本決算発表目前、2021年のテンバガー候補に注目
まいど!「相場の福の神」こと藤本誠之です。年間400社を超える上場企業のトップにインタビューを行っていますが、本連載では、その中から厳選した「真の成長企業」をご紹介していきます。
東京都新宿区に本社を置くヘッドウォータース(4011・東マ)は、2005年に創業したAIベンチャーの老舗。業界の黎明(れいめい)期より「AIの民主化」を実現すべく、企業のAI導入をワンストップで支援する「AIソリューション事業」をメインに手掛けています。
社名は日本語で「源流」を意味。一滴の水滴から始まった河川が、後に巨大な激流となり日本のIT業界を飲み込むことで、その変革を図るという強い意思が込められています。
AIの「老舗」、一気通貫で対応
「AIソリューション事業」では、顧客が抱える悩みをAIで解決、売上高アップやコスト削減を実現します。具体的には、顧客の業務分析を行った後に、AIで解決できるか実証実験を行うなど開発をし、その後の運用・保守までを一気通貫で対応しています。ヘッドウォータース内部ですべて完結することから、コストと期間について、すべての工程が複数社に分かれている他社連合とは圧倒的な差別化ができるのです。
AIソリューション事業でカタチにした課題解決スキームをパッケージ化、製品として販売する「プロダクト/サブスクリプション」も展開しています。AIソリューション事業は業務分析・開発にコストが掛かるため利益率は限定的ですが、パッケージ化したものは、ほぼ「売上高=利益」、利益率が一気に改善します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)も手掛けていますが、同社の場合は単なるデジタル化ではなく、顧客企業が将来的にAIを利用することを見越した上でデジタル化を推進していくために必要となるであろうシステムの開発を行うなど、付加価値の高いサービスとなっています。
(福の神ポイント) コロナ禍で人を介さないコミュニケーション手段が進展、あるいは、リモートワークの広がりによるインターネットの活用が一層進むことが想定される現代においては、企業のAI活用をサポートする同社の活躍余地はますます高まり、かつ、「プロダクト/サブスクリプション」の拡大に伴うストック型収益の増加まで期待できます。
同社は昨年9にIPO(新規上場)したばかり。3日目に公開価格2,400円の11.9倍となる2万8,560円初値を付けましたが、これは、初値倍率の新記録として大いに話題となりました。
そんな同社の大株主にはチェンジ(3962)がいます。チェンジは昨年2020年に、安値から高値まで株価10倍以上と躍進しましたが、ヘッドウォータースは2021年に「第二のチェンジ」となりそうです。2月12日に予定する本決算発表にまずは注目しておきましょう。