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IPO2024年12月2日

IPO社長会見 グロービング 一段踏み込むJI型コンサルが特徴

グロービング(277A)が11月29日、グロースに新規上場した。通常のコンサルティングより一段踏み込んだ「Joint Initiative(JI)型コンサルティング」を手掛ける。初値は公開価格を23.6%上回る5,600円。上場当日の記者会見で、田中耕平代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

独自開発のAIツール活用

事業はコンサルティング事業とクラウドプロダクト事業の2つ。コンサルティングは従来型とJI型に分かれる。顧客は幅広い業界でリーディングプレイヤーとなるような大企業。コンサルティング業務では独自開発したAIツールを活用。議事録作成や企業情報・記事検索ツールは大幅な業務削減効果が生まれている。AI関連プロジェクトは直近では27%まで上がっている。5月にAI先進企業のLaboro.AIと「X-AI Labo」というジョイントベンチャーを設立。AIの戦略立案から実装支援までコンサルティングを行う。

顧客内部に入り込み、長期で共同実施

JI型は弊社のコンサルタントが顧客の事業、プロジェクト責任者という形で入り、顧客のメンバーと一緒に変革を推進する。AI、デジタルを活用して、さらに変革を加速。従来型と比べると、長期で大型の変革を共同で実施するところが強み。顧客企業は早期に事業価値向上を図れ、弊社は長期契約で報酬が保証される。人の頭数に頼らずに、一人当たりの生産性向上を図ることでコンサルティング業界に変革を起こす。競合にはない特徴的なサービスにより、弊社は外資系コンサルと同等のサービスを、少しリーズナブルな価格で提供でき、顧客から長く付き合えるパートナーとして認知されているから(顧客内部に)入れている。

SaaSプロダクトも拡大へ

クラウドプロダクト事業は、コンサルティングノウハウを型化したSaaSプロダクトを提供する。8つの領域があると識別しており、現在はこのうち支出の最適化と営業効率化の2つの領域で重要なプロダクトを開発している。まずこの2つのビジネスをしっかり立ち上げ、JI型を絡め、顧客企業と一緒に開発、サポートするビジネスモデルをしっかりつくる。ビジネスモデルが固まった段階で、将来的には8つの領域全てに広げていきたい。高い収益性のモデルを最初から展開していく。

早期海外展開も視野

JI型の比率は徐々に高まっており、直近は42%。今後、従来型からJI型にすべて移行することを目標としている。そこにクラウドプロダクト事業を載せていく。コンサル市場、SI市場、SaaS市場は10兆円のTAM(獲得可能性のある最大市場規模)がある。さらに、長期的には海外展開を目指しており、より大きなTAMを狙っていける。ある程度今のモデル固まってきている部分があり、早期に実施していきたい。

積極投資で拡大基盤構築

2024年5月期は人材採用投資、マネジメント手法の開発、AI、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した業務負荷軽減への投資で一時的に営業利益率が下がったが、投資効果が生まれる形で、今5月期第1四半期は戻っている。高い売上高成長率を達成しつつ、営業利益も高水準をキープできている。前期の投資である程度拡大の基盤ができたことで、次のフェイズ2としてJI型モデルの売上高比率をさらに高めるとともに、クラウドプロダクト事業の売上割合も増やしていく。最終的にはJI型とクラウドプロダクトを組み合わせ、40~45%の利益率を確保しながら高い成長を維持していく。(HS)

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