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コラム2025年3月21日

【本日のマーケット】3月21日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

3月21日(金)のマーケット                                                                   

3月20日の米国株式市場は小反落。主要3指数は寄り付きで反落したが、中古住宅販売が市場予想を上回ったことで切り返した。だが、トランプ大統領が「米国の関税が経済に影響し始める(徐々に!)中、FRBは金利を引き下げた方がはるかに良い。正しいことを行え」とトゥルース・ソーシャルに書き込んだため、関税への警戒で中盤以降は小幅安となった。アクセンチュアは、連邦政府の支出を削減するためのトランプ政権の取り組みが、新規契約の遅延とキャンセルにつながり、同社の株価を6%以上下落させたと述べた。NYダウは前日比11ドル(0.03%)安の41,953ドル。NASDAQ総合指数は前日比59ポイント(0.33%)安の17,691。S&P500指数は前日比12ポイント(0.22%)安の5,662。

FRBが量的引き締めのペースを落とすことで海外投資家心理の改善期待から、日経平均は前場に一時216円高となった。だが、週末の手仕舞いや関税警戒で香港株が売られたため終盤は小幅安に。2月の消費者物価の上昇率が市場予想を上回ったため日銀の利上げ姿勢を想定し、銀行株が買われた。米コーニングが中期見通しを上方修正したためフジクラに連想買い。メルカリはモルガン・スタンレーが投資判断を引き上げた。防衛関連は利食い売り。

スタンダード市場では、トランプ大統領の次男をビットコイン戦略アドバイザー起用したことを材料視してメタプラネットがストップ高。アリババ日本法人とビジネスマッチング契約のアウンコンサルは高騰続き。DMSは大幅増配で2日連続ストップ高。ザインエレクが続落。UEXが安い。

グロース市場では、ACSLが経常利益の黒字化予想で大幅高。ペルセウスが大幅続伸。アイキューブドは株主優待制度の導入で値を飛ばした。旅行オンラインシステムのフォルシアは大手旅行代理店向けの納入実績増加で買われた。BASEとバリューCが反落。プレイドは3日続落。

日足チャート上では長い上ヒゲを伴う陽線。上値を試すも、連日で25日移動平均線(3万7909円)近辺で頭を抑えられる展開となった。週足では長めの上ヒゲを伴う陽線。先週からはギャップアップとなり、目先の底打ちを示唆する形状となった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。連休の谷間の東京株式市場は堅調でした。日経平均こそ小幅マイナスで終わりましたが、主力大型株を中心に前日比プラスを維持する銘柄が目立ちました。

中でも堅調だったのが銀行セクターです。業界トップの三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)は連日で実質的な上場来高値を更新しています。

このほかにも地銀株を含めて銀行セクターが広範囲に買われました。ほぼ全面高の様相を呈しています。

祝日入り前の水曜日に、日銀の植田総裁が金融政策決定会合後の記者会見において、「利上げ」という言葉を用いて現在の金融・経済環境を語ったというのが、この日の銀行株高の理由となっているようです。

しかし利上げだけが銀行株高の理由ではないように思います。コンコルディアFG(7186)が最近行った会社説明会では、ビジネス戦略の多様化が明確に描かれています。

個人顧客向けとしては富裕層・準富裕層に照準を合わせたオーダーメイド・サービスの提供、法人顧客向けでは資本政策、事業承継、海外支援など、単なる融資にとどまらないトータルな事業パートナーとしての役割を明確に描いています。

「失われた30年」の象徴とも言える銀行業界は、以前は土地担保融資しかありませんでした。それが今では大きく変化しています。銀行以外の企業が変わっていないはずはありません。

3月相場も終盤を迎えて、まもなく新年度が始まります。銀行セクターのように、新しい変化がマーケット全体に広がることを期待したいものです。

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【金利ある世界に広がる私募債市場 Siiibo証券 小村和輝代表取締役
日本証券新聞3月24日(月)紙面1面TOP記事掲載 

軟調な相場だからこそ債券投資の意義を

日米とも株式市場は軟調な展開が続いているなか、ボラティリティ(値動き)を抑えるために、資産の一部を債券投資に向けることも検討したい。国内で初めて、個人投資家と企業間の私募債取引をネットで可能にしたSiiibo証券の小村和輝代表取締役に、債券投資の意義を聞いた。

――債券投資の意義は。

昨年から新NISA(少額投資非課税制度)が始まり、米国、海外株のインデックス投資が一番伸びている。しかし、国内外、債券と株式に分散することで、ボラティリティを抑えることができる。外貨建ての資産に偏ると為替を気にしなければならない。もう一つ、キャピタルゲインかインカムゲインかがあり、インカムを得ながら日々の値動きを抑えられるのが債券の特徴。特に、リーマンショックのようなことがあると株式では損失を取り戻すのに長い時間がかかるが、銘柄を分散したインカムゲインにも分散投資をすると、そのようなことが起こりにくい。計画的に元本を使いながら運用する人によりマッチした商品。

――債券にもいくつか種類がある。

金利のある世界になり、10年金利が1.5%程度になっている。このため、個人向け国債の利率は1%が見え、公募社債なら2~3%が見込める。また、イベント参加権など購入者への優待やデジタル社債といった個人投資家の目を引く公募社債も出ており、個人向け社債市場は2020年度には6,000億円だったが24年度は2.7兆円規模まで拡大し、過去最高を更新している。さらに、当社が扱う少人数私募債(勧誘先が50人未満に限定)は5~7%になる。

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今日の市況概況
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3月21日(金)☆[概況/大引け] 

日経平均は終盤に小幅安

大引けの日経平均は74円安の3万7,677円、TOPIXは8ポイント高の2,804ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は758、下落銘柄数は834。出来高は26億6,469万株、売買代金は5兆9,909億円。
FRBが量的引き締めのペースを落とすことで海外投資家心理の改善期待から、日経平均は前場に一時216円高となった。
だが、週末の手仕舞いや関税警戒で香港株が売られたため終盤は小幅安に。

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