5年前「旅先のNYで浴衣を着たい」と思ったものの、長時間スーツケースに入れることや、現地で着た後すぐに適切なお手入れができないことから、大事にしているお気に入りの浴衣を持っていくかどうか悩んでいました。そんな時ユニクロ(ファーストリテイリング:9983)で浴衣が販売されていることを知りお店を覗いてみると、「帯・腰ひも付きで4,990円」という衝撃的な価格にビックリ。この価格ならと白地に鮮やかな青色の朝顔が咲く浴衣をその場で購入。念願の「浴衣を着てNYのMOMA美術館を巡る」を実現することができました。

翌年も新しい柄を購入したかったのですが、それ以降ユニクロでの浴衣の販売はなく残念に思っていたところ、今年、一部店舗およびオンラインストアでユニクロの浴衣が復活したと知り、早速ネットでチェック。サイトには、「中原淳一」「竹久夢二」の作品をイメージしたレトロ・モダンなデザインの浴衣8種類が並び、浴衣の着方や帯の結び方をレクチャーする「浴衣の着方ムービー」も用意されていました。素敵なラインアップにどれにしようか迷っていると、いくつか「売り切れ」の文字が。発売2週間で既に3デザインが完売と、人気の高さがうかがえました。

ユニクロの海外店舗数が今秋をめどに初めて国内店舗数を上回る予想と発表したファーストリテイリング。グローバル企業として頭角を現す中で、「日本の伝統的カジュアルウエア」浴衣を、世界14の国と地域で順次販売を開始するとのこと。「和食」同様、着物文化が受け入れられ、浴衣が注目を集めることができるのか。浴衣をまとう外国人の姿を想像しながら今後の展開に注目しています。

【編集委員Zのコメント】
今、株式市場では「着物の日」制定の期待から、さが美(8201)を中心に着物関連株が好人気です。ファーストリテイリングは値がさ株のためテーマ性で動く銘柄ではありませんが、支援材料にはなりそうです。


[本紙6月29日付1面]