プログレス・テクノロジーズグループ(339A)が3月28日、グロースに上場した。公開価格を1.5%上回る1,980円で初値を付けた。同社はメーカーの設計開発向けデジタル化コンサルティング会社。上場当日の記者会見で中山岳人代表取締役=写真=が語った内容のポイントは次の通り。
「仮想シミュレーション技術×AI」で顧客企業のモノづくりを支援……トレンドを予測して製品を作る大手メーカーの設計開発部門がお客さま。世界中で生まれている仮想シミュレーション技術をうまく使いこなせるよう各種ソリューションを提供している。
ラストワンマイルをつなぐ……シミュレーションは実物で試すと数個でとどまる。しかし、デジタル仮想シミュレーション技術を使えば何万パターンもAIが作って試すことできる。また、1つ1つ試すと時間が掛かるため、RPA(ロボットの自動化技術)によって高速で試すことができる。こうした仮想シミュレーション技術を利用できるよう、コンサル会社はメーカーにソフトウエアを紹介し、メーカーはITベンダーから何種類ものソフトウエアを購入するが、使いこなすにはソフトウエアをつなげたり、技術を学んだりと非常に大変。コンサル会社やITベンダーとお客さまをつなぐ“ラストワンマイル”を接着させる会社が日本にない、ということに私がIBMにいた20年前に気づいて会社を作った。当社はお客さまの現場の技術を一緒に学びながら、お客さまの課題を知った上で、デジタル技術を組み合わせて、オーダーメイドでお客さま専用のモノづくり未来予測技術を作り上げる「テクノロジー・プロバイダー」。いわゆる技術メーカーのような形で、プロダクトメーカーを支援している。それをわれわれはソリューション事業やデジタルツイン事業と呼んでいる。
大量のバックオーダー……需要は非常に多く、一定の成長性や利益率が見えてきたらIPOし、お客さまの期待に合わせた形でチャレンジをできればと考えていた。6、7年前に事業再編を行い、大きい形で手を握りたいというお客さまの要望からIPOした。お客さまからものすごい数のバックオーダーを抱えている状態にある。こうした中、人材採用、技術研究、産学連携して先端技術を取り込むといったことを行うための資金の調達がIPOの目的。
ロングな成長に自信……何を作ったらいいかよくわからない難しい混迷の時代となる中、当社はいろいろなAIや技術を使って売れるものを探すことを支援している会社。お客さまの開発部門に黒子のように入り、真面目にじっくりしっかり未来の技術を一緒に作っている。3~5年先の製品開発や技術開発をお客さまとともに、あるいは、ある領域に関してはお客さまに代わって作っているので、急成長することはないが地味ながらロングな成長を間違いなくしていく。これをもう一発加速していけたらと成長戦略を立てた。
初値について……(公開価格を)少しだが上回った。買ってくださった方がしっかりいたということはうれしい。とても重要な技術で絶対に伸びるとわかっているが、そういうものをきちんと情報開示し、投資家やいろいろな人と話していかないと理解が進んでいかないと思っている。本日は期待や分からなさなどいろいろなものが含まれて株価形成が進んでいるのだろう。まずはしっかりと会社を成長させていきたい。企業価値向上に全力を注ぎたいので当面は配当は考えていない。
導入の効果……‥例えばベテランの人が1カ月でできることが中堅の人だと3カ月かかる、若手の人は作れないなど、モノづくりはノウハウや経験のすり合わせによって行われている。モノ作りはどんなデジタルツールをどれだけ与えてもできないが、それをわれわれがベテランの人のノウハウをきちんとデジタル化、可視化させて、与えられた最新のデジタルツールにきちんとつないで使いこなせるようにすると、ベテランの方から新卒の方まで全員が30分でできるようになる。お客さまやベテランの方が持っているノウハウと、最先端デジタルをつなぎ合わせると、そんなことが実現できるようになる。そうすると、これまで時間が掛かっていたものが短時間できるようになる、これまでできなかったことができるようになる。そうすると、いままで以上に面白いもの、ワクワクするような技術開発に充てる時間が増え、いろいろなアウトプットができるようになる。
コンペジターは国内にない……コンペジターは日本にはいない。海外にはドイツのFEV、オーストラリアのAVLなど専業企業があるが、彼らは自動車向けにほぼ特化している。一方、当社は半導体、医療、重工業、ハイテクまで進めており、自動車以外の業界もある程度満遍なくフォローできている。お客さまの頭の中にあるノウハウをAIなどにかけるには、まず頭の中にあるアナログデータをデジタル化しないといけない。当社は人のノウハウをデータ化する特許を取っている。それを今は当社のコンサルタントがアナログ的に使っている。それをシステム化して、全員で効率的にプロジェクトを推進できるようにシステム化投資することで業務効率を上げていくなど、われわれ自身のスキルも進化させていきたい。また、産学連携を強めていきたい。今、本社を含めて5拠点、大学連携ですと最近では新潟大学、長岡技術科学大学、九州大学、東北大学など国立系大学との連携を進めていく中で人材発掘・育成連携拠点をつくりたい。(Q)