1月17日(金)のマーケット
1月16日の米国株式市場は反落。医療保険のユナイテッドヘルスは10~12月期の売上高がアナリスト予想を下回ったことで売られた。アップルは2024年のiPhoneの中国出荷台数が17%減だったことで売られた。NYダウは前日比68ドル(0.16%)安の43,153ドル。NASDAQ総合指数は前日比172ポイント(0.89%)安の19,338。S&P500指数は前日比12ポイント(0.21%)安の5,937。
FRB理事がデータ次第では年3~4回の利下げ可能との見方を示したため円高が進行し、日経平均は前場に一時500円超の下げ。中国の10~12月GDPが予想を上回ったことを受けて後場は下げ幅を縮めた。任天堂はスイッチ2を発表したが下落。長期金利の低下で銀行が値下がり。日野が続伸。オークマはモルガン・スタンレーが格上げ。中国関連の安川電機が高い。トランプ次期大統領が暗号資産を国家の優先事項にと報じられセレスが高い。
スタンダード市場では、マクドナルドが反落し、津田駒は今期予想が好感され寄り付きで買われたがその後は売りに押された。一方、メタプラネットは大幅高。イクヨは厚木工場の土地を譲渡した後、継続使用するが譲渡益が70億円のためストップ高。低位株の夢みつけ隊が買われた。
グロース市場で、アストロスケールは大株主のINCJ(旧産業革新機構)が保有株を全て売却したため需給不安からストップ安となった。レナサイエンスが反落。14日に上期営業赤字決算だったロゴスは下落が続いた。グーグルと資本業務提携のnoteは大幅高が継続。ウィルスマートがストップ高。
日足チャート上では、長い下ヒゲを伴う十字足。ボリンジャーバンドのマイナス2シグマ(3万8263円)にタッチしたことで売られ過ぎから底入れを示唆する格好となった。一目均衡表の雲の下限を下放れており、ここを回復できるか注目されるところ。また、早晩に200日移動平均線(3万8663円)の奪回も望まれる。週足では下ヒゲを伴う陰線。13週移動平均線(3万8939円)を下抜け、26週移動平均線(3万8350円)で下げ止まった形となった。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。いよいよ週明けから「トランプ2.0」の幕開けです。新しい時代が始まります。
世界中が警戒心を高めており、年初からリスクオフの動きが広がっています。日本では日経平均が立ち合い日数9日間のうち、まだ2日しかプラスを記録した日がありません。相撲で言えば「2勝7敗」で負け越しまであと1敗しかできない状況です。
折しもこのタイミングで日銀がどうやら金融政策の引き上げに踏み切る模様です。8月の「日銀ショック」利上げに伴う株価急落から日銀は金融政策の変更に躊躇してきましたが、それをここに来て急速に利上げモードに傾いている様子です。
現在の日本経済が利上げが必要な状況とはとても考えられませんが、しかし次に景気が悪化したときに金融緩和余地を確保するためのバッファー(のりしろ)を考えている模様です。加えて円高への誘導も多分に込められています。
日本はアメリカと違って、物価に対して日銀は責任を負っていないはずですが、しかしどうやら状況は変わってきたかのようです。海外投資家は日銀が利上げに踏み込むことを以前からかなりリスクとして警戒してきました。その懸念が顕在化した形となっています。
企業業績への不安、「トランプ2.0」への警戒に加えて、日銀の政策までが加わったことになり、レンジ相場の下限水準へとあっという間に届いてしまいました。ここからは企業の業績と中期経営方針をしっかり見つめていくタイミングに差しかかっていると考えられます。
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注目記事 Pick up
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【SPE 26年度は2ケタ成長 ますますAI頼み リスクはトランプ政権か】
日本証券新聞1月20日(月)紙面1面TOP記事掲載
アドテスト、レゾナックなどマーク
米国の株安と一時1ドル=154円台まで進んだ円高・ドル安などが嫌気され、半導体製造装置(SPE)などの値がさハイテク株や自動車セクターなどに売りが先行、日経平均株価は前日比で500円以上下げる場面があった。2025年も半導体関連を中心としたハイテク株の動向が相場の行方を大きく左右すると予想されるなか、16日にはSEAJ(日本半導体製造装置協会)が需要予測を発表した。今後の相場を占ううえで参考となりそうだ。
SEAJの予測では24年度(23年4月~25年3月)、日本製装置の販売は前期比20%増の4兆4,371億円となる。25年度は同5%増の4兆6,590億円と伸びが鈍化するものの、26年度は10.0%と2ケタ増のペースを取り戻す見込みだ。24年度はAIを中心としたメモリー投資の回復と米国の規制を受け、半導体の国産化を急ぐ中国が規制対象の最先端品を除く従来機種の輸入を急いだことなどを受け、需要が大きく伸びた。
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今日の市況概況
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1月17日(金)☆[概況/大引け]
IMFの経済見通しで日本が上方修正された場合への期待で下げ幅を縮めた
大引けの日経平均は121円安の3万8,451円、TOPIXは8ポイント安の2,679ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は688、下落銘柄数は891。出来高は17億5,408万株、売買代金は3兆9,481億円。
FRBのウォラー理事が16日に、インフレの緩和に注目し、インフレの動向次第では今年最大3~4回の0.25%ポイントの利下げがあり得るとも述べた。
日米金利差拡大から東京タイムでは一時1ドル=154円98銭まで円高が進み、前場の日経平均は500円を超える下げ幅となった場面もあった。
だが、中国の10~12月期のGDPが市場予想を上回ったことを受けて、後場は下げ幅を縮めた。
その他、国際通貨基金(IMF)が17日に公表する世界経済見通しで、日本が昨年末の補正予算の効果で成長率見通しが引き上げられた場合、欧州勢からの買いが入ってくるという見方も下げ幅を縮めた要因。
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