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コラム2025年2月28日

【本日のマーケット】2月28日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

2月28日(金)のマーケット                                                                   

2月27日の米国株式市場は下落。エヌビディアが下落したため、ナスダックは序盤から下落したが、エヌビディアが後半に下げ幅を拡大したため、ナスダックも下げ幅を拡大し、中盤まで反発していたNYダウも下落に転じた。エヌビディアは8.5%下落。モルガン・スタンレーやJPモルガンは「Overweight」継続、シティグループやHSBCは「Buy」継続とそれぞれの格付けで最上位としているが、ドイツ銀行は「Hold」を継続。ドイツ銀行ではエヌビディアの収益が予想を上回ったのは過去2年間で最小だったと述べ、より大きなアップサイドサプライズに慣れている投資家にとって期待外れで、利益の伸びは予想をわずかに上回るだけで、特にガイダンスはなく、収益報告は過去2年間のエヌビディアの株価の憶測のレベルに対処できなかったと解説した。アマゾンやアルファベットも安い。一方、バークシャー・ハザウェイとマクドナルドは買われた。NYダウは前日比193ドル(0.45%)安の43,239ドル。NASDAQ総合指数は前日比530ポイント(2.78%)安の18,544。S&P500指数は前日比94ポイント(1.59%)安の5,861。

米エヌビディアの急落と中国への関税上乗せで27日のナスダックは大統領選挙後の上昇を帳消しにした。28日の日経平均は一時1400円を超える下げ幅となり、半導体関連を中心に売られ、関税警戒で自動車も安い。防衛関連も下落。トランプ大統領は2017年に安倍首相に米国製の兵器購入を要求したため、日本の防衛費増額でも潤うのは米国企業という見方も。大平洋金属は2025年3月期の配当予想を無配から135円に上方修正したためストップ高。

スタンダード市場では、ビットコインの急落を受けて、メタプラネットが3日連続ストップ安。ハーモニックドライブや伊勢化学、日本電子材料が安い。ReYuuJapanはシンガポール企業への譲渡価額が1株当たり700円でストップ高。わかもと製薬は英投資ファンドが保有判明で上昇。

グロース市場では、キャンバスが大幅反落。レナサイエンスは大幅続落。delyやビースタイルが安値更新。大幅初配当のSmileHDは高騰継続。Vチューバー事務所運営のカバーはモルガン・スタンレーによる目標株価の引き上げが好感された。AI顔認証のトリプルアイズが高い。

日足チャート上では、下ヒゲを伴う大陰線。ギャップダウンでレンジ下限と見られていた3万8000円を下抜けて、一時は3万7000円割れまで急落を見せた。終値では3万7000円台を維持したが、昨年9月以来の株価水準となった。週足でも大陰線。13週・26週移動平均線を下抜けてパラボリックも陰転となってしまった。陰転となるのは昨年9月以来のこと。3万8000円から4万円のレンジ内での保ち合いが続いていたが、下放れとなった。月足でも大陰線となっており、上値を切り下げて調整色が色濃くなった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。波乱続きの相場づきですが、週末に株価が大きく下落しました。この原稿を書いている時点で日経平均は▲1200円値下がりして37,000円の大台を下回っています。

アメリカのエヌヴィディアの決算発表後の値動きが冴えない展開となり、半導体関連株に売りが集中しています。1月末に表面化したディープシークの低コストのAI開発が、いまだショック安のきっかけとなっています。

ただ全面安の場面ではありがちですが、下げの悪役となっている銘柄と、そうではなくただツレ安しているだけの銘柄にはっきりと分かれます。

今回の下げ局面も物色の中身をよく見ると、大きく下げているのは半導体関連株、AI関連株にかなり限られているように見えます。

それ以外の銘柄は前日比マイナスですが、比較的よく値を保っている銘柄も見つけることができます。それはたとえばソニーだったり、KDDI、神戸製鋼、大林組、三井不動産だったりと、業種やジャンルを超えて比較的堅調です。大きな下落は回避されています。

朝方発表された鉱工業生産が少し弱い動きになっているのが気がかりですが(生産指数は3ヶ月連続で低下)、それを除けば概ねしっかりしています。

来週からは名実ともに3月相場です。年度末相場は、銘柄の選別物色がさらに強まっていくものと予想されます。

半導体は警戒されていたデータセンターの設備投資に関して過剰感が現実のものかもしれず、少し調整に時間が必要かもしれません。それ以外のセクターから突破口を探す展開がしばらく続きそうです。

名実ともに3月相場に入ります。業績に見合った株価水準か否か、非常に重要になってくると見られます。

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注目記事 Pick up
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【トランプ関税+エヌビディア=ショック安
日本証券新聞3月3日(月)紙面1面TOP記事掲載 

リスク・オフで日経平均3万7,000円割れ 期末に向け高配当銘柄などマーク

日経平均(週足)

2月28日の東京株式市場はトランプ関税とエヌビディア(NVDA)の余波で日経平均株価が一時前日比1,416.05円安の3万6,840.12円まで売られた。終値は同1,100.67円安の3万7,155.50円だった。取引時間中の3万7,000円割れは昨年9月19日以来、およそ5カ月ぶり。

この日の下げ要因は二つ。米国で26日の引け後に決算を発表したAI向けGPU(画像処理半導体)の大手でAI関連の代表的な銘柄であるエヌビディアが急落した。売上高は市場予想を上回るなど好調だったが、最先端GPU「ブラックウェル」の増産に向け、一時的に費用が増加し粗利益率が低下するとの会社見通しが嫌気された。これを受け、アドバンテスト(6857・P)東京エレクトロン(8035・P)などの半導体製造装置(SPE)関連、AI関連に巨額投資を計画しているソフトバンクグループ(9984・P)などが急落、この3銘柄で日経平均を420円以上押し下げた。このほか、ディスコ(6146・P)、電線・光ファイバーのフジクラ(5803・P)古河電気工業(5801・P)などが大幅安。

そしてもう一つはトランプ関税だ。

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今日の市況概況
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2月28日(金)☆[概況/大引け] 

1100円安。半導体関連を中心に広範囲に下落。大平洋金属は配当発表でストップ高

大引けの日経平均は1,100円安の3万7,155円、TOPIXは54ポイント安の2,682ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は312、下落銘柄数は1,284。出来高は27億921万株、売買代金は6兆2,109億円。
米エヌビディアの急落と中国への関税上乗せで27日のナスダックは大統領選挙後の上昇を帳消しにした。
エヌビディアは1年前の驚異的な増収率と比べると鈍化したことや粗利益率の低下に加え、中国輸出規制も警戒されている。
トランプ大統領は中国に対して2月4日の10%関税発動に加えて、3月4日にさらに10%を上乗せすることを発表したが、選挙公約では60%と訴えていたため、今後も関税引き上げが続く可能性がある。
28日の日経平均は一時1,400円を超える下げ幅となり、半導体関連を中心に売られ、関税警戒で自動車も安い。

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