4月25日(金)のマーケット
4月24日の米国株式市場は3日続伸。トランプ大統領が「中国と毎日、コンタクトをとっている」と発言したことについて、中国外務省は「協議や交渉を行っていない」と否定したため、NYダウは反落して始まったが、クリーブランド連銀のハマック総裁が6月に利下げの可能性があり得ると述べたことで上昇に転じた。さらにトランプ大統領が中国に対して反論し「我々は中国と会談している」と述べたため、上げ幅を拡大した。企業のデジタル変革支援プラットフォームのサービスナウは第1四半期決算が好感され大幅高。半導体のテキサス・インスツルメンツは第2四半期の売上高見通しがアナリスト予想を上回ったことで買われた。NYダウは前日比486ドル(1.23%)高の40,093ドル。NASDAQ総合指数は前日比407ポイント(2.74%)高の17,166。S&P500指数は前日比108ポイント(2.03%)高の5,484。
米中貿易摩擦の緩和期待が継続し、前日の米国株が大幅続伸、好決算銘柄を物色流れが強まったことなどを受け、堅調に始まった。日米財務相会談で為替水準の目標などに関する話が出ず、円安に。ニデック、富士通などのほか、自己株式取得のアイシンなどが高い。フジクラ、アドバンテストなどのAI関連も買い戻された。後場は、中国政府が米国の輸入品に対する関税を一部停止するとの報道を受け、円安がさらに進み、日経平均株価は一段高。
スタンダード指数は修復の動きが継続。東洋合成など半導体関連の上昇が目立つ。ハーモニックは前期上方修正を好感し大幅高。カンロは場中の1Q好決算から急伸し新高値。クボテックも場中の前期上方修正で大幅高。半面、愛三工業は今期減益計画を嫌気した。
グロース指数は小じっかり。決算発表本格化前で全般手掛かり難の中、バイオ、宇宙関連などテーマ株が物色された。好材料への反応は良く、ココペリはみずほ銀と覚書締結を手掛かりに急騰し新高値。EDPはダイヤモンド1インチ単結晶ウエハ発売を好感した。
日足チャート上では上下に短いヒゲを伴う陽線。ギャップアップで4月2日から3日に空けた窓埋めの動きとなった。下降する25日移動平均線を上放れ、3万6000円が視野に入ってきた。週足では短い上ヒゲと長めの下ヒゲを伴う陽線。3週連続の陽線を示現しており、反騰態勢がうかがえる。早晩に4月7日の週の大陰線を上抜きたいところ。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。「半値戻り全値戻り」と言いますが、半値戻りを待つこともなく、ある特定の銘柄の中にはすでに全値戻りを達成したものが目立ってきました。
ここで「半値戻り」とか「全値戻り」というのはほかでもありません、トランプ大統領によって相互関税が発表された、4月2日以降に急落した部分です。その下げ分をすべて取り戻したという意味での全値戻りを成し遂げた銘柄が増えてきた、というのがこの週末の印象です。
日本では4月3日からの下落分がこの戻りの基準になるわけですが、やはり最も強い動きを示しているのが三菱重工(7011)です。
この銘柄が最も強い足取りをたどっているのは衆目の一致するところでしょう。トランプ関税による全面安と全面高が猛烈な勢いで繰り返されていたところから、この下げ過程で何を買うべきか、買うのならやはり三菱重工だろうと言う声はあちこちで聞かれました。
防衛費の増額は誰がどう見ても今以上に積み増しされることになるでしょうし、発電所のガスタービンの分野では世界で最も効率の良い機種を持っていますし、空気中のCO2をとらえて固定して封印するCCSの技術に関しても世界で最も優れたものを有しています。
この三菱重工に続くのが日立(6501)です。日立がこれほど早いタイミングで全値戻りを達成するのは素直に驚かされます。そのほかにも任天堂(7974)、キーエンス(6861)。総合商社も三菱商事(8058)、伊藤忠(8001)、丸紅(8002)、住友商事(8053)が今週そろって切り返してリカバリーしました。
そしてなんと言ってもトヨタ自動車(7203)です。自動車株の場合、4月2日ではなくその前週の3月27日に25%の関税が別枠で発表ているので、そこから下げ分はもう一息というところですが、これも間もなく埋められることになりそうです。
日経平均やTOPIXの株価指数は、銀行株や半導体株の影響を大きく受けるため、どうしても出遅れてしまいます。しかし個々の強い銘柄が先行して悪材料の下げ分を取り返したということは評価すべきです。
日本でも決算シーズンが静かに始まっています。決算内容を吟味しながら、下値の買いを断行するタイミングにさしかかっているはずです。
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注目記事 Pick up
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【危機脱したか? 市場需給を総点検】
日本証券新聞4月28日(月)紙面1面TOP記事掲載
日生買いに誤解、信用取引で珍記録も
25日の日経平均は3月18日以来の「3日続伸」(昨年9月以降では4日続伸が最長)。米国「相互関税」が発表される直前の2日終値(3万5,725.87円)を上回る場面があった。終値ベースで3月26日戻り高値からの押し幅3分の2戻しライン(3万5,730.39円)をも一時上回り、短期急落の痛手も次第に癒えつつある状況と言えよう。
足元の戻りの背景にはむろんトランプ政権の姿勢変化があるわけだが(同じ理由で先行きの不透明感は消えない)、24日に発表された4月第3週(14~18日)の投資主体別需給を見ると、4月上旬にかけ先物主体で大きく売り越した外国人が4週ぶりの買い越しに転じてきている(現先合算での買い越しは今年の15週で4回目)。外国人は昨年初めから今年3月までに現先合算で9兆2,000億円強売り越してきただけに、そろそろ売り一巡も想定されるところ。そうなると、買い方の主体となるのはどこか。
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今日の市況概況
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4月25日(金)☆[概況/大引け]
大幅続伸、円高誘導への懸念後退や米中貿易交渉に期待
大引けの日経平均株価は前日比666円59銭(1.9%)高の3万5,705円74銭、TOPIXは同35.47ポイント(1.4%)高の2,628.03ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,068、下落銘柄数は510。出来高は18億7,254万株、売買代金は4兆4,020億円。
日米財務相会談では米国から為替相場の水準や目標に関する発言が盛り込まれず、円相場が143円台後半に弱含んだため、電機、精密機器、輸送用機器といった輸出関連株を中心に幅広く物色された。トランプ米大統領が貿易に関する中国との政府間交渉は進行中だと言及したことも、貿易戦争の激化による景気減速への懸念を和らげた。
5月の大型連休が接近するタイミングに当たり、先物市場の売り方の買い戻しが指数を押し上げ、日経平均は2日以来の水準まで戻して終了した。
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