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銘柄・相場情報2024年12月19日

企業研究 ハークスレイ 成長戦略は『食』の領域でのM&A

中華惣菜のホソヤコーポを子会社化

「ほっかほっか亭」を展開するハークスレイ(7561・S)が構造変革を推進している。持ち帰り弁当事業のフランチャイズ化が従来の成長の牽引役だったが、現在は『食』の領域で生産者と消費者をつなぐインテグレーションで事業の多角化を図っており、食品製造・冷凍冷蔵食品の事業領域でのM&Aによる業容拡大に取り組んでいる。

6月に策定した中期経営計画ではM&Aによる成長戦略を掲げた。営業キャッシュフローと手元資金を元手に、M&Aに120億円、設備投資に58億円の計178億円の投資を実行する方針で、M&Aでは食品製造・冷凍冷蔵食品の自社工場を保有している企業を想定した。

既に多くの企業からM&Aの引き合いがあり、年2~3社のペースでまとめると、数百億円の売り上げの上乗せが可能だ。また、業容拡大とともにサイズアップした案件が持ち込まれる可能性も高くなる。創業50周年に当たる2030年には売上高1,000億円を目指す。M&A案件が積み上がり、文化の近いベトナムやフィリピンなどアジアの企業のM&Aも視野に入ると3,000億円も射程圏内であり、前期実績(467億円)比では6.4倍増となる。

中期経営計画発表後のM&Aの第一弾として11月には中華惣菜(そうざい)の製造・販売を手掛けるホソヤコーポレーション(千葉県佐倉市)の全株式を取得し、子会社化することを決めた。少子高齢化を背景に共働きや単身世帯が増加するなどライフスタイルが変化する中、安定的な成長が見込める惣菜市場で確固たる地位を築くのが狙いだ。

1907年創業のホソヤコーポレーションは、全国の食品スーパー向けに「贅沢焼売」「贅沢餃子」「贅沢春巻」を主力商品に自社ブランドやプライベートブランドで販売しており、贅沢焼売は国内チルド焼売市場シェア1位を誇るなど、高い商品力が幅広い世代の支持を集めている。24年9月期の売上高は73億3,700万円、営業利益4億6,300万円、純資産15億5,600万円。今後は製造拠点や販路の相互活用といったシナジーに期待がかかる。

中計では28年3月期の業績目標として、売上高720億円(24年3月期は467億円)、純利益25億円(同16億円)、ROE(自己資本利益率)8.3%(同6.9%)などを掲げる。持ち帰り弁当の事業を今期から「中食事業」に名称変更したうえで、セグメント別の売り上げ構成比率は34%から25%と低下するが、「物流・食品加工事業」の構成比が高まる結果であり、売上高は7%程度伸ばす。一方、「物流・食品加工事業」を中心に積極投資することで同セグメントの売り上げ構成比率は33%から42%に伸ばす。

事業構造変革に取り組んできたことにより、21年度以降は3期連続で増益を確保。11月13日開示した24年4~9月期営業利益は前年同期比15%増の10億2,800万円と、期初予想の7億円から上ブレ着地となった。原材料価格高騰の影響で「中食事業」は損失となったが、「物流・食品加工事業」と「店舗アセット&ソリューション事業」は増益を確保しており、「中食事業」は価格転嫁や原材料調達の見直しなどを進め、前期比0.6%増の24億5,000万円を見込む通期計画は据え置いた。中長期の成長戦略を一段と推進していくことにより、足元では0.5倍前後で低迷するPBRを1倍まで押し上げる。

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