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IPO2019年8月30日

新規上場紹介 Chatwork 9月24日、マザーズ ビジネスチャットツールを提供

Chatwork(4448)が9月24日、マザーズに新規上場する。

「Chatwork」は、コミュニケーションツールとして一般に普及しているチャットサービスをビジネスコミュニケーション向けに開発したもの。インターネット上でブラウザを介してその機能を利用するSaaS形式で提供している。

基本の「チャット機能」に加えて、「タスク管理」「ファイル共有」および「音声またはビデオ会議」といった各種機能を備えている。ITリテラシーにかかわらず幅広い業種・業態で利用可能なコミュニケーションツールを目指している。パソコンでの利用に加えてスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末向けアプリケーションを提供することで、顧客は社内外を問わずさまざまな環境において活用が可能。また、通信データの暗号化などによるセキュリティ対応や管理機能の提供で、高い機密性や安全性が要求されるビジネス利用に対応したサービスを構築している。社内利用に限らず取引先などの社会とのコミュニケーションを想定した設計になっているのも特徴。

顧客獲得手法は、基本的なサービスは無料で提供するフリーミアム形態が主体。企業自らがオンラインで申し込み、導入後にユーザー企業はニーズや利用状況に応じて、複数の有料プランに移行していく流れ。また、自社営業による直接販売を展開しているほか、販売代理店による顧客開拓も開始している。

有料プラン導入後に利用が定着した場合は継続的に利用する顧客のウエートが高い。導入企業は業務上のコミュニケーションの必要性などから複数部門または全社導入への拡大、取引先などの導入など自己増殖的にユーザー拡大が図られる傾向が生じている。

2018年12月期末の利用企業数は20.3万社、登録ID数は241.6万名、課金ID数は33.9万名。19年6月末ではそれぞれ22.5万、274.7万、36.4万となっている。同社の収入は有料プランについて利用者(ID)数に応じた定額利用料を受領するというサブスクリプション方式。

「Chatwork」を活用したサービス提供では、フリープランのユーザーを対象として広告を掲載・表示するサービスがある。また、提携先との協業で、各種バックオフィス業務や電話代行業務などを受託・提供するプラットフォームサービスを行っている。

一方、セキュリティ対策ソフトの仕入販売を行っているが、この事業については積極的な事業拡大は行わない方針。

Chatwork事業のセグメント損益は17年12月期が3億8,000万円の損失、18年12月期が2億5,600万円の損失、19年12月期の第2四半期は200万円の黒字。セキュリティ事業のセグメント利益は19年12月期の第2四半期で5,300万円だった。

概要

●事業内容=ビジネスチャットツール「Chatwork」の開発・提供、セキュリティソフトウエア「ESET」の代理販売
●本社=兵庫県神戸市北区谷上東町1-1(最寄りの連絡場所は東京都港区芝公園3-40-30)
●代表者=山本正喜代表取締役兼社長執行役員CEO兼CTO
●設立=2004年11月
●上場前資本金=9億1413万8000円
●発行済み株式数=3660万株(上場時)
●筆頭株主=EC studioホールディングス(上場前60・64%)
●公募株式数=60万株
●売出株式数=790万株(このほかオーバーアロットメントで127万5000株)
●仮条件=9月3日に決定
●ブックビル期間=9月5日から11日まで
●引受証券=大和(主幹事)、みずほ、SMBC日興、SBI、マネックス、楽天、松井

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2017.12 968 ▼230 ▼6.47
2018.12 1,301 ▼163 ▼3.08
2019.12(予) 1,770 50 1.57
※単位100万円、1株利益は円
▼は赤字

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