カーブスホールディングス(7085)が3月2日、東証に新規上場する。市場1部か2部かは公開価格の決定(2月20日)後に決まる予定。
「女性だけの30分健康体操教室 カーブス」を展開している。カラオケ事業などを持つコシダカホールディングス(2157)の一事業部門が分離・独立(スピンオフ)した。スピンオフにより、今後の事業戦略の遂行および成長の加速が可能になるとしている。
2005年にカーブスジャパンが設立され、米国カーブスインターナショナルとマスターラインセンス契約を結んで事業がスタートした。08年10月にコシダカHDグループ入りし、その際に純粋持ち株会社として設立されたのがカーブスHD。18年3月にはカーブスインターナショナルを子会社化してグローバルフランチャイザーの立場となり、カーブス事業の展開における戦略的な自由度が向上した。
国内ではカーブス事業のフランチャイズ(FC)本部としてFC加盟事業者に対する経営指導、事業運営に必要なシステムの導入およびノウハウ、機材、商品、印刷物の提供、販売を行う。また、FC加盟事業者の出店などのサポート業務や会員向け物販業務を行っている。
海外事業は、世界各国のマスターフランチャイジーに対してロイヤリティ管理や店舗で使用する機器などの販売を行っている。今期から新たにカーブスヨーロッパを連結に取り込んでいる。
「カーブス」の特徴は、メインの顧客を50歳以上の女性にフォーカスした対象市場の絞り込み、そして既存の運動施設や自宅での運動への不満、不安、不便という「不」を解決する独自のビジネスモデルにある。いつまでも「自分らしく」「美しく」「健康でありたい」と考える女性を応援する体操教室で、運動が苦手な女性、年齢による体力低下を心配している女性を中心にサービスを展開。「手軽に、誰でも、何歳でも!」「1回わずか30分、予約不要!」「会員もスタッフも女性だけ」というプログラムを提供している。FC加盟店のスピード出店を可能にした低初期投資、使命感で結びついたフランチャイズシステムによって成長を続け、20年8月期の第1四半期末(19年11月末)で2008店舗、会員数86.4万人を誇る。
今期の新規出店は71店舗(前期比13.4%減)、今期末店舗数は2,054店舗(前期末比3.2%増)を計画。新規出店数が前期に比べて減少するのは、FC加盟企業が成功するように新規出店の基準を厳格化しているため。会員数は今期末に84.6万人(前期末比3.0%増)を見込んでいるが、第1四半期に実施したキャンペーンにより期初計画を上回っている。
今期の業績は売上高292億3,600万円(前期比4.3%増)、経常利益56億9,100万円(同8.5%増)の予想。国内、海外のカーブス事業のロイヤルティなどFC関連の売上高は141億7,000万円(同5.4%増)、ショッピング売上高は150億6,500万円(同3.1%増)を見込んでいる。
今後は「地域密着の健康インフラ」「社会課題解決型事業」としての成長戦略を進める。男性向けサービスの「メンズ・カーブス」などの新分野を展開することで、既存のカーブス事業だけではカバーしきれないマーケットを開拓していく。
なお、2月28日を実質基準日として、コシダカHDの株主の保有するコシダカHD株式1株につきカーブス1株の割合で現物配当が行われる予定。
概要
●事業内容=女性向けフィットネス施設「カーブス」の運営など
●本社=東京都港区芝浦3-9-1
●代表者=増本岳代表取締役社長
●設立=2008年10月
●上場前資本金=2,001万8,000円
●発行済み株式数=8,471万3,284株(上場時)
●筆頭株主=コシダカホールディングス(上場前90%)
●公募株式数=241万5,000万株
●売出株式数=36万2,000株(オーバーアロットメントによる売出)
●仮条件=2月12日に決定
●ブックビル期間=2月13日から19日まで
●引受証券=三菱UFJモルガン・スタンレー(主幹事)、野村、SMBC日興、いちよし、丸三、岡三
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2019.8 | 28,036 | 5,243 | 60.89 | 49 |
2020.8(予) | 29,236 | 5,691 | 46.82 | 10 |
※単位100万円、1株利益、配当は円 |