TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】1月24日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿
コラム2025年1月24日

【本日のマーケット】1月24日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

1月24日(金)のマーケット                                                                   

1月23日の米国株式市場は4日続伸。トランプ大統領が世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)にオンラインで参加し、外国からの製品の関税を課していく考えを示したが、米国で製造するなら法人税を21%から15%に下げるつもりだと発言した。サウジアラビアとOPEC(石油輸出国機構)に原油価格の引き下げを要請していくとした上で、原油価格が下がれば、ただちに(FRBに)金利の引き下げを要求すると述べた。S&P500は最高値を更新。AIインフラプロジェクトのオラクルは好調を継続。航空機エンジン大手GEエアロスペース(旧ゼネラル・エレクトリック)は10~12月期の純利益が20%増だったため買われた。ボーイングの生産遅延が続いている影響で、旧型機のエンジン整備や修理などの受注増が寄与した。NYダウは前日比408ドル(0.92%)高の44,565ドル。NASDAQ総合指数は前日比44ポイント(0.22%)高の20,053。S&P500指数は前日比32ポイント(0.53%)高の6,118。

トランプ大統領が中国に対する関税を使いたくないと発言したため、前引けにかけて上げ幅を拡大。昼に日銀が追加利上げを発表し展望レポートで物価見通しを引き上げたため利上げ継続リスクが警戒され後場は下落する場面も。円高に向かい自動車株は売られた。三菱自はホンダと日産の経営統合協議に合流しない方向で安い。ディスコとニデックはアナリスト予想を下回り下落。フジメディアが反発。石破首相の施政方針演説を受けてチェンジが高い。

スタンダード市場では、トランプ大統領が暗号資産などのデジタル資産の利用推進の大統領令に署名したため、メタプラネットとリミックスポイントが反発し、ギグワークスがストップ高。ReYuu Japanが今週は4日ストップ高。寿司ロボットの鈴茂器工が昨年来高値。ウエストHDは続落。

グロース市場では、アミューズメント施設のGENDAが12月度の売上高が前年同月比2倍となったため急騰した。noteは東証の信用取引規制で寄り付きは売られたが切り返した。総医研は業務提携を発表し専門医によるリモート健康相談サービスで高い。アストロスケールは続落。

日足チャート上では、上下に長めのヒゲを伴う陰線。上値は1月7日の高値に迫る場面も見られた。ビッグイベントを通過して上放れとなり、パラボリックも陽転。ボリンジャーバンドのプラス2シグマ(4万356円)近辺で頭を抑えられ、大引けでは4万円の大台回復とはならず。週足では大陽線。13週・26週移動平均線を上放れて一目均衡表の雲抜けも示現。先週とは見える景色が変わってきた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  

鈴木一之です。「トランプ2.0」が始まりました。想像していたよりもはるかに静かな船出となりました。

日本時間の火曜日早朝となった大統領就任式の演説から、早くも何かを読み取ろうというムードが強く見られましたが、事前に警戒されたような全世界一律の関税引き上げなどは封印され、現在のところは安全なものにとどまっています。

就任2日目にはソフトバンクGの孫正義会長の存在感が際立っていました。人工知能に対する78兆円もの巨額投資を表明するなど、日本を代表する超資産家ならではの行動です。

この巨額投資をどう見るか、です。大富豪による大富豪のための特権的な政治体制が続くと見るか。これがゆくゆくは広く社会に恩恵を及ぼしてゆくことになるのか。確かなことはこれこそがアニマルスピリットというものなのでしょう。

日経平均は4万円の大台に乗せました。ここからも激しい値動きを覚悟して臨む必要がありそうです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「トランプ劇場」に首ったけ
日本証券新聞1月27日(月)紙面1面TOP記事掲載 

ダボス発言で海運、電力株など上昇

24日の日経平均は26.89円安の3万9,931.98円で引けた。

朝方はトランプ米大統領の“ダボス演説”を受けての23日の米株高(S&P500は最高値更新)や、1月最終週から発表が本格化する10~12月期決算への期待感を支えに堅調に推移していた。そこへ前引け直前、「トランプ大統領が米FOXニュースとのインタビューで対中関税賦課に消極姿勢を表明。米中貿易戦争が回避される可能性を示唆した」と伝わり、後場入り直後に321円高の4万279円と、1月7日のザラバ高値(4万288円)に迫った。その後は日銀追加利上げ決定というイベント通過、週末要因に加え、23日までの4日続伸で1,500円超上昇していたことから、利食いや戻り待ち売りが出やすかったとみられ、上げ幅が急速に縮小した。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1月24日(金)☆[概況/大引け] 

日銀総裁の会見を控え終盤は小動き

大引けの日経平均は26円安の3万9,931円、TOPIXは0.7ポイント安の2,751ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,044、下落銘柄数は517。出来高は18億6,669万株、売買代金は4兆5,000億円。
トランプ大統領がFOXニュースのインタビューで、「我々は中国に対し非常に大きな影響力がある。それは関税だ。彼らはそれを望んでおらず、私はむしろそれを使いたくない」と語った。
この発言が伝わり、日経平均は前引けにかけて上げ幅を拡大した。
昼休み時間中に日銀が利上げを発表したが、展望レポートで物価見通しを上方修正したため、利上げ継続リスクが警戒され、後場は売られた場面もあった。

詳しくはコチラ

関連記事