ベビーカレンダー(7363)が3月25日、マザーズに新規上場する。
インターネットサイトおよびアプリの運営、産婦人科向けのシステム開発など、インターネット技術を利用して、妊娠・出産をはじめとする女性のライフステージにおける課題を解決する事業を展開している。
主力事業であるメディア事業は、同社が運営する妊娠・出産・育児領域の専門サイト「ベビーカレンダー」を広告媒体として、インターネット広告枠の販売を行っている。このサイトは、妊娠中のプレママ・子育て中のママとパパが安心して赤ちゃんを産み、笑顔で子育てできるようサポートする内容。医療情報が含まれる記事は、医師、助産師、保育士、看護師など約40名の専門家と提携し、すべての記事を専門家が監修することで不確かな情報が掲載されないよう信頼性を担保している。助産師や管理栄養士などの専門家への相談が“無料”でできる「専門家相談」コンテンツは、累計相談件数は約8万件に上る(同コンテンツが実装された2015年12月から)。そのほかのコンテンツは、ニュース(赤ちゃんに関する様々な話題のニュースを毎日10本以上提供)、離乳食レシピコンテンツ、基礎知識(約1,500本の実用情報記事を収録)、体験談やトーク――など。20年12月の月間ページビューは1億973万強、月間ユニークユーザー数は737万強を数える。
産婦人科向け事業は、産婦人科が抱える様々な課題に対してITを介したソリューションを提供している。「ベビーパッドシリーズ」は全国450カ所以上の産婦人科への導入実績がある患者と院内関係者をつなぐ院内のサポートサービス。その一つの「プレママ」は待合室でiPadを貸し出し、通院期の患者が知りたい、妊娠中の不安を和らげる情報を提供する。「ベビーパッドシリーズ」に、ホームページ制作・保守管理、かんたん診療予約システム、エコー動画館などのサービスを追加することによって、妊産婦への利便性向上に向けた施策を産婦人科施設へ提供している。
Webマーケティング事業は、顧客企業が抱える課題解決に主眼を置き、Webデザインサービスなどを提供している。顧客の業種は、一般事業会社のほか、産婦人科を除く総合病院・クリニックを中心とした医療機関、官公庁、弁護士事務所など官民あわせて広範囲に及んでいる。
21年12月期の業績は、売上高10億7,400万円(前期比20.2%増)、経常利益1億5,500万円(同61.3%増)の見通し。事業ごとの売上高は、メディア事業が7億100万円(同19.0%増)、産婦人科向け事業は2億2,700万円(同6.5%増)、Webマーケティング事業は1億4,500万円(同60.3%増)を見込んでいる。
上場に際して調達する資金は、既存システムの開発投資、新サービスの開発投資、人材採用および人件費、広告宣伝費に充当する予定。
概要
●事業内容=妊娠・出産・育児向けの情報メディア事業および産婦人科向けの経営支援ソリューション事業
●本社=東京都渋谷区代々木1-38-2
●代表者=安田啓司代表取締役
●設立=1991年4月
●上場前資本金=5,679万円
●発行済み株式数=82万8,000株(上場時)
●筆頭株主=安田啓司(上場前30.01%)
●公募株式数=8万5,000株
●売出株式数=8万株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が2万4,700株)
●仮条件=3月8日に決定
●ブックビル期間=3月10日から16日まで
●引受証券=SBI(主幹事)、SMBC日興、岩井コスモ、松井、マネックス、楽天、藍澤、極東、むさし
業績推移(★)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2019.12 | 600 | 32 | 98.40 | 0 |
2020.12 | 893 | 96 | 83.39 | 0 |
2021.12(予) | 1,074 | 155 | 125.70 | 0 |
※単位100万円、1株利益は円 |