2月10日(月)のマーケット
2月7日のNYダウは続落、ナスダックは4日ぶりに反落。1月の雇用統計で非農業部門雇用者数は14万3千人増と市場予想の17万人増を下回ったが、平均時給は前年同月比4.1%上昇し、市場予想の3.8%上昇を上回った。その後に発表された2月のミシガン大学消費者信頼感指数は67.8と市場予想の71.9を下回ったが、1年先の期待インフレ率は4.3%と、市場予想の3.3%と1月の3.3%を上回った。インフレ警戒でFRBが追加利下げに慎重になるという見方で株式は売られた。さらに、トランプ大統領が多くの国に対する相互関税を来週発表すると報じられたこともインフレ圧力要因と受け止められ、米国株は一段安となった。貿易相手国が米国製品に課している関税と同率の関税を課すとのこと。アマゾンは1~3月期の売上高見通しがアナリスト予想に届かず下落。テスラは中国での販売が1月は前年同月比11.5%減だったことで売られた。NYダウは前日比444ドル(0.99%)安の44,303ドル。NASDAQ総合指数は前日比268ポイント(1.36%)安の19,523。S&P500指数は前日比57ポイント(0.95%)安の6,025。
トランプ大統領の相互関税予告は警戒されたが、日米首脳会談で関税と防衛費上積みの要求がなかったことは安心された。米政府高官がウクライナ戦争終結に向け今週欧州と協議が好感され、後場はやや堅調となったが、終盤は伸び悩み。川重は野村証券が目標株価を引き上げた。JIAは好決算と大幅増配計画でストップ高。DeNAは業績急拡大でストップ高。太陽誘電は業績上方修正で急騰。関税警戒で商社は安い。不二製油は大幅減益予想で急落。
スタンダード市場では、メタプラネットが5日続伸。ハーモニックドライブは反発。AIフュージョンキャピタルが再び買われた。IMVは第1四半期が大幅増益で急騰。ジオマテックは業績上方修正でストップ高。住信SBIネット銀は続落。ミヨシ油脂は今期営業減益予想で売られた。
グロース市場では、noteが大幅続伸、サンバイオは2日連続ストップ高。サイフューズは7日のTBSの番組でバイオ3Dプリンタと人工神経導管が紹介されストップ高。のぼり旗のイタミアートは、ソウルドアウト社の生成AI活用でストップ高。クリングルは第1四半期が赤字で急落。
チャート上では、上下にヒゲを伴う陽線。下値は200日移動平均線(3万8625円)にサポートされた格好となって小反発。上値は5日移動平均線(3万8856円)に頭を抑えられた。明日の祝日を控えて手掛けにくい一日となった。
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注目記事 Pick up
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【焦点は「賃貸等不動産含み益」 岡三証券 内山大輔日本株式戦略グループ長、シニアストラテジストに聞く】
日本証券新聞2月12日(水)紙面1面TOP記事掲載
フジ・メディア急騰を機に見直しの流れへ
一部で「賃貸等不動産含み益」を見直す動きが生じている。1月28日付のダイヤモンドオンラインは不動産含み益を勘案した修正PBRランキングを掲載して「2位にフジ・メディア」などとした。2月4日付楽天証券レポートも「『含み資産株』を総点検」などとして同種のランキングを掲載している。過去に何度もレポート発行し、この分野に造詣の深い岡三証券の内山大輔日本株式戦略グループ長、シニアストラテジスト(写真)に話を聞いた。
――ダイヤモンドのランキングは内山さんの算出方式によるものとか。
「計算式は至ってシンプル。機械的にデータが取れれば誰でも作れるものだ。通常のPBRが1株純資産を対象にするのに対し、そこに賃貸等不動産含み益の7割分を加算して計算している」
――含み益を7掛けするのが“内山方式”か。
「不動産の売却ルールは非常に細かく、条件も複雑だが、保守的に見て実効税率を3割とした」
――「賃貸等不動産」は有価証券報告書のどこに記載されているのか。
「賃貸等不動産関係という名前で開示される。PDFファイルの場合、コントロールキーとFを同時に押して、検索画面に『賃貸等』と入力すれば見つけやすい」
――どのくらいの企業が開示しているのか。
「TOPIX採用銘柄では350社程度だ」
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今日の市況概況
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2月10日(月)☆[概況/大引け]
終盤は伸び悩み。フジクラは業績上方修正を好感
大引けの日経平均は14円高の3万8,801円、TOPIXは4ポイント安の2,733ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は813、下落銘柄数は778。出来高は19億9,483万株、売買代金は4兆2,299億円。
トランプ大統領が相互関税を発表することを予告したため、先週末の米国株は下落し、週明けの日経平均も安く始まったが、日米首脳会談で関税や防衛費の上積みを要求されなかったことは安心され、下げ幅を縮めた。
米政府高官がウクラナイ戦争終結に向け、今週、欧州各国と協議することが好感され、上昇した場面もあった。
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