恵和(4251)が10月30日、東証2部に新規上場する。
光学シート、機能製品の2つの事業を展開している。
光学シート事業は同社のコア技術であるコーティング(塗布)、シーティング(製膜)技術を活用し、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、車載ディスプレイなどの液晶ディスプレイに利用される光拡散フィルム、偏光制御フィルムなどの光学シート部材の開発・製造・販売を行う。主要製品の光拡散フィルム「オパルス」は、液晶ディスプレイの光源であるバックライトユニット構成部材の一つで、光のムラをなくし、光を均一に拡散させる機能を持つプラスチックフィルム。少ない光源で全体を明るくするため省電力の役割も担う。
加えて、さまざまな特性を持つ樹脂を複合的に組み合わせた高機能光学フィルムを製造している。ニーズに応じた機能(高硬度、耐擦傷性など)を付加することが可能で、光拡散フィルムと比べてより高精度化、高機能化が要求される各種センサー用途、次世代自動車の車載ディスプレイなどの分野での活用が期待される。
機能製品事業は創業時から長年培ってきた事業で、安定的に収益を生み出している。紙、フィルムなどにコーティングやラミネート加工するほか、自社でシート成形したフィルムを貼り合わせるなどにより、特定の機能(防湿性、耐熱性など)を付加した包装資材、産業資材の製造・販売を行う。
包装資材は印刷用紙などの紙製品を湿気から保護する防湿紙、冷延鋼鈑などの金属製品を湿気から保護し、錆の発生を防ぐ機能を持った防錆紙など各産業の製造工程で必要不可欠な包装材料。産業資材は主に建築資材の製造・販売を行っている。
国内に6工場を持つ同社のほか、現地のディスプレイ関連メーカー向けに販売活動などを行う海外子会社4社(中国、台湾、韓国、米国)でグループを構成している。
2019年12月期は売上高152億900万円(前期比3.4%減)、経常利益8億4,900万円(同14.5%増)の予想。このうち、光学シート事業の売上高は89億2,800万円(同4.9%減)を見込む。、高付加価値製品のスマートフォンおよびノートブック向けの光拡散シートが好調に推移しているものの、直近の円高による売上高の減少を加味している。機能製品事業は製紙用、鉄鋼用包装資材が堅調ながら、建築資材など産業資材の受注が減少しており、売上高62億8,100万円(同1.3%減)を見込む。
概要
●事業内容=光学シート、産業資材などの製造販売
●本社=東京中央区日本橋茅場町2-10-5
●代表者=長村惠弌代表取締役社長
●設立=1948年9月
●上場前資本金=2億6,640万円
●発行済み株式数=742万株(上場時)
●筆頭株主=長村惠弌(上場前70.75%)
●公募株式数=150万株
●売出株式数=48万3,000株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が29万7,400株)
●仮条件=10月9日に決定
●ブックビル期間=10月11日から18日まで
●引受証券=大和(主幹事)、いちよし、SBI、東海東京、エース
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2017.12 | 14,558 | 72 | 38.18 | 0.25 |
2018.12 | 15,758 | 741 | 76.31 | 1.00 |
2019.12(予) | 15,209 | 849 | 93.79 | 9.21 |
※単位100万円、1株利益は円 |