TOP  NSJアップデート  コラム  【本日のマーケット】3月12日(水)
コラム2025年3月12日

【本日のマーケット】3月12日(水)

3月12(水)のマーケット                                                                   

3月11日の米国株式市場は続落。カナダ東部のオンタリオ州は10日、トランプ政権による関税への報復措置として、アメリカのニューヨーク州などに供給している電力に25%の追加料金を課すと発表した。これに対しトランプ大統領は11日、カナダから輸入する全ての鉄鋼とアルミニウムに50%の関税を課すよう商務長官に指示した。加えて、トランプ大統領はカナダがアメリカの乳製品などに課している関税を撤廃しなければ、来月2日からカナダから輸入している自動車への関税を大幅に引き上げ、カナダの自動車産業を実質的に閉鎖させると警告した。これを受けて、NYダウは736ドル安となったが、オンタリオ州が電力料金の上乗せ措置を一時停止すると発表し、トランプ政権もカナダへ課す鉄鋼・アルミニウム追加関税の引き上げを見送ることを決めたため、下げ幅を縮めた。さらに、ウクライナが11日、米国が提案したロシアとの30日間の停戦を受け入れる用意があると発表したことも寄与し、ナスダックとS&P500は一時上昇した場面もあったが、最後は様子見姿勢で下落した。アップルやオラクル、ビザが売られ、テスラとパランティアテクノロジーズは反発。NYダウは前日比478ドル(1.14%)安の41,433ドル。NASDAQ総合指数は前日比32ポイント(0.18%)安の17,436。S&P500指数は前日比42ポイント(0.76%)安の5,572。

ウクライナ停戦案は好感されたが、関税警戒と米消費者物価発表を控え、上値抑制。中谷防衛相が春にインド訪問で対中包囲網の狙いから防衛関連が高い。三菱電機は防衛事業説明会で買われた。銀行株は金利上昇やモルガン・スタンレーによる強気スタンス継続を好感。ペプチドリームはSBI証券が目標株価を引き上げた。LINEヤフーはLINEクレジットの伸びを材料視。レーザーテックとアドバンテストは下落。関税警戒で海運とSUBARUが安い。

スタンダード市場では、メタプラネットが反発し、フェローテックは5日続伸。東海リースは業績予想と配当予想を上方修正し大幅高。児玉化学が昨年来高値。ハーモニックは軟調で、REVOLUTIONは株主優待廃止でストップ安。神島化学とAIフュージョンが反落した。

グロース市場では、アストロスケールがSBI証券の新規「買い」判断で、Synsは野村証券が目標株価を引き上げたためストップ高となった。雨風太陽は旅行予約サイトを譲り受け新事業として始めると発表し買われた。GENDAは反落し、弁護士ドットコムが続落。

チャート上では、上下にヒゲを伴う陽線。5日移動平均線(3万7045円)には届かず、反発力は鈍かった。ボリンジャーバンドのマイナス2シグマ(3万6531円)をクリアして、マイナス1シグマ(3万7395円)を目指す動きとなるか注目される。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

世界が注目する宇宙ベンチャー Syns、アストロHD急騰
 日本証券新聞3月13日(木)紙面1面TOP記事掲載

「宇宙戦略基金」も押し上げ材料に

軟調地合い下で宇宙ベンチャー3社が逆行高。Synspective(290A・G)がストップ高(100円高の726円)に買われたほか、アストロスケールHD(186A・G)もストップ高(100円高の789円)、ispace(9348・G)も一時8.7%高と底堅さを見せた。

いずれも各証券のレポート発行が刺激となったが、11日に文部科学省が「宇宙戦略基金」の第二期実施方針案を明らかにしており、まさに注目のタイミングと言えよう。なお、第二期は輸送システムや月面着陸など計13の技術開発テーマ案を設定し、総額1,550億円が投じられることとなった。3月中に総務省や経済産業省からもテーマ案が公開される予定。

Synspectiveは6日、宇宙戦略基金からの補助金獲得を発表した。2027年3月末までに約165億円を受領する予定で、本件は今12月期業績予想には織り込み済み。これを受けて、野村証券は政府補助金の早期受領で衛星網構築をより確実に構築できる可能性が高まったと判断、同社の目標株価を818円(前回740円)へと引き上げた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

3月12日(水)☆[概況/大引け]

終盤は伸び悩み

大引けの日経平均は25円高の3万6,819円、TOPIXは24ポイント高の2,694ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,156、下落銘柄数は430。出来高は18億8,712万株、売買代金は4兆4,630億円。
ウクライナ停戦案は好感されたが、関税警戒と今晩の米国で2月の消費者物価が発表されるため、上値が抑制され、小幅高で取引を終えた。

詳しくはコチラ

関連記事