5月8日(金)のマーケット
NY市場ではハイテク株比率の高いナスダック指数が8,979ポイントと昨年末水準を上回っており、ハイテク・ネット企業を中心にコロナ禍の後の展開が期待される表れと言えます。
本日の東京市場のポイントはSQ値をクリアできるか?という点。2万73円69銭と2万円超えとなったこの値。コロナ発生原因に絡んで懸念されていた米中の緊張状態ですが、ライトハザー米通商代表・ムニューシン財務長官が中国の劉鶴副首相と電話協議を行い、前向きな進展が好感され日経平均は徐々に上げ幅を拡大し高値引けとなりました。大引けで本日のSQ値をクリアしており、リバウンド相場への期待が出てきました。
チャート上では5日移動平均線を大きく上回り、4月30日以来の2万円台乗せとなりました。また、一目均衡表の雲抜け2万237円も目前となっており、来週の相場展開にも期待が感じられます。週足の日経平均のチャートを見ると、3月の急落局面からの戻りが顕著になってきました。
今夜の米雇用統計も、最悪の数字が見込まれていますが、悪い数字が出ることにより追加の経済対策のスピードが速まることが期待されていることから、マーケットでは織り込み済との見方です。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。新型コロナウイルスの拡大による外出の自粛要請は世界中で経済の巣ごもり状態を作り出しました。それに伴ってネット上の経済圏が一段と活気を帯びています。背後にはクラウドサービスの利用が増えているという実情があります。
止まってしまった社会の中にあって、ひとり好調な企業収益をあげているのがアマゾン・ドットコムとマイクロソフトです。どちらもクラウド関連のサービスが収益を大きく押し上げています。
クラウドは、IT企業が自社で保有するソフトウエアやデータをネット経由でユーザーに使ってもらうサービスです。ユーザーは自社でソフトウェアを保有する必要がないために、常に最新のテクノロジーをその都度、使った時間だけの料金で使用することができます。
日本も同様で、クラウド上のデータの格納庫であるデータセンターへの投資が急速に増えています。形のある実社会は新型コロナウイルスの感染拡大で動きがとれない状態ですが、その分だけ丸ごとネット経済へと経済の動きが急速に移行しています。
クラウドが社会の隅々まで普及することで、リアル社会とネット社会はほとんど不可分なまでに近づいてきました。ウイルス感染の広がるリアル社会で動きがとれなくなると、とたんにネット社会がにぎわいます。アマゾン、マイクロソフトばかりでなく日本でも業績が好調なクラウド関連企業のすそ野がますます広がりそうな勢いを感じます。
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注目記事 Pick up
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【今週の展望 先を読む株価 胎動 景気敏感セクター】
日本証券新聞5月8日(金)紙面1面TOP記事掲載
戻り高値更新銘柄に的 日経平均 再び2万円台
8日の日経平均は後場一段高に買い進まれ、前日比504円高の2万179円で高値引けとなった。4月30日以来の2万円台を奪回した。一時は戻り売りや連休控えの持ち高調整もあって伸び悩む場面があったものの、4月9日以降では初の2日連続高となった。もっとも、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による激しい景気・企業業績の落ち込みで、マーケットでは依然として先行き警戒論が渦巻いている。ただ、8日は機械、非鉄、鉄鋼、海運など景気敏感セクターに買い気が拡大。懐疑の中で、先を読む株価は早くも経済立ち直りの糸口を探り始めた。
「アク抜け」と「業績回復期待」とが共鳴し合うようにして、8日の日本株を突き上げた。
象徴的な動きはファーストリテイリング(9983)だ。前日引け後に開示した4月の「ユニクロ」既存店舗とネット通販のEコマース(電子商取引)分を合わせた売上高は新型コロナウイルス感染の影響で前年同月比56.5%減と大幅にダウン。しかし、8日の株式市場はカイ気配でスタートし、一時、1,910円高(上昇率3.8%)の5万2,180円と、4月30日に付けた戻り高値5万1,970円を更新した。
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今日の市況概況
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5月8日(金)☆[概況/大引け]
与党の中小企業・個人事業者に対する家賃給付支援策が好感され、日経平均は高値引け。鉄鋼や非鉄、海運、外食産業が高い
大引けの日経平均は20,179.09円の504.32円高、TOPIXは1,458.28ポイントの31.55ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,835、値下がり銘柄数は287。出来高は13億7,239万株、売買代金は2兆3,913億円。
14日以降、緊急事態宣言が解除される県が段階的に出てくることや、与党が新型コロナウイルスの感染拡大に伴い家賃の支払いが困難な事業者に対して、支払った家賃の3分の2を給付する支援策を決定したため、景気の落ち込みが緩和されるという期待から日経平均は上昇した。
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