3月12日(金)のマーケット
前日の米国株式市場でNYダウは5日続伸。追加経済対策が成立し、景気回復期待で幅広い銘柄が買われた。週間の新規失業保険申請件数が71万2千件と、前週の75万4千件から減少し、市場予想の72万5千件も下回り、予想以上に改善。NYダウは前日比188ドル高(0.58%高)の3万2485ドル。景気回復期待から長期金利が上昇したが、30年債入札を通過したことで、長期金利が上昇一服となり、ハイテク株が買われ、ナスダックは反発。テスラやフェイスブック、エヌビディア、AMDが上昇。ナスダック総合指数は前日比329ポイント高(2.52%高)の1万3,398ポイント。
本日の東京市場は、SQ算出日で上昇でのスタート。SQ値は市場推計で2万9,282.41円となり、この値を上回っての推移。米追加経済対策の成立や、SQ通過の安心感で徐々に上げ幅を拡大。年度末に向けた持ち高調整の売りがほぼ一巡したという見方もあり、引けにかけて上げ幅を拡大し4日続伸となった。大引けの日経平均は506円高の2万9,717円。売買代金は3兆6235億円。TOPIXは26ポイント高の1,951ポイント。
新興市場も上昇。JASDAQは6日続伸。フェローテックやウィルソンラーニングが買われ、石垣食品はべジタリアと資本業務提携を受け急騰。対して、シンバイオ製薬がが売られ、メディシノバとウチダエスコは大幅反落。マザーズ指数は日経平均を上回る上昇率で4日続伸。エネチェンジが大幅高。フリーやグッドパッチ、HENNGEが上昇。一方、QDレーザとメディア工房は反落。カラダノートは大幅安。
日足チャート上では、本日の上昇で25日移動平均線(2万9490円)を回復。3月3日以来のこと。2月16日高値3万467.75円から3月8日安値2万8743.25円までの押し幅に対し、早くも半値戻し(2万9605.50円)水準をクリアとなった。
週足では 先週同様に13週移動平均線(2万8434円)を目前に切り返し、一目均衡表の転換線を上回った。再び3万円の大台も射程圏となった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鈴木一之です。マーケットでは今週は重要な変化がいくつもありました。そのうちのひとつが200兆円に達するバイデン政権の経済対策です。上下院で可決されました。
柱となるのは米国民一人当たり、最大で1400ドルに達する現金の給付です。年収8万ドル以下の所得層という制限がありますが、コロナウイルスに対するパンデミック宣言から丸1年が経過して今回の支給額が最も大きくなります(これまでは第1弾が1200ドル、第2弾が600ドルでした)。
支給は今月中にも始まり、これによって米国の個人消費は大きく押し上げられそうです。この経済対策によって4-6月の経済成長は2ケタの伸びに達するとの見方も出ています。
折しも今週はOECD(経済協力開発機構)が世界経済見通しの改定を発表しています。それによれば、今年の世界の成長率は5.6%と、昨年12月予測の4.2%から+1.4ポイントも引き上げられました。合わせてコロナ危機以前の水準に回復する時期を、それまでの「2021年末~2022年」から「2021年半ば」に引き上げています。
けん引役は米国と中国で、それぞれ6.5%と7.8%の成長としています。日本は2.7%の伸びにとどまりますが、小幅ながら昨年12月の予想よりは上方修正しています。
来週は日米で金融政策に関する重要な会合が開かれます。マーケットはさらに神経質にならざるを得ないでしょうが、基本的な金融政策は各国とも低位安定を志向するはずです。株式市場は徐々に短期的な値幅調整完了に向かうと考えるべきでしょう。
金融相場から業績相場へ。株式市場は緩やかな騰勢を取り戻す時がまもなく到来すると考えられます。
※【動画】NSJヘッドラインに特別ゲスト出演。2021年の展望を伺いました。是非ご覧ください!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【SBG「21年ぶり実質最高値」に挑む】
日本証券新聞3月15日(月)紙面1面TOP記事掲載
企業価値と自社株買い状況を再チェック
米追加経済対策や海外株高を受けて日経平均は4日続伸。時間外の米国株先物高などを支えに後場一段高に買い進まれ、2月高値からの押し幅半値戻しにも到達した。なかでも、12日の相場の牽引役となったのが、売買代金断トツの好人気を集めたソフトバンクグループ(SBG、9984)だ。日経平均上昇寄与度も70円弱とトップに立つ。2日の高値1万665円にも「あと15円」に肉薄。いよいよ実質最高値に挑む展開となってきた。
SBG人気の背景となったのが出資先企業の上場。“韓国版アマゾン”ネット通販大手、クーパンが11日、ニューヨーク証券取引所に上場し、初値で公開価格を8割上回る好発進となったが、時価総額9兆円規模となった同社の筆頭株主がソフトバンク・ビジョン・ファンドだ。SBG出資先ではほかに、「配車大手・グラブがSPAC(特別買収目的会社)を通じて米国株式市場への上場を目指す」などと11日の米経済紙電子版で伝えられた。もちろん、先に破たんした英金融サービス会社グリーンシル・キャピタルのような例もあるが、投資事業の順調な進捗が再確認された格好だ。
・・・続きは紙面・Digital版で!
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3月12日(金)☆[概況/大引け]
日経平均は506円高の2万9,717円。SQ通過と期末のポジション調整ほぼ一巡という見方から騰勢を強め、電機株中心に上昇
大引けの日経平均は29,717.83円の506.19円高、TOPIXは1,951.06ポイントの26.14ポイント高。東証1部の値上がり銘柄数は1,243、値下がり銘柄数は844。出来高は15億8,290万株、売買代金は3兆6,235億円。
先物・オプション取引のSQ(特別清算指数)通過と期末のポジション調整ほぼ一巡との見方で日経平均は騰勢を強めた。
SQ値は市場推計で2万9,282.41円だった。
詳しくはコチラ