新日本製薬(4931)が6月27日、マザーズ市場に新規上場(IPO)する。

化粧品、健康食品及び医薬品の商品開発、販売を行っている。1992年に福岡県大野城市で生活用品の企画・販売会社として新日本リビングの社名でスタート。94年に健康食品、2000年に基礎化粧品の通信販売を開始した。

販売チャネルでは通信販売が売上高の92%(19年9月期予想)を占める。テレビや新聞、雑誌などのメディアへ出稿している広告などを見て問い合わせた消費者に対して、自社及び外部委託しているコールセンターのコミュニケーターが注文を受けるとともに、コールセンターから商品の提案と様々なサポートを行っている。顧客に商品を長く利用してもらうために「お買いものサービス」を提案。その中でも「定期購入サービス」は注文をもらった商品を定期的に販売するサービスで、累計購入金額に応じて設定されるステージごとに定期購入割引価格で商品を販売している。また、化粧品などいずれの商品もオンラインショップで販売している。

直営店舗販売・卸売販売の売上高は全体の6%。化粧品及び健康食品を百貨店やショッピングセンターに出店している直営店舗で対面型販売を行うとともに、総合スーパーやバラエティショップ、販売代理店に卸売販売している。全国の直営店舗では、専門のビューティーアドバイザーが専用のアプリケーションを使用して肌診断やカウンセリングを実施し、顧客の悩みに合わせた商品の提案を行っている。

海外販売は16年に台湾で通信販売を開始、18年に香港で店舗販売、中国で越境EC(電子商取引)、タイで店舗販売を展開している。海外販売は海外代理店を通じて店舗やECなどで販売している。売上高構成比は2%と低いが、今期は前期比42%増を見込む。

一方、取り扱い商品は、化粧品では「パーフェクトワン オールインワン美容液ジェルシリーズ」が主力。これは、化粧水・乳液・クリーム・美容液・パック・化粧下地の6役を1品で果たすシンプルスキンケア商品。
健康食品は、野菜不足が気になる消費者のための国産素材20種類と乳酸菌、酵素をバランス良く配合した青汁である「朝イチスッキリ!青汁サラダプラス」(栄養機能食品)、ひざ関節の曲げ伸ばしや柔軟性をサポートする「ロコアタックEX」(機能性表示食品)などを販売している。医薬品では「新日本製薬の生薬 ヨクイニンエキス錠SH」などを販売。

いずれの商品も同社が商品の企画を行い、製造委託会社で製品化、物流センターから全国の顧客へ出荷、販売している。

今後の戦略は、化粧品では「パーフェクトワンブランド」のさらなるスタンダード(定番)化を図るとともに、第二、第三の柱となる商品やブランドの開発、育成に取り組んでいる。ヘルスケア領域では新たなスタンダード商品の提案を行う。そのためには、通信販売や直営店舗などでの顧客接点の拡充を図り、保有するデータベースをさらに活用していく。

また、東南アジア地域を中心に新たな展開地域を広げ、海外事業の拡大を加速させていく。

マスメディア(テレビインフォマーシャル、新聞広告など)の活用とともに、SNS(交流サイト)などの新たなメディアを活用して新規顧客獲得に取り組むほか、リピート顧客の継続利用の促進、販売チャネルの拡大も図っていく。

●事業内容=化粧品、健康食品、医薬品の企画及び通信販売、店舗販売、卸売販売
●本社=福岡市中央区大手門1-4-7
●代表者=後藤孝洋代表取締役社長
●設立=1992年3月
●上場前資本金=31億3,022万9,000円
●発行済み株式数=2,088万1,300株(上場時)
●筆頭株主=ラプリス(上場前28.11%)
●公募株式数=30万株
●売出株式数=457万株(このほかオーバーアロットメントで73万株)
●仮条件=6月7日に決定
●ブックビル期間=6月11日から17日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、SMBC日興、大和、SBI、マネックス、西日本シティTT、東海東京、いちよし