ゴールデンウイーク。普段より混雑した渋谷で入り口からお客さんがあふれ出る大盛況な店を発見。何の店だろうと覗いてみると、今年3月にオープンした「Onitsuka　Tiger(オニツカタイガー)」の旗艦店でした。

「Onitsuka　Tiger」はアシックス(7936)が2002年に復活させた、履き心地のよさとクラシカルなデザインが人気のカジュアルシューズブランド。海外のストリートファッションを中心に人気を博し、日本でもスポーツ専門店ではなく、「六本木ヒルズ」をはじめ、ファッションブティックやセレクトショップで販売されています。

学生時代、バレーボールと陸上を兼部し、双方でアシックスにお世話になっていた私にとって「アシックス=競技用シューズ」。ファッション性の高い「Onitsuka　Tiger」がアシックスブランドだと知った時の衝撃はかなりのものでした。

海外での売り上げがメーン(76.7%)のアシックス。欧州を中心に健康志向によるスポーツへの関心の高まりやランニングブームを受け、15年12月期連結業績予想の売上高は、かつて同社が掲げた事業強化戦略「アシックス・グロース・プラン2015」を上回る過去最高の4,230億円(営業利益は330億円)としています。コア事業のランニングだけでなく、人気の高いテニスやラグビーにも力を入れ、さらなるブランド価値向上を狙う一方、カラフルなレトロスニーカー「Onitsuka　Tiger」でスニーカーファンの支持を集めたアシックス。日本のテクノロジーとストリートファッションの融合をうたう第3のブランド「アシックスタイガー」でどこまで売り上げを伸ばしシェアを拡大させるのか。今後の展開に注目しています。

【編集委員Zのコメント】
アシックスの株価は3月に上場来高値3,455円を付けた後に調整し、その後は3,000円台を固める動きとなっています。しかし、12年初頭と比べて3年間で株価は3倍に化けており、ここでの一服は自然体。ミズノ(8022)やデサント(8114)と比べると株価は大出世ですが、さらなる高みを見るには一段の株主還元策が欲しいところです。


[本紙5月11日付1面]