数割れは織り込み済み?  年内は上値の重い展開か

27日に衆議院総選挙の投開票を控え、25日の東京市場では一段と手控えムードが強まった。業種別指数で全業種がマイナスとなり、日経平均株価は3万8,000円割れの水準で推移した。

投票日が近づくにつれ、各種の世論調査などで自民党と公明党を合わせた与党の過半数確保が難しいとの見方が強まった。野田佳彦元首相が率いる立憲民主党の大躍進、自公の苦戦が予想されているが、選挙はふたを開けてみなければ分からない面もある。投資家としては想定されるケースを踏まえて今後の展開に備えたいところ。

様々なイベント分析に定評がある大和証券のチーフテクニカルアナリスト兼テーマリサーチ担当の木野内栄治氏は23日のレポートで選挙結果を4つのケースに分け展望している。

ケース①与党が大きく過半数を割り、立憲民主党などを含む大連立政権となる場合――立憲は日銀とのアコードを見直し、物価目標2%を0%超に変更すると公約しているため、目標達成に向けた利上げが連想され、為替が円高方向に向くことに注意が必要で、こうした場面では株価が3~4カ月は下落となるのが経験則という。

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今日の市況概況
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10月25日(金)☆[概況/大引け] 

与党過半数割れの織り込みも進んだという見方で買戻しも入り下げ幅を縮めた

大引けの日経平均は229円安の3万7,913円、TOPIXは17ポイント安の2,618ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は216、下落銘柄数は1,400。出来高は15億6,558万株、売買代金は3兆1,579億円。
衆議院選挙を控え、日経平均は下値模索となった。
一時、430円安の3万7,713円となったが、「与党の過半数割れ」の織り込みも進んだという見方で、大引けにかけては買戻しも入り、下げ幅を縮めた。

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