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コラム2020年12月11日

【本日のマーケット】12月11日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

12月11日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でNYダウは続落。週間の新規失業保険申請件数は85万3千件と、前週の71万6千件から予想以上に増加し、市場予想の72万5千件も上回ったことから、NYダウは売られたが、ムニューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長がそれぞれ、新型コロナウイルス経済対策法案を巡る超党派の協議について、進展が見られたとコメントしたため、下げ幅を縮めた。NYダウは前日比69ドル安(0.23%安)の2万9,999ドル。ナスダックは反発。テスラとAMDが買われ、ガリーナ・バイオファーマが大幅高となった。ナスダック総合指数は前日比66ポイント高(0.54%高)の1万2,405ポイント。

本日の東京市場で日経平均は、メジャーSQを迎えもみ合いでのスタート。SQ値は市場推計で26,713.47円となった。寄り後からはじり安となり、昨日同様のソフトバンクグループの株価動向が大きく指数に影響した。週末要因とコロナ感染拡大が警戒されたが、東証1部全体では値上がり銘柄数の方が多く、TOPIXは小幅反発。特に存在感が際立ったのはトヨタ。時価総額25兆円超と国内トップのこの銘柄がザラバで4.4%高を記録。東証規模別・大型株指数も11月27日の高値を更新した。大引けの日経平均は103円安の2万6,652円。売買代金は2兆8,820億円。TOPIXは5ポイント高の1,782ポイント。

新興市場は共に反発。JASDAQ指数は小反発。出前館が大幅高となり、放電精密とドーンがストップ高。アサカ理研はリチウムイオン電池のリサイクル事業開始で4日続伸。対して、IMVやOSGコーポは下落。マザーズ指数も3日ぶり反発。BASEはネットショップ開設数が130万を突破したことが好感された。フリーとケアネットが大幅高。一方、メルカリが売られ、オンコリスは第三者割当増資による希薄化が嫌気され下落。

チャート上では、5日移動平均線(2万6648円)で下げ止まり。SQ週の今週は上値が重い展開で高値圏でのもみ合い。週足では6週連続の上昇とはならず。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。12月相場が始まって2週間が過ぎました。

今年1年を振り返ってみれば、100年ぶりにパンデミックに襲われた2020年は、数々の記録的な変化が起こりました。そのひとつが、11月の株式市場が世界中で記録に残るほどの上昇を遂げた点です。

日経平均は10月末の22,977円から11月末の26,433円まで、わずか1か月で+3,456円も上昇しました。これは1980年以降では3番目に大きな上昇幅となります。

問題はこのような株価上昇がなぜ起きたのか、という点です。

米国の大統領選挙が終了した安ど感と、コロナウイルスのワクチン開発のニュースが相次だことで引き起こされたものである事実は揺るぎません。

ただしそれらはおそらく十分条件であって、まず大幅な株価下落があったという事実が必要条件として存在しているように思います。

今年3月は日経平均の75日移動平均乖離が▲26.5%まで広がりました。振り子がマイナスの方向に振り切れて、その反対派動が起きたのが11月に起こりました。下落のエネルギーが上昇に転じることで日経平均は26,000円を回復するまでに急騰したものと見られます。

移動平均という世の中の平均値からこれほど乖離が発生するということは、何かしらの大きな時代の変化が始まったと考えるべきかもしれません。

それがよい方向であればありがたいのですが、必ずしもそうとは限りません。厳しい変化であることもあります。何が変わったのか、格差問題なのか、テクノロジーなのか、まだ姿は見えません。それが全貌を現すにはおそらく時間がかかります。

その点を突き詰めてゆくのが、来たる2021年の最初のテーマのようにも考えられます。こういう時は足元を見つめることが肝要です。世の中と市場の変化に必死で食らいついてゆく日々が続きそうです。

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注目記事 Pick up
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【相場を斬る(68)
日本証券新聞12月14日(月)紙面1面記事掲載 

中期上昇トレンドは盤石 25日MAの傾き鈍化に注意

2020年の日経平均の年間高低差を振り返ると、12月9日時点までの終値ベースで1万265円に達する歴史に残る波乱相場であった。

この高低差を上回ったのは、今年とは違い下落であるが1990年バブル崩壊時の1万8,491円だけである。年間だけではなく前日比の騰落幅を見ても、年初から12月9日までの期間において、前日比1,000円以上動いたのが5営業日、500円以上までハードルを下げると、なんと28営業日に達している。

AIに管理されたハイボラティリティな相場変動について行けなかった投資家も多かったと思われるが、コロナ禍での2月下旬からの下落、3月下旬以降、および11月以降のリバウンドをはじめとした相場の各転換点において、様々なテクニカル指標が売買シグナルを発していたのである。内容の良しあしも当然重要だが、時の良しあしをデジタル的に見極め、判断することを忘れてはいけない。

短期調整局面も

前回、日経平均の11月17日から20日までの短期調整局面において、18日にストキャスティックスの%DがS%Dを下回り、19日には終値で5日移動平均線(以下MA)の右上がりの傾きが鈍化するポイントで同MAを割り込む、という短期トレンドにおける高値圏での定石通りの売りシグナル点灯について解説したが、微調整にとどまったのは5日MAの傾きが右上がりを維持したことによる。

12月に入り7日には、米国株高を受けて一時2万6,900円台に接近したものの、終値では前日比200円強の下落となり、前回同様にストキャスティクスの%DがS%Dを下回る中、11月20日以来10営業日ぶりに、終値で5日移動平均線を割り込んできた。指数寄与度の高い銘柄の株価上昇により、日経平均は10日時点では5日MAの上位に位置しているものの、傾きはほぼ水平な状態に転じている。

今後、25日MAの応当日株価も上昇に転じることから、6月9日から15日にかけての調整局面と同様に、短期的に右上がりの25日MA程度まで調整する可能性がありそうだ。また、ボリンジャーバンド日足(25日)でも、プラス1σラインの攻防が継続している。

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今日の市況概況
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12月11日(金)☆[概況/大引け] 

ソフトバンクG反落の影響で日経平均は続落となったが、東証1部全体では上昇銘柄数が多く、TOPIXは小反発。トヨタやゲーム関連が高い

大引けの日経平均は26,652.52円の103.72円安、TOPIXは1,782.01ポイントの5.80ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,396、値下がり銘柄数は696。出来高は12億8,218万株、売買代金は2兆8,820億円。
昨日とは逆の動きで、ソフトバンクグループが反落した影響で日経平均は続落となったが、東証1部全体では上昇銘柄数の方が多く、TOPIXは小反発となった。

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