セルソース(4880)が10月28日、マザーズに新規上場する。
「再生医療関連事業」と一般消費者向けの化粧品の製造販売を行う「コンシューマー事業」を行っている。
2014年11月の「再生医療等安全性確保法」などの施行を踏まえ、再生医療関連業の産業化推進と価値創出を目指し、15年11月に設立された。「再生医療等安全性確保法」では、医療機関が再生医療に用いる細胞の加工作業を特定細胞加工物製造許可を取得した加工施設を有する外部企業へ委託することが認められている。
同社では、医療機関から脂肪・血液由来の組織・細胞の加工業務を受託している。脂肪由来幹細胞加工受託サービスは、整形外科や形成外科などの医療機関が患者から採取する脂肪組織を預かり、脂肪由来幹細胞を抽出、培養、冷凍保存する加工作業を行う。血液由来加工受託サービスは、整形外科や形成外科などの医療機関が患者から採取する血液を預かり、その血液から多血小板血漿(けっしょう)を作成し、活性化させ、成長因子などを濃縮し、無細胞化した後に凍結乾燥を施した「PFC-FD」を作成する加工作業を行う。
再生医療についての国内外での有効臨床データの発表や認知度の高まりなどを背景に、同社の加工受託件数は18年10月期の2,218件から19年10月期の第3四半期累計の9カ月間で3,227件と増加している。処理能力向上のため、加工業務に使用する機器などの改良・増設などによる作業工程の効率化を進めている。
加工受託サービスを提供する提携医療機関への付帯的サービスとして、医療機関が「再生医療等安全性確保法」に基づく再生医療を提供する際に必要となる各種申請・届出業務についての書類作成などのサポート業務を行うほか、患者から血液および脂肪などの組織を採取するために必要な医療機器を販売している。
一方、「コンシューマー事業」では、化粧品ブランド「シグナリフト」の美容液「エクストラエンリッチ」やクリーム「エンリッチクリーム」、洗顔ジェル「ジェリーウォッシュ」などを製造販売している。販売経路は自社Webサイトによる通信販売のほか、医療機関・ドラッグストアなど店舗への販売も行っている。
同社の化粧品は再生医療関連事業における脂肪由来幹細胞の研究成果をもとに、肌のハリが生まれるメカニズムに着目して開発した独自成分「シグナペプチド」を配合していることが特徴。
18年10月期の売上高は12億1,200万円(前期比2.3倍)だった。再生医療関連事業の売上高は、加工受託サービス提携医療機関数が18年10月期末に97院(前期末18院)と増加したことから7億7,599万円(前期比2倍)に、コンシューマー事業は4億3,673万円(同3倍)となった。
概要
●事業内容=再生医療関連事業において、医療機関から脂肪・血液由来の組織・細胞の加工業務を受託するほか、医療機関に法規対応サポートの提供や医療機器を販売、コンシューマー事業において自社ブランド化粧品を販売
●本社=東京都渋谷区渋谷1-19-5
●代表者=裙本理人代表取締役社長
●設立=2015年11月
●上場前資本金=9,000万円
●発行済み株式数=192万株(上場時)
●筆頭株主=山川雅之(上場前60.97%)
●公募株式数=48万株
●売出株式数=7万2,000株(オーバーアロットメントによる売出)
●仮条件=10月4日に決定
●ブックビル期間=10月8日から15日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、野村、SMBC日興、三菱UFJモルガン・スタンレー、SBI
業績推移(単体)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2017.10 | 519 | 158 | 77.36 | ― |
2018.10 | 1,212 | 294 | 134.31 | ― |
2019.10(予) | 1,556 | 260 | 126.45 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |