※→IPOカレンダー2019/→新規上場紹介/→ブックビル大作戦・IPO診断・IPO社長会見
ヴィッツ(4440)が4月8日、マザーズに新規上場(IPO)する。
われわれが暮らしの中で利用する電子機器(例えばデジタルテレビ、電子制御式の電気炊飯器など)のことを組込機器と呼ぶ。組込機器は小型コンピューターを含むハードウエアと、コンピュータを動作させるソフトウエアで構成される。このハードウエアとソフトウエアを合わせて組込システムと呼び、ソフトウエアを組込ソフトウエアと呼ぶ。
同社は1997年の設立以来、組込システムに関するソフトウエア開発を事業基盤としている。具体的には、自動車、工作機械、家電などの幅広い産業分野の製造業に対して組込ソフトウエアの受託開発業務を提供するほか、リアルタイムオペレーションシステムなどの基盤ソフトウエアの販売、組込セキュリティー関連のコンサルティングを提供している。
この「組込システム事業」に、「システムズエンジニアリング事業」「機能安全開発事業」を加えた3つの事業が柱。
「システムズエンジニアリング事業」は、自動車を中心としたモデルベース開発などの製品開発を支援するシミュレーション技術のエンジニアリングサービスおよび環境の提供を行う。また、自動車メーカー各社が積極的に研究を実施している自動運転技術の試験環境として、仮想シミュレータの開発および販売提供も行っている。
「機能安全開発事業」は、制御システムの安全性の確保と安全性の説明責任を明確にするために必要な機能安全に関するコンサルティングを実施している。
自動車産業分野においては、自動運転、コネクテッドカー(インターネットを搭載して外部とつながるクルマ)などは近未来の社会において重要な製品および技術と認識し、同社グループにとって重要な市場。また、人工知能(AI)の安全活用は将来の製品開発に必要で、最重要研究課題として位置付けている。
国内のソフトウエア開発企業には、組込ソフトウエア開発企業、自動運転技術を提供する企業、機能安全や組込セキュリティーを支援する企業、仮想化技術を提供する企業それぞれが存在するものの、同社はこれらのサービスを1社(グループ)で提供できるのが特徴。また、組込ソフトウエアは組込装置(自動車、家電など)と一体をなして開発されるため、大手メーカーまたはその子会社が手掛けることがあるが、同社グループは企業系列に属していない独立系のため、系列や製品分野を超えた企業へのサービス提供が可能。
主力は自動車分野だが、デジタル家電、農業機械などにも積極的に営業を行い、他分野への展開を進めている。とくに農業機械は電子化が遅れており、同社が実施した農業関連研究成果を活用した事業展開を行っている。
19年8月期業績は売上高25億3,900万円(前期比7%増)、経常利益2億6,800万円(同20%増)の予想で、配当は年6円の予定。組込システム事業では、自動車関連ECU(電子制御ユニット)ソフトウエア開発など、システムズエンジニアリング事業では、自動車向け仮想環境シミュレーション技術の提供および車載制御モデル開発が順調に推移する。
[本紙3月13日付2面]
ヴィッツ(4440)が4月8日、マザーズに新規上場(IPO)する。
われわれが暮らしの中で利用する電子機器(例えばデジタルテレビ、電子制御式の電気炊飯器など)のことを組込機器と呼ぶ。組込機器は小型コンピューターを含むハードウエアと、コンピュータを動作させるソフトウエアで構成される。このハードウエアとソフトウエアを合わせて組込システムと呼び、ソフトウエアを組込ソフトウエアと呼ぶ。
同社は1997年の設立以来、組込システムに関するソフトウエア開発を事業基盤としている。具体的には、自動車、工作機械、家電などの幅広い産業分野の製造業に対して組込ソフトウエアの受託開発業務を提供するほか、リアルタイムオペレーションシステムなどの基盤ソフトウエアの販売、組込セキュリティー関連のコンサルティングを提供している。
この「組込システム事業」に、「システムズエンジニアリング事業」「機能安全開発事業」を加えた3つの事業が柱。
「システムズエンジニアリング事業」は、自動車を中心としたモデルベース開発などの製品開発を支援するシミュレーション技術のエンジニアリングサービスおよび環境の提供を行う。また、自動車メーカー各社が積極的に研究を実施している自動運転技術の試験環境として、仮想シミュレータの開発および販売提供も行っている。
「機能安全開発事業」は、制御システムの安全性の確保と安全性の説明責任を明確にするために必要な機能安全に関するコンサルティングを実施している。
自動車産業分野においては、自動運転、コネクテッドカー(インターネットを搭載して外部とつながるクルマ)などは近未来の社会において重要な製品および技術と認識し、同社グループにとって重要な市場。また、人工知能(AI)の安全活用は将来の製品開発に必要で、最重要研究課題として位置付けている。
国内のソフトウエア開発企業には、組込ソフトウエア開発企業、自動運転技術を提供する企業、機能安全や組込セキュリティーを支援する企業、仮想化技術を提供する企業それぞれが存在するものの、同社はこれらのサービスを1社(グループ)で提供できるのが特徴。また、組込ソフトウエアは組込装置(自動車、家電など)と一体をなして開発されるため、大手メーカーまたはその子会社が手掛けることがあるが、同社グループは企業系列に属していない独立系のため、系列や製品分野を超えた企業へのサービス提供が可能。
主力は自動車分野だが、デジタル家電、農業機械などにも積極的に営業を行い、他分野への展開を進めている。とくに農業機械は電子化が遅れており、同社が実施した農業関連研究成果を活用した事業展開を行っている。
19年8月期業績は売上高25億3,900万円(前期比7%増)、経常利益2億6,800万円(同20%増)の予想で、配当は年6円の予定。組込システム事業では、自動車関連ECU(電子制御ユニット)ソフトウエア開発など、システムズエンジニアリング事業では、自動車向け仮想環境シミュレーション技術の提供および車載制御モデル開発が順調に推移する。
事業内容 | 組込製品のソフトウェアおよびリアルタイムOSの受託開発と販売、組込ソフトウェアなどの研究開発 |
---|---|
本社 | 名古屋市中区栄2―13―1 |
代表者 | 服部博行代表取締役社長 |
設立 | 1997年6月 |
上場前資本金 | 8,858万9,000円 |
発行済株式数 | 180万7,000株(上場時) |
筆頭株主 | Office Hat(上場前24.87%) |
公募株式数 | 34万株 |
売出株式数 | 6万株(このほかオーバーアロットメントで6万株) |
ブックビル仮条件 | 2,260円~2,650円(3月18日) |
ブックビル期間 | 3月20~27日 |
公開価格 | 2,650円(3月28日) |
引受証券 | 東海東京(主幹事)、SBI、大和、SMBC日興、エース、安藤 |
初値 | 6,100円(2.3倍、9日) |
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
---|---|---|---|---|
2017/8 | 2,166百万円 | 208百万円 | 98.98円 | 5.5円 |
2018/8(見込) | 2,375百万円 | 223百万円 | 93.95円 | 6円 |
2019/8(予想) | 2,539百万円 | 268百万円 | 117.70円 | 6円 |
[本紙3月13日付2面]