セブン&アイHD(3382・P)買収騒動“第4幕”は「MBO(経営陣の参加する企業買収)構想浮上」。13日昼休み中、日経電子版が報じると、後場に売買停止を経て一時16.6%高まで買われた。相場の起点となった8月16日終値1,761円から11月13日高値2,599円までの上昇率は47.5%と5割に迫る。
同社の材料浮上はいつも唐突だ。まず①8月19日は後場「カナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールが買収提案」と報じられ、軟調スタートから一転ストップ高。②9月6日は朝方の会社側開示で、買収提示価格が14.86ドルであることと、これを「著しく過小評価」としたことが判明。③10月9日は9時41分のブルームバーグ報道で18.19ドル(総額4兆円規模)への引き上げが伝わり、一時11.7%高。そして④今回も前場安から一転、10月9日最高値を一気に超えてきた。
過去のMBO最高額は大正製薬HDの7,100億円。以前、「孫正義氏がSBGのMBOを検討」といった観測報道もあったとはいえ、6兆円を超える規模感でのMBOは前代未聞。資金調達面など実現へのハードルも少なくはない。
なお、MBOが成立するにせよ、逆転での買収成功となるにせよ、セブン&アイが非上場化されるなら、日経平均採用銘柄に“空席”が生じることになる。臨時入れ替えの場合は同じ消費セクターから補充され、候補にはSHIFT(3697・P)、パンパシフィック(7532・P)、ベイカレント(6532・P)がほぼ横一線で並ぶ(少し遅れてFOOD&LIFE)。カナダ社の“次の一手”とともに注目しておきたい。(K)