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銘柄・相場情報2025年2月25日

<企業情報> アジアクエスト 旺盛なDX需要で急成長 グローバル展開にも注力

アジアクエスト(4261・G)がこのほど開示した前12月期決算は売上高40億6,100万円(前々期比29.4%増)、営業利益4億5,800万円(同47.8%増)と、旺盛なDX需要を取り込み、過去最高。今期は売上高51億7,100万円(前期比27.3%増)、営業利益5億1,800万円(同13.1%増)でさらなる上積みを計画している。決算会見で桃井純代表取締役社長は「非常によい決算と自負している」と胸を張る。

2021年12月に上場。従来のSIの領域を脱皮し、デジタル技術を活用した「第3のプラットフォーム」と呼ばれる新しいサービスを展開している。DXでどう変革していいかわからない顧客企業と一緒に試行錯誤しながら、コンサルティング、設計、開発、保守・運用など一気通貫のサービスを提供。リピート率は80%を超え、安定した売上基盤を構築している。顧客は多種多様の業界に広がるが、特に建設業界でのプレゼンスが高い。今後、コンサルを主として、経営企画、IT戦略などの上流にアプローチすることで、新規領域開拓や単価上昇を図っていく。21年にNTT西日本と資本業務提携した効果も順調。

また、社名にあるように12年の創業当時からアジアでの展開を計画しており、既にインドネシアとマレーシアに現地法人がある。昨年移転したばかりの本社の会議室にもクアラルンプールなどアジアの都市名を付ける意気込みだ。日系企業のアジア進出が進む中、「小回りがきいて、技術力が高いポジショニング」が強みという。将来的には、タイ、フィリピンなどの東南アジアを中心に、他国へも展開し、日本と海外でのクロスセル戦略をとっていく。

基盤となるエンジニアの採用も計画以上に進んでいる。全社横断的な採用チームや受け入れ予定部署のエンジニアが採用にかかわるスクラム採用を展開。独自の教育プログラムとOJTを組み合わせ、人員の早期戦力化も可能としている。

さらに、足元では生成AIと3Dモデルの活用に注力している。生成AIは社内の生産性向上のツールにするとともに、ヘルプデスク、コールセンターなどの顧客の課題解決に向けた活用も展開している。桃井社長は「遠くない将来、劇的に生産性は上がると思う。率先的に取り組んでいく」と話している。

3Dモデルは建物や設備、製品などの現実のデータをもとに、最新のAI技術で仮想空間に構築する「デジタルツイン」で活用。災害シミュレーション、建築現場管理など様々な用途に利用していく。(HS)

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