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トップ記事2025年3月28日

31日、「日経224」大量買い流入へ 期末イベント“第3弾”は好需給要因

ベイカレント(6532・日足)

3月末割り当ての権利落ち日を迎えた28日の東京市場。往年の表現なら“実質新年度入り”となるが、日経平均は一時935.04円安で半月ぶりの3万7,000円割れとなる急落展開を強いられた。もっとも、直近データに基づくフィリップ証券の試算で「308.09円(TOPIXは30.52)」の配当落ち分が含まれるため、これを除いた実質ベースなら、終値は371.55円安だったことになり、見た目の印象は随分と異なる。

3月末にかけては、こうした“特殊なイベント”が相次ぐ。①27日には権利付き最終日の配当再投資の買い(TOPIXが引け際プラス浮上して高値引け)②28日はその反動に加えて前述の配当落ちから指数の下げ幅が大きくなりがち。そしてさらに、③週明け31日にも「日経平均入れ替え」が控える。

三菱倉庫(9301・日足)

今回は、現行制度に移行して以来最も少ない1銘柄入れ替えで、「ベイカレント(6532・P)新規採用/三菱倉庫(9301・P)除外」となる。31日引けにかけて、ETFなど指数連動で運用するパッシブ資金から1,400万株前後の買い物流入が想定されるベイカレントが軽快な足取りで、一時2月18日最高値7,122円まで1%足らずに接近する場面があった。片や7,000万株前後の売り需要の試算される三菱倉庫は昨年12月以降の下降トレンドを脱し切れないままで、26日に35年ぶりの高値(実質ベース)を付けたライバル・三井倉庫HDとのコントラストが際立つ。

とはいえ、ことはこの新旧2銘柄だけの話ではない。実は、残りの継続採用224銘柄の需給にも多大な余波が想定されている。というのは…。

ファーストリテイリング(9983・日足)

カギを握るのがファーストリテイリング(9983・P)だ。1月末時点で日経平均構成ウエートが10%を超えたため、株価換算係数が0.9から0.8に引き下げられ、これに伴って31日にかけて800万株台の大規模な売り需要発生が試算されている。何せ4万円台半ばの超値がさ株だけに金額ベースでは4,000億円近くに達するとみられる。

過去の日経平均入れ替えの多くは「値がさ株採用」と「低位株除外」の組み合わせだったため、後者の売却代金では前者の購入代金を賄えず、その分、残りの継続採用銘柄に薄く広く売りが生じるパターンが一般的だった。ところが今回は、ベイカレントの買い需要が900億円台前半程度とみられるのに対し、三菱倉庫とファーストリテの売り需要は4,500億円規模とも想定され、「224銘柄」には、差し引きで3,000億円を大きく超える資金流入が期待されてくるわけだ。

当該3銘柄については、事前の先取り売買も膨らんでいるため、採用銘柄上昇/除外銘柄下落といった“教科書通りの反応”になるとは限らないが、こうしたリバランス効果を踏まえれば、31日の日経平均は引けにかけての意外高を演じても不思議のなさそうな状況にあると言えそうだ。(K)

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