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IPO2021年1月18日

新規上場紹介 QDレーザ 2月5日 マザーズ 半導体レーザなどの開発・製造・販売

QDレーザ(6613)が2月5日、マザーズに新規上場する。

レーザ技術を用いた製品の開発・製造・販売を行っている。レーザとは共振器を用いて電磁波を増幅して得られる人工的な光。指向性や収束性に優れ、また波長を一定に保つことができるなどの物理的な特長がある。レーザデバイス事業、レーザアイウェア事業を展開している。

創業者の菅原充氏(現在の社長)は富士通と東京大学の産学共同の開発体制の下、量子ドットレーザ技術開発の先駆者としてスタート。富士通と三井物産のベンチャーキャピタル資金を活用。富士通の量子ドットレーザ技術に基づく光デバイスのベンチャー企業として2006年4月に設立された。

同社が保有するコア技術には、次の6点がある。①半導体結晶成長…半導体結晶を半導体基板上に成長させる技術。②レーザ設計…用途に最適なレーザを設計する技術。③小型モジュール…半導体レーザは半導体レーザチップをパッケージの中に入れるが、同社のレーザのモジュールサイズは他社に比べて小さい。④VISIRIUM Technorogy…メガネ型フレームに内蔵された超小型レーザプロジェクタから網膜に直接画像を投影する技術。⑤回析格子…半導体レーザ内部に波長を選択するための周期100ナノメートル程度の凸凹を形成する技術。⑥量子ドット…半導体材料でできたナノメートルサイズの塊で、電子をこの中に閉じ込めることによって温度特性を改善させることができる。

レーザデバイス事業は、結晶成長を自社で実施し、半導体レーザチップ加工およびモジュール実装を外部の協力会社に製造委託するファブレスで製造している。国内外の加工用ファイバーレーザメーカー、バイオ系検査装置メーカー、計測機器メーカーなどからの受注を確保しつつ、新規アプリケーションの開発受託獲得に注力している。

レーザアイウェア事業は、レーザ網膜投影技術を使ったメガネ型ディスプレイ(網膜走査型レーザアイウェア)の製品開発・製造(ファブレス)を行っている。これはメガネ型フレームに内蔵された超小型レーザプロジェクタから網膜に直接画像を投影し、装着者の視力やピント位置に影響を受けることなく、カメラの撮像画像や外部入力されたデジタル情報を見せることができる製品。装着者のピント調整能力に依らず、ボケのない画像を見せられる(フリーフォーカス)ことから、全盲ではないものの、視覚に障がいのあるロービジョン(WHOの定義によると矯正視力0.3未満)と一部の社会的失明者(同によると矯正視力0.05未満)に対する視覚支援機器として生活の質の向上に資する性質を有している。販売については、一般顧客向けには販売パートナー(メガネ店、通販業者)を通じて販売し、法人顧客向けには直販を行っている。

21年3月期の業績は、売上高9億7,400万円(前期比28.7%増)、経常損失7億3,900万円(前期は12億2,500万円の損失)の予想。

概要

●事業内容=半導体レーザ、網膜走査型レーザアイウェアおよびそれらの応用製品の開発・製造・販売
●本社=神奈川県川崎市川崎区南渡田町1番1号
●代表者=菅原充代表取締役社長
●設立=2006年4月
●上場前資本金=7億6,331万円
●発行済み株式数=3,458万4,180株(上場時)
●筆頭株主=東京センチュリー(上場前13.02%)
●公募株式数=945万1,800株
●売出株式数=410万7,600株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が203万3,900株)
●仮条件=1月20日に決定
●ブックビル期間=1月21日から27日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、岩井コスモ、水戸、極東

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2019.3 960 ▼996 ▼42.53 0
2020.3 756 ▼1,225 ▼72.24 0
2021.3(予) 974 ▼739 ▼35.98 0
※単位100万円、1株利益は円
▼は赤字

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