HENNGE(4475)が10月8日、マザーズに新規上場する。
企業向けクラウドセキュリティサービス「HENNGE One」を提供している。「HENNGE One」は、企業が様々なクラウドサービスを利用する際に、単一のIDとパスワードでユーザーによる横断的なログインを可能とするID統合機能を持つ。また、特定の場所や端末以外からのログインを制限するアクセス制限機能、メール暗号化や保管、大容量ファイルの送受信といった情報漏えい対策機能を備える。導入によって企業は、利便性と安全性のバランスの取れた作業が可能になる。同社はこれをクラウドサービスとしてネットワーク経由のSaaS形式で販売する。
同社グループは設立以来20年以上にわたり企業や自治体向けにIT製品やサービスを提供してきた。「HENNGE One」には、銀行のような比較的保守的な企業や自治体のような予算制約が厳しい団体など、さまざまな規模や種類の企業・団体の情報システム部門と取引する中で培われた同社グループの知見が活かされている。
さまざまな業種、幅広い企業規模の顧客に利用されており、今年7月末時点で契約企業数は1,361社、契約ユーザー数は164万人強を数える。直近12カ月の平均月次解約率は0.13%となっている。もっとも、国内に存在する企業数や従業者数で見た場合にはカバー率は低水準。例えば、従業者数30人以上の企業の総従業者数に占める利用者数の割合は約2・6%にとどまっており、同社グループには十分な開拓余地が残っている。
「HENNGE One」のビジネスモデルは、サービス利用期間に応じたサービス利用料金を、利用アカウント単位でサブスクリプション(継続課金)の形態で受領する。サービスの提供が開始された後は契約更新時に解約されない限り、継続的に売上高が積み上がっていく。
2019年9月期はHENNGE One事業の売上高が28億7,400万円(前期比25.6%増)の予想。一方、メール配信サービスなどのプロフェッショナル・サービス事業の売上高は一部オンプレミス(売り切り型)製品のサポート終了で5億100万円(同8.4%減)の予想。第4四半期(7~9月)においてオフィス増床に伴う費用の増加が計画よりも上回る見込みなどの要因で、通期の利益予想は保守的な数字としている。
概要
●事業内容=企業向けクラウドセキュリティサービス「HENNGE One」の提供
●本社=東京都渋谷区南平台町16-28
●代表者=小椋一宏代表取締役社長
●設立=1996年11月
●上場前資本金=3億3,080万円
●発行済み株式数=1543万8,000株(上場時)
●筆頭株主=小椋一宏(上場前27.61%)
●公募株式数=5万株
●売出株式数=125万8,000株(このほかオーバーアロットメントで19万6200株)
●仮条件=9月19日に決定
●ブックビル期間=9月20日から26日まで
●引受証券=野村(主幹事)、クレディ・スイス、大和、いちよし、エース、岡三、丸三、SBI、マネックス
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2017.9 | 2,225 | 155 | 11.28 | ― |
2018.9 | 2,835 | 219 | 8.07 | ― |
2019.9(予) | 3,375 | 153 | 5.68 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |