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コラム2025年2月21日

【本日のマーケット】2月21日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

2月21日(金)のマーケット                                                                   

2月20日の米国株式市場は反落。ウクライナでゼレンスキー大統領と米トランプ政権でウクライナ特使を務めるケロッグ氏が会談を行ったが、ゼレンスキー大統領が米国への希少な鉱物資源供与に合意しなかったため、共同記者会見はアメリカ側が拒否して行われなかった。ウォルマートは通期見通しがアナリスト予想を下回ったため売られた。ラトニック商務長官がトランプ政権の外国歳入庁プログラム下で、クルーズ船運行会社が税金を支払うことになるだろうと述べたため、ロイヤル・カリビアン・クルーズやカーニバルが下落した。高値圏にあったゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースは利益確定の売りに押された。NYダウは前日比450ドル(1.01%)安の44,176ドル。ナスダックでは、米国の軍事支出を今後5年間で8%削減する計画を受け、パランティア・テクノロジーズは続落となった。NASDAQ総合指数は前日比93ポイント(0.47%)安の19,962。S&P500指数は前日比26ポイント(0.43%)安の6,117。

米財務長官が長期債の割合を増やすのはまだ先と述べ、米国金利低下、ドル安で、一時1ドル=149円台前半となった。日経平均も下落で始まったが、日銀総裁が金利が例外的に急上昇する場合には国債買入を増額すると述べたため、上昇に転じた。DeNAはいちよしの格上げで大幅高。トランプ大統領が中国との新たな貿易協定締結について可能と述べ、香港株と上海株は反発し、中国関連の良品計画とミスミが上昇。日産は英FT紙がテスラによる出資計画報道。

スタンダード市場では、下水道関連の日本鋳鉄管、イトーヨーギョーや土木管理総合試験所と川崎地質が反落した。フジプレアムはペロブスカイト太陽電池の製品開発を加速で買われた。ワークマンは「ワークマン女子」を「ワークマンカラーズ」に改装し積極出店する計画で上昇した。

グロース市場では、カバーとタイミーが続落となり、INFORICHは4日続落。プレイドとBuySellが売られた。一方、フェニックスバイオはTOPPANの「人工三次元肝臓組織」と業務提携で3日連続ストップ高。ドローン関連のテラドローンとブルーイノベなどは続伸。

日足チャート上では、上下にヒゲを伴う陽線。今週は軟調推移で上値の重い展開が続いていたが、終値では200日移動平均線(3万8677円)を維持して週末を迎えた。週足では上下に長めのヒゲを伴う陰線。13週移動平均線と26週移動平均線の間での値動きが続いた。昨年から続く3万8000円から4万円のレンジ内で三角保ち合いが煮詰まってきた。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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トランプ大統領の動きが活発です。政権発足からちょうど1か月が経過して、矢継ぎ早に新たな政策を打ち出しています。

全世界に対する関税発動に続いて、ウクライナ和平に関しても成果を残そうとしています。ウクライナは当然のことながら頑なな姿勢をとっており、今後はどうなるか不透明ですが近々大きな動きが出てきそうな気配です。

株式市場はこの状況において物色動向が徐々に変わりつつあります。これまでは警戒心が強かったためか物色動向は限られた、確固たる買い材料のあるものに絞られていました。防衛関連銘柄、データセンターを中心とするAI関連株、そして任天堂やサンリオのようなコンテンツ銘柄です。

あるいは他にも日本の金利上昇を反映しての銀行株や、社会インフラ整備んお空調関連、下水道関連株でという、限定された資金の動きでした。

そこに少しずつ変化が出始めています。自動車株は手掛けにくいところがありますが、一方でタイヤメーカーや工作機械の機械セクターあたりから反転の動きが強まっています。

同じようにエレクトロニクスセクターでも、これまでの先端半導体関連銘柄ばかりでなく、徐々にレガシー半導体や一般的な電子部品株にも反転上昇の動きが目立っています。

何よりも象徴的なのは新興市場銘柄です。かつてのマザーズ銘柄が長期低迷から脱出しようとしています。このカテゴリーは業績が大きく改善しているところがバックにありおり、ここから物色の中心に進みそうな気配です。

年明けからパタリと動きを止めていた海外のアクティビストも少しずつ動きが表面化しており、新たな活動を開始し始めたような展開です。2月相場はまもなく終わり、3月相場が始まります。マーケットの変化に遅れないように身構えておきたいものです。

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注目記事 Pick up
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【中小型株に活路
日本証券新聞2月25日(火)紙面1面TOP記事掲載 

大型・中小型株の“シーソー論”を超えて

中小型株にも目配りしたい――といった声が市場から出ている。割安・実力株ぞろいのスタンダードだけでなく、2020年の“DX(デジタルトランスフォーメーション)相場”一巡後、蚊帳の外に置かれ続けたグロースも年初からのパフォーマンスは大型株をアウトパフォームしている。

中小型株と大型株は“シーソーの関係”とも言われ、大型株で好パフォーマンスが出ているうちは中小型株は用無しとなり株価低迷、大型株でパフォーマンスが出難くなると割安感や調整十分感から中小型株に活路を見いだす――というパターンを過去繰り返してきた。

足元の大型株はボックス相場。日銀の早期利上げ観測やトランプ関税への警戒などによる円高に加え、日銀が大量保有するETFの放出思惑への警戒感も出ており上値追い展開が期待しづらい中、ここにきてゴールドマン・サックス(GS)が米国株式市場の「調整ウオッチ」入りを宣言。GSの“宣言”は3月の納税シーズンを控えたマネー流入減という季節要因が理由ながら、米国株安は日本の大型株安に作用しやすいため警戒感が出ている。

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今日の市況概況
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2月21日(金)☆[概況/大引け] 

日銀総裁が金利急上昇の場合は国債買い入れ増額に言及。日産は菅元首相周辺がテスラによる出資計画策定と英FT紙報道

大引けの日経平均は98円高の3万8,776円、TOPIXは1ポイント高の2,736ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は556、下落銘柄数は1,031。出来高は19億4,682万株、売買代金は4兆3,160億円。
ベッセント米財務長官が米国債の発行で長期債の割合を増やす措置は「まだ先のことだ」と述べたため、米国金利が低下し、ドル売り要因となった。
円相場は一時1ドル=149円台前半となり、日経平均も221円安となった場面があった。
植田日銀総裁が衆院予算委員会で、最近の長期金利の上昇について景気回復や物価上昇を反映したものとし、例外的に急上昇する場合には機動的に国債買い入れを増額する考えを改めて表明した。
国債買い入れ増額に言及したため、債券先物が買われ、円安に向かい、日経平均は一時130円高となった。
3連休を控え、小幅安に戻ったが、終盤は再び堅調となった。

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